スポーツやコンテストにおいて「勝つ」「負ける」「引き分ける」の表現を整理しています。一般的に勝つは「win」「beat」「defeat」が、負けは「lose」がよく使われます。引き分けは「tie」です。
これら基本の勝ち・負けのほかに、大会での優勝や、ギリギリで勝つ「辛勝する(edge out)」、「番狂わせ(upset)」のような一定の条件のもとでの勝ち、負けが存在しています。
この記事もまた何か新しい言葉が入れば追加して修正していきたいと思います。
この記事の目次!
勝つ・勝利を英語でいう
スポーツやゲームなど一般的な試合に関連するもので「勝つ・勝利」を表現する場合には動詞で「win」「beat」「defeat」あたりがよく使われます。
以下のような形になりますが、競技が明らかな場合はわざわざ書かないことも多いです。
defeat [相手] at [ゲーム]
beat [相手] at [ゲーム]
win [ゲーム] against [相手]
I defeated her at chess.
I beat her at chess.
I won the chess game against her.
私は彼女にチェスで勝った。
The Yankees defeated the Cubs.
The Yankees beat the Cubs.
The Yankees won against the Cubs.
ヤンキースはカブスに勝った。
Manchester United defeated Liverpool, 3-1.
Manchester United beat Liverpool, 3-1.
Manchester United won against Liverpool, 3-1.
マンUはリバプールに3-1で勝った。
勝つことでも番狂わせに関しては以下のupsetの記事にまとまっています。
負ける・敗北を英語でいう
負けの場合はloseが一般的に使われます。以下のような形になります。
lose to [相手] at [ゲーム]
lose [ゲーム] against [相手]
The Yankees lost to the Cubs, 5-2.
The Yankees lost against the Cubs, 2-5.
ヤンキースはカブスに5-2で負けた。
I lost a game of rock-paper-scissors to Sazae-san.
I lost to Sazae-san.
I lost at rock-paper scissors.
私はジャンケンでサザエさんに負けた。
もしくはbeatやdefeatを受け身・受動態にする表現もよく使われています。
Manchester United was defeated by Liverpool.
Manchester United was beaten by Liverpool.
マンUはリバプールに負けた。
ほかにも「succumb(負ける、屈する)」など少し華やかな表現もドラマチックに伝える場合には見かけるかもしれません。
The Yankees succumbed to the Cubs.
ヤンキースはカブスに屈した。
またdefeatは名詞でも使うことができ「敗北、負け」の意味になります。
After his defeat against Google’s AI, Lee Sedol retired from professional Go.
グーグルのAIに敗北したあとで、イ・セドルは囲碁プロ棋士を引退した。
The Yankees suffered two defeats in a row.
ヤンキースは2連敗した。
引き分けの場合
引き分けの場合はtieを使いますが、普通は文脈や話の流れがあるのであえてゲーム名を言う必要もなさそうですが以下の表現が可能です。
I tied him in a game of rock-paper-scissors.
ジャンケンで彼と引き分けた。
The Hanshin Tigers tied the Giants 2-2.
阪神は巨人と2対2で引き分けた。
draw(ドロー)は動詞では「引っ張る」などいくつかの意味があるので動詞で「引き分ける」の意味で使ってしまうと混乱しやすい言葉です。
使うとすれば名詞です。
The Yankees-Cubs game ended in a draw.
ヤンキースとカブスの試合は引き分けに終わった。
大会で優勝する
大会そのものは「tournament」で表現できます。それに対して「win」を使うことで優勝を表現できます。
They won the tournament.
彼らは大会で優勝した。
Italy won the World Cup.
イタリアはワールドカップで優勝した。
Natalie Portman won an Oscar.
ナタリー・ポートマンはオスカーを獲得した。
もしくは「beat」を使って誰かを倒すといった組み合わせならば大会を優勝したことを意味するのは可能です。
Italy beat everyone in the World Cup.
Italy beat out everyone in the World Cup.
イタリアはワールドカップで全員倒した。
Italy beat Brazil in the World Cup final.
決勝戦でイタリアはブラジルを破った。
他にもgo all the wayにも優勝するといった意味があります。
The Cubs went all the way for the first time in 108 years.
カブスは108年ぶりに優勝した。
テレビゲームで勝つ・負ける
一人用のテレビゲームの場合などは普通はゲームそのもの、コンピューターを対戦相手と考えるためbeatなどを使います。
I can beat Super Mario Bros. in under 30 minutes.
スーパーマリオを30分以内でクリアできる。
I can’t beat the final level of Castlevania.
悪魔城ドラキュラの最後のステージがクリアできない。
二人用のテレビゲームの場合、他のゲームと同じなので特に変わった表現ではありません。
I lost at Street Fighter II again.
スト2でまた負けた。
I won a game of Street Fighter II against my sister.
スト2で妹に勝った。
beatとbeat outの違い
「beat」は「勝つ、打ち負かす、打ち破る」などの意味で使われます。「beat out」になると「(勝って)相手の地位やポジションを奪う」といった意味、ニュアンスが出ます。
The Yankees beat the Red Sox, 10-2.
ヤンキースは10対2でレッドソックスに勝った。
The Yankees beat out the Red Sox in the division rankings.
ヤンキースは地区の順位でレッドソックスに勝った。
これはどっちにしろ勝っていることに変わりはないので、知らずに読み飛ばしても大きな間違いが起こるわけではないとは思います。
連勝する・連敗する
連勝を意味するには物事の連続を意味するin a row、straightなどを使えば表現可能です。
They won 5 games in a row.
彼らは5試合連続で勝った。
They won 5 games straight.
彼らは5試合連続で勝った。
in a row、straightはスポーツの勝ち負けの連続(連勝・連敗)に限定された言葉ではないので「5冊連続で本を読んだ」「20日連続で働いた」といった表現にも使えます。
以下の記事にまとめているので詳しくはそちらをご覧ください。
streak(快進撃・好調)
streakは具体的に何連勝というよりも「好調の波」や「快進撃」といったような形で、もう少し大きな視点での言葉になっています。スポーツなどで見かける言葉で以下の様な形で使われます。
The Tigers had a streak last week.
先週、タイガースは好調だった。
The Tigers are on a streak now.
今、タイガースは好調だ/連勝している。
当たり前ですがスポーツでチームが「好調」といえば勝っていることを意味します。
winning / losing streak
「winning streak」のような形でも使われますが意味は一緒です。
勝ち負けの「連続」に対して使われるので「負け」の連続に対してはlosingをつければ使うことができます。
The Tigers are on a winning streak now.
The Tigers are on a losing streak now.
特に指定なく「streak」だけならば普通は勝つことの連続を指します。またビジネスなどスポーツ以外にもつかえないことはありません。
Amazon is on a streak.
アマゾンは好調だ。
少し漠然として具体性に欠けますが、業績が良かったのか、他に良いことがあったのかはわかりませんが、何か好調なことを意味します。
streakは他にも「縞(しま)や稲妻、傾向、性格」などいろんな意味がある言葉です。
momentum(勢い、機運)
「勢い、機運、気運、流れ」のようなもので、これはスポーツなどでも連勝している状態などを指して使われます。
ビジネスでも見かける単語で「勢い、機運、気運」や物理学的な「運動量」を指す言葉です。
Hopefully, the Toronto Blue Jays can ride their momentum into the post season.
できれば、トロント・ブルージェイズはこの波に乗ってポストシーズンにいってほしい。
Will Google’s momentum ever stop?
グーグルの勢いはまだ止まらない?
I worked all day without taking a break. I was doing really well and didn’t want to lose my momentum.
1日中、休憩なしで働いた。本当によくやっていたし、自分の勢いを失いたくなかったんだ。
このような感じで日常会話で登場しないわけではないので覚えておくと役に立つかもしれません。
edge out(辛勝する)
これもスポーツなどで見かける表現で「辛勝する、辛うじて勝つ」の意味です。
The Yankees edged out the Tigers 11-10.
ヤンキースはタイガースに11-10で辛うじて勝った。
clinch (クリンチ)
ボクシング用語でも知られていますが、元々の意味は「~を固定する、~を結び付ける」といった意味です。ボクシングのクリンチは相手の体に抱きついたりすることで、相手の動きをロックするような行為です。
これが野球などのシーズンスポーツで使われるとシーズン中であっても「残りの試合を全部負けたとしても、数学的に優勝が確定した状態」を指します。
After destroying the Baltimore Orioles 15-2, the Toronto Blue Jays have clinched the American League East title for the first time since their World Series winning season in 1993.
ボルティモア・オリオールズを15対2で撃破したことで、トロント・ブルージェイズは1993年のワールドシリーズ制覇の年以来、はじめてアメリカンリーグ東地区のタイトルを確定させた。
comeback(逆転する、勝ち越す)
make a comebackなどで「逆転する、勝ち越す」の意味になりますが、ブームや流行などが「復活する」としても使われます。
この表現に関しては別の記事でまとめているのであわせてご覧ください。