award / prize / rewardの意味の違い

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公開日: 最終更新日:2021.04.10

award(アワード)、prize(プライズ)、reward(リワード)の3つの言葉はどれも「賞」または「賞品」などを表す言葉です。

意味としては重なり合う部分があるものの、微妙にニュアンスや性質が異なるため多くのケースで置き換えることができません。

The Nobel Prize(ノーベル賞)やThe Academy Awards(アカデミー賞)など世界的に有名な賞を例にして、ネイティブスピーカーに確認したニュアンスの違いなどをご紹介します。

award(アワード)とprize(プライズ)の違い

award(アワード)とprize(プライズ)の違い

名詞で使った場合のawardとprizeの違いについては、prizeは特に努力もない達成感もないような賞を指して使われることが多いです。またコンテストなど競争性を伴うようなものに使われる傾向があります。

awardは名誉ある賞と考えても近いと思います。功績・業績をたたえて授与されるようなものです。

例文

He got a big lottery prize.

彼は大きな宝くじの賞金・賞を得た。

例文

He got a big lottery award.

(宝くじには特に努力も達成感もないので変です)

しかしあくまで傾向であって絶対的なルールというわけでもありません。

The Nobel Prize(ノーベル賞)

The Nobel Prize(ノーベル賞)

このprizeとawardの違いを説明するときによく引き合いに出されるのがThe Nobel Prize(ノーベル賞)です。

ノーベル賞は名誉もあるし、業績・功績を讃えているのでは? 別に競い合っているわけではないのでは? という話になります。

これについては意見を聞いてみると、The Nobel Prize(ノーベル賞)のprizeの使い方がやや古臭い感じがして、伝統・歴史ある賞なので現代の英語の感覚と少しずれている部分があるそうです。

極端な話、ノーベル賞をはじめいくつかの賞では「Prize」が使われていますが、どちらかといえば使い方としては例外(古い使い方)ではないかという話でした。

そのわりには「〇〇賞」といえば真っ先にノーベル賞が思い浮かぶためよく引き合いに出され、少なからず混乱させている部分があります。

したがってノーベル賞は性質としては「award」に近いものがあります。

ノーベル賞、ピューリッツァー賞(Pulitzer Prize)のように現代の感覚では「award」で表現したほうが良さそうなものが歴史があるためprizeで表現されています。

The Nobel Prize(ノーベル賞)は固有名詞なのでこれをThe Nobel Awardと置き換えることは当然できません。しかし、文章の中で「この賞は最も権威ある賞として知られている」など一般名詞で使う場合にはノーベル賞をawardで指すことができます。

以下のような表現は可能です。

例文

The Nobel Prize is one of the greatest awards in the world.

ノーベル賞は世界で最も偉大な賞の1つだ。

しかし逆のケースのawardの性質のものをprizeに置き換えると少し変です。例えばThe Academy Award(アカデミー賞)を指してprizeと表現するようなケースです。

prizeのほうが格下とはいいませんが、扱いが小さい感じがします。

例文

The Academy Award is one of the greatest prizes in show business.

(この言い方は少し変)

例文

There are 12 prizes in last year’s raffle, but this year there are only 6 awards.

(この言い方も変)

とはいえ個人の感覚による部分もあり絶対のルールではないため、例えば歴代のアカデミー賞(The Academy Award)のスピーチを拾ってみればその中でおそらく何人かは「こんなに素晴らしい”prize”をもらい嬉しい」と言ってしまっていると思います。

しかし、その逆で冒頭の「宝くじの賞金」のようにprizeの性質が強いものをawardで表現するとかなり変になるときがあります。

日本語でも「〇〇賞」と呼ばれるものは数多くありますが、ノーベル賞・大勲位菊花章のようなものから、参加賞やくじ引きの1等賞まで「〇〇賞」とひとくくりにされます。英語・英訳を考えるときはその賞の性質や受賞にいたる選考の仕組み、権威・歴史も考慮に入れるのがベストかもしれません。

award(動詞)の使い方

すでに説明したように「award」は何かの達成を祝って、もしくは敬意を表すために与えられるものです。「賞・賞金・賞品を与える」を意味します。発音は【əwɔ́ːrd】です。

例文

He was awarded with an Oscar for his acting.

彼は演技でアカデミー賞を受賞した。

例文

She was awarded the title of “grand master” in chess.

彼女はチェスで「グランドマスター」のタイトルを受賞した。

また動詞で「裁判で賠償金の支払いを裁定する」の意味があります。

例文

The judge awarded the plaintiff $2 million in damages.

裁判官は原告に対して、200万円の損害賠償を認めた。

crownにも「賞・賞金・賞品を与える」と似た意味がありますが少し使い方が違うので以下の記事にまとめています。

reward(動詞)の使い方

reward(動詞)の使い方

一方でreward(リワード)は何らかの行動に対する対価として与えられるもので、達成していてもしていなくても構いません。「報酬・謝礼を与える」などの意味になります。発音は【riwɔ́ːrd】です。

例文

He was rewarded for finding their lost cat.

彼は彼らの行方不明の猫を見つけて謝礼をもらった。

上の例文ではおそらくただ偶然見つけただけであって熱心に探して発見したわけではない可能性が高いです。

例文

If you return my wallet, you will be rewarded.

もし君が私の財布を取り戻してくれたら、お礼を払うよ。

rewardとawardの意味の違い

とてもよく似た言葉で意味が重なる部分もありますが、置き換えて使うことができません。

分かりやすいように同じ例文で比べてみます。awardとrewardのニュアンスの違いを確認してください。

例文

The police awarded her for helping to fight crime.

警察は犯罪と戦うのを手助けしたことで彼女に賞を与えた。

たくさんの犯罪と戦うために多くの仕事をしたことをほのめかしています。功績を称えている感じです。

例文

The police rewarded her for helping to fight crime.

警察は犯罪と戦うのを手助けしたことで彼女に謝礼を与えた。

犯罪者を捕まえるためのちょっとした情報を与える程度のことをしたニュアンスになります。

rewardのニュアンス

awardは常に人物、もしくはグループから与えられるものですが、rewardは誰かに与えられるわけではなく自然と与えられる、つまり自然と身につくものにも使うことも可能です。

例文

If you study every day, you will be rewarded with fluent English.

もしあなたが毎日勉強するなら、流暢な英語というご褒美を得るだろう。

毎日勉強することで流暢な英語が「自然と」身につくという意味です。努力の結果として付随することです。

例文

× If you study every day, you will be awarded with fluent English.

もしあなたが毎日勉強するなら、流暢な英語の賞を得るだろう。

この場合awardは使えません。

もう1つ例文をあげておくのでニュアンスの違いを確認してください。

例文

He was awarded with an Oscar for his acting.

彼は演技でアカデミー賞を受賞した。

awardだとアカデミー賞を彼に与えている協会に焦点が置かれています。

例文

He was rewarded with an Oscar for his acting.

彼は演技に対してアカデミー賞というご褒美をもらった。

こちらも可能な表現ですが、彼の演技のたまもの、副産物として結果的にアカデミー賞をもらったニュアンスになり、彼の演技力に焦点があたっています。アカデミー賞関連の表現については以下の記事にまとめています。別名の「オスカー」もよく登場します。



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