英語で番狂わせを意味するupset

upset

スポーツの試合で負けると思っていた格下が、優勝候補などを倒してしまうことを日本語では「番狂わせ」と表現します。

もともとは順番が狂うことに由来するそうですが、スポーツで使われるようになった背景には相撲の「番付」つまり格下の力士が横綱など格上を倒してしまうことの影響も強いようです。

英語ではこれを「upset」で表現するので使い方をご紹介します。

スポーツ以外では「取り乱す、気が動転して、冷静を失って」などの意味がありますが普通の使い方もあわせて掲載しています。

upset(番狂わせ・波乱)

upsetはスポーツニュースなどでよく使われる言葉で「番狂わせ、予想外の結果」を意味します。日常会話では「気が動転して、取り乱して、ろうばいして、イライラして」の意味がよく知られています。

過去形、過去分詞も変わらず「upset」です。

The underdog upset the champion.
伏兵がチャンピオンを番狂わせで倒した。

①Japan upset South Africa.
②Japan beat South Africa in an upset.

①は動詞で使っています。②は名詞で使っています。

②については「in a major upset」のようにmajorを入れて番狂わせから「大番狂わせ」のように強調した表現にもなります。ラグビーワールドカップでの日本が強豪南アフリカを下したことなど記憶に新しい試合です。

③Japan beat South Africa.

③は普通に「勝った・勝利した」のニュアンスしかありません。upsetは明らかにどちらかが格下、実力が落ちる場合にのみ使います。

スポーツの勝った負けたの表現は別の記事にまとめています。

ジャイアント・キリング?

たまに「giant killing(ジャイアント・キリング)」という表現で番狂わせが語られることがありますが、この表現はそこまで英語圏のニュースでは見かけません(ひょっとしたら地域差はあるかもしれません)。

意味は「巨人を殺す」で旧約聖書の巨人兵士ゴリアテを羊飼いの少年ダビデが倒す話が元になっています。

ここから「David-and-Goliath」の表記を見かけることができます。

以下はかなり前のニューヨーク・タイムズの記事です。

“On Internet, David-and-Goliath Battle Over Instant Messages”(The New York Times)

「ネット上でインスタントメッセンジャーを巡るダビデとゴリアテ」といった見出しで、小さな会社がAOLという巨大な企業を打ち負かす番狂わせがあった話です。

「David-and-Goliath」は発音が英語式になっているので「ディヴィッドとゴライアス」になっているので声に出すときは注意してください。

どちらにしろ、このような番狂わせを表現するには「upset」がもっとも頻出の表現といえますね。

upsetの語源

upsetがなぜ「番狂わせ」を意味するようになったのかは以下の英語の記事が詳しいです。

Origin of the Word Upset(Forbes)

アメリカの競馬の歴史に残る最強の名馬マンノウォー(Man O’ War)が、1919年のサラトガ競馬場で行われたレースで、同じレースに出場していた馬Upsetに負ける大波乱がありました。

マンノウォーにとって唯一の公式戦の敗戦(21戦20勝)で、ここからupsetが「場狂わせ」を意味するようになったとする説が信じられていました。

後に研究者が1877年にはこの用法が存在していたことを突き止めており、この説は誤りだといっています。

しかし、この競走馬のupsetが広く「番狂わせ」の意味でスポーツ界で使われるようになったことに大きく影響を与えているのは事実だと書いています。

日本のガッツポーズの由来も似たような話がありますね。

underdog

日本語の「負け犬」に近い言葉で敗者の意味もありますが、勝ち目の薄い人の意味でも使われています。日本語では伏兵、大穴といった感じでしょうか。

favorite

おなじみの「favorite」ですが「お気に入り、大好きな」のほかに「本命、優勝候補」の意味があり、ニュース文では「(ワールドシリーズの)本命、優勝候補」の意味で使われています。

The Blue Jays are my favorite team.
ブルージェイズは私のお気に入りのチームだ。

The Blue Jays are the favorite team.
ブルージェイズは優勝候補だ。

お気に入りの場合は誰のお気に入りであるかを示す「my , his, your」などが入り、優勝候補の場合は「the」を伴います。加えて文脈から判断してください。

普通のupsetの使い方

アプセット

upsetは「怒る/怒らせる」に限らず悲しい、悪い、困惑などネガティブな感情をすべて含んでいます。

過去形と過去分詞が同じ形なので「he also upset some people」と書いてあると三単現のSがないので、注意深く読むと過去形であると判断できます。

自分にも相手にも使える言葉で、誰かを怒らせる場合、または主語の人が怒っていることをあらわす場合にも使えます。

He upsets Taiwanese.
彼は台湾人を怒らせる。

He is upset.
彼は怒っている。

下の場合はHe is angryに近い形になりますが、少しだけ注意点があります。

変化しない動詞の混乱

upsetは変化しない動詞なので書き方によっては不明瞭な文章になってしまいます。

これはopenという動詞を例に出すとわかりやすいかもしれません。

①The door was open.
扉は開いていた。

②The door was opened.
扉は開かれた。

①は扉は開いていたという状態を表しています。②は受動態の形で(誰かによって)扉は開かれたという意味になります。

openは過去形/過去分詞になったときに-edがつくので①と②の文章の意味の差が明確です。

これをupsetでやると、upsetは過去形、過去分詞、(あるいは形容詞も含めて)すべて変化しないため文章が不明瞭になります。

③He was upset.

③は「彼は怒っていた」の意味と「彼は(誰かによって)怒らされた」の両方の意味でとれてしまいます。

細かい話ですが変化しない単語は、使い方によっては文章を不明瞭にさせてしまうのでご注意ください。

   


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