「選ぶ・選択する」のselect / choose / pickの違い

select

「選択する、選ぶ」を意味するこの3つの言葉は置き換えて使うこともできますが、それぞれに少し違うニュアンスがあるため状況によってはぴったりくる、こないがあります。

特にchooseとselectの違いについてオーストラリア人のカール、カナダ人のスティーブと話し合ってわかったのは、ネイティブスピーカーでも明確にchooseはこういう意味!selectはこういう意味!とそこまではっきり断言できる性質ではない点です。

しかし、どちらでもいけるような境界線上の曖昧な部分もあるけれど、それでもやはり明確に使い分けされている言葉だとも言えます。

selectの意味と使い方

select

selectはもっともフォーマルな響きがあり、おそらく何かの指示や説明をするときに使われるのにふさわしいです。

selectは選択肢の中から最善、ベストなものを選ぶといった感じです。空席、空のポジション、要素があるからそこに入る最適・最善な選択肢を選ぶイメージです。

日本語ではそのまま言葉の雰囲気も含めて「選択する」と考えてもいいと思います。

ここで重要なのが「selection(選択)」があるかどうかです。上の写真のように選択(ここでは色見本)が用意されており、それを選ぶ場合にはselectが使えます。

しかし「selection(選択)」がない状態で「select a color」と言われても何から選んでいいのかよくわからなくなります。

例文

◎ First, select a color.

○ First, choose a color.

○ First, pick a color.

最初に色を選択してください。

この「selection(選択)」とは上の写真のように物体として持っている、候補者として目の前にいるような場合もあれば、パソコン・ソフトの言語選択では[日本語][繁体字][简体字][Español][English]のように選択が表示されているケースもあります。

また文脈としてお互いの頭の中にいくつか選択肢ができあがっている可能性も考えられます。このような頭の中にある選択肢にも使えます。

こういった状況から選び出すのはselectが合ってきます。

ただ、上の写真のように色の見本やゲームの言語選択画面のように選択肢を用意したうえでchooseやpickを使っても問題ありません。

しかしまったく選択肢もない状態で「好きな色をセレクト(select)してよ!」のように使うと変に感じるケースがあります。

追加で考慮すべき要素はselectはフォーマルに響くため「店員がお客さんに言っている」などの状況を考慮するといいと思います。特に後で書いていますがpickはカジュアルな感じがするので「選考委員会が選出しました」「店員が顧客に選択を促す」みたいな堅い状況では場面にそぐわない感じが出ることがあります。

chooseの意味と使い方

choose

chooseは自分が希望するから選ぶ、自分がそう望むから選ぶというニュアンスが色濃く出ています。裏を返せば選ばれなかった選択肢を望んでいない意味が見え隠れします。

例文

◎ I chose her to be my girlfriend.

○ I picked her to be my girlfriend.

△ I selected her to be my girlfriend.

僕は彼女をガールフレンドに選んだ。

希望して選ぶという点ではchooseがベストだと判断できます。pickも可能な表現ですが、ちょっと冷たい印象を受けます

selectは彼女候補リストがあってそこから選ぶような、すごくもてる人ならばあるのかもしれません。

他にもselectは恋愛シミュレーションゲームで「恋人を選んでね!」といった状況やテレビ番組で写真が並べられていて「あなたの好みのガールフレンドは?」みたいな状況ならば文章としては成立します。

chooseは望んで選んでいるニュアンスを含むため、like(好き)やprefer(好む)などと一緒に使われる「over」を伴ったり、自分が行う「to do(動作)」に対しても使われます。

I prefer cake over cookies.(クッキーよりケーキが好き)を言い換えてみます。

例文

◎ I choose cake over cookies.

○ I pick cake over cookies.

○ I select cake over cookies.

私はクッキーよりケーキの方を好む/私はクッキーよりケーキの方を選ぶ。

おそらく上の例文の場合はchooseが選ばれる傾向が高いです。

I like to eat dinner with chopsticks.(箸で夕食を食べるのが好きだ)を言い換えてみます。

例文

◎ I choose to eat dinner with chopsticks.

△ I pick to eat dinner with chopsticks.

△ I select to eat dinner with chopsticks.

私はお箸で夕食を食べるのが好き/私はお箸で夕食を食べるのを選ぶ。

こういったケースではchooseが使いやすい言葉だといえます。

chooseは活用が混乱しやすい言葉で過去形がchose、過去分詞がchosen、名詞がカタカナにもなっている「choice(チョイス)」です。これは以下の記事にまとめています。


chooseとselectの違い

chooseは「選ぶ」の意味ですが、日本語では「決める(decide)」に近い使い方もできます。

例文

Have you chosen a name for your baby?

子供の名前はもう決めた?(選んだ?)

この場合は「決める(decide)」でもOKですが、chooseも使えます。

頭に中に浮かんだ無数の候補の中から自分が強く希望するものを選んでいるのでchooseが使われていますが、日本語で実態を表すならば「決める(decide)」が近くなります。

例文

Have you selected a name for your baby?

(この文章は変)

「select」はよく「慎重に選ぶこと」と説明されるケースがあります。しかし子供の名前って慎重に選ぶものだと思いますが、上の例文のように書かれると違和感があります。

まるでリストで提示されて「あなたの好きな子供の名前をこの中から選んでくだい」と言われているような感覚になるそうです。

アメリカの現代英語のコーパス(データベース)を調べてみるとchooseが使われていて、selectが使われていない言葉をあげてみると「ABORTION(中絶)」「DEATH(死)」「HAPPINESS(幸せ)」「PEACE(平和)」「WOMAN(女性)」「GUY(男性)」などです。

chooseのみが使われるのは「死・中絶・幸せ・平和・恋人」など自分にとって人生に影響を与えるような大きな出来事だったり、自分が望んで選ぶ、強く希望して選ぶ性質のものが多いです。

カールは「コインの裏表で適当に決められないような重要なことなら明確にchooseでいいと思う」と1つの目安を語っています。

selectに対して「ABORTION(中絶)」「DEATH(死)」「HAPPINESS(幸せ)」「PEACE(平和)」を使うと、選択肢が並べられていて「はい、ではあなたにぴったりの状況を選択してください」と言われているような感じもあり、似つかわしくありません。

pickの意味と使い方

pick

pickはもっともカジュアルなので、よくくだけた会話で使われます。また話し手が怒っているときに使うのにもぴったりです。

例文

◎ Hurry up and pick a color!

○ Hurry up and choose a color!

△ Hurry up and select a color!

急いで色を選んで!

お母さんが子供に向かっていう状況や、イライラして待たされているので「早く選べよ」といった状況で使えます。この場合はchooseでも問題ありません。

selectを使うのは間違いではないものの、状況としては「急いで!選択して!」ぐらいの似つかわしくない感じがします。

   


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