pathはもともとは小さな道、小道、散歩道みたいなものを指します。そこから少し抽象的な意味で人生などの道、生き方、進路のような使い方もされます。
サッカーなどのpass(パス)にも「道」の意味があるので、pass、wayとの違いなどを取り上げてみます。発音はthの音が入っているので日本人にはなかなか難しい違いです。
path【pǽθ】
pass【pǽs】
この記事の目次!
小さな道、小道、散歩道
これが最も基本的な使い方で人が歩けるぐらいの道を指しています。人が通ることで踏み固められた大きくはない小道や、人工的に舗装された遊歩道、サイクリングロードのようなものです。
A new bicycle path was made in my neighborhood.
近所に新しい自転車用の小道が作られた。
There is a special path for joggers in the park.
公園にはジョギングする人用の特別な小道がある。
The path runs for eight kilometers.
その小道は8キロ続いている。
There are several paths to the park.
公園に行くいくつかの小道がある。
He jumped across the path.
彼は小道をジャンプして横断した。
footpath
オーストラリア、ニュージーランドでは車道の横にある歩行者用の歩道のことをfootpathといいます。アメリカ英語で歩道をあらわすのは一般的には「sidewalk」になります。
アメリカ、カナダでもfootpathの言葉そのものは存在していますが「小道」の意味で、ハイキングのコースや森にあるような、ギリギリ人が通れるぐらいの、自転車やバイクで通ることを想定していない小道を指しています。
道の意味でstretch(ストレッチ)もたまに登場します。
生き方、キャリア、経歴、軌跡
そこから転じて道、日本語の感覚にもあるような概念としての「道、生き方」といった意味で使われます。
これは歩いて来た過去の道(軌跡、歴史)、これから歩く将来の道(進路)、どちらにも表現可能です。
Your path to becoming a lawyer will be hard.
キミが弁護士になるための道は厳しいだろう。
There are several paths to becoming famous.
有名になるためのいくつかの道がある。
His path to success was a difficult one.
彼の成功への道は難しいものだった。
Muhammad Ali’s path to becoming the greatest boxer was rather short.
モハメド・アリが偉大なボクサーになるまでの道はかなり短かった。
キャリア的にわりと短期間でスターダムにのし上がったモハメド・アリのキャリアを語っています。
進路・通り道
また何か動いている物体の進路などを指すことも可能です。これから物体が先に進むことになる予定のルートを意味します。
The path of the bullet went through the window and into the fridge.
弾丸の進路は、窓を抜けて冷蔵庫に突っ込んでいた。
His house is in the path of the new highway.
彼の家は新しい高速道路の進路にある。
上の例文だと立ち退かないといけないといった話になります。
in the way / in the path ofの違い
pathには「進路、何かが進む道」の意味があります。wayと表現を比較としてみます。
She was in the path of the car.
She was in the way of the car.
pathで書くと「彼女は車に轢かれた」を意味します。一方のwayで書くと、彼女が邪魔をしていたので車は動けなかったのだろうと読めます。
He was in the path of the bullet.
彼は弾丸の進路にいた。
こう書くと、これだけで彼は撃たれた、おそらくたまたま事故のような感じで弾丸の進路にいたと読めます。
基本的に置き換えると意味が変わってしまう言葉で、以下のように置き換えは無理です。
I told him to get out of my way.
彼に道をあけるようにいった。
× I told him to get out of my path.
このような表現の場合にはpathは使いません。
cut a path / carve a path
表現としては「cut a path」がより有名で、手がつけられていない森などをイメージすると、木を伐採しながらそこに道を作っていくことです。
The explorers cut a path through the forest.
探検者は森林に道を切り開いた。
ニュースではハリケーンが通過したときに「carve a path」と表現されました。ハリケーンは「切る」という感じではなく「道を削る」といった、ハリケーンがいろんなものをえぐりながら突き進んでいく、その後に道ができるみたいな感じで使われています。
結局は意味としては障害物を取り除きながら「通っていく」です。
The tornado carved a path through the middle of town.
トルネードが街の真ん中を抜けていった。
しばしば「切り開く」といった意味でも使われます。
She carved a path for women in politics.
彼女は政治の世界で女性のために道をつくった。
passとpathの違い
passは動詞で「通る、通り過ぎる」「(試験などに)受かる」の意味があり、名詞ではサッカーなどの「パス」や辞書には「(障害物を越えて進む)道、通路、山道」でも掲載があります。
passは「道」の意味もありますが、その中でも障害物・混雑地域などを通過するための道を指します。何かを通り過ぎる、近道するための道だと思ってもそう遠くはありません。
underpass(地下道)やoverpass(高架交差路、陸橋)のような言葉があるように、何かを通過するための道を指します。
The underpass goes under the freeway.
その地下の道は高速道路の下を通っている。
The mountain pass allows travelers to get to the other side of the mountain.
その山道で旅行者は山の反対側に行くことができる。
pathがどこかに続いていくような普通の道に対して、passは何か障害物(上の例文では山)があり、それを通り過ぎることができるような道を指しています。
カタカナでもよく聞く交通用語の「bypass(バイパス)」も元々は混雑する市内や山岳地域などを迂回できるように作られた道路を指します。
bypassは動詞・名詞のどちらでも使うことができます。
This highway bypasses the city center.
この高速道路は市の中心を迂回している。
This road is the inner-city bypass.
この道路は都心部のバイパスだ。