sight(サイト)は視力や視界といった意味があるように人間の目に関連した言葉だといえます。素晴らしい光景といった意味で名所・景色を指して使われたり、観光の意味でのsightseeingも広く使われています。
熟語になっている表現も多いので取り上げています。動詞では「目撃する」といった使い方がないわけではありませんがあまり日常会話では用いられません。
発音が同じ単語に「site」「cite」があるので注意が必要です。読み方は音声ファイルを参考にしてください。
この記事の目次!
sightの名詞での意味と使い方
名詞でもsightはいくつかの意味にわかれますがまず「視力」と考えることができます。物を見る能力です。
He lost his sight in an accident.
彼は事故で視力を失った。
人間の視力を意味する場合はよりはっきりと「eyesight」と表現することができます。sightにはいろんな意味があるので人間の視力について話しているならばeyesightのほうがわかりやすいかもしれません。
△ She has great sight.
〇 She has great eyesight.
彼女はすごい視力を持っている(眼がいい)
△ Her sight is better than mine.
〇 Her eyesight is better than mine.
彼女の視力は私より良い。
「視力はいいですか?」と質問する場合に「What is your sight?」と聞くとちょっと意味が曖昧になるのでeyesightを使ったほうがわかりやすいです。
How good is your eyesight?
What is your eyesight?
視力はいい?
I have 20/20 eyesight.
正常な視力があります。
視力の答え方は国によって違うので、日本で使われている1.5や2.0と言っても伝わらないかもしれません。20/20は「正常な視力の」といった表現で20フィート離れた場所から文字が見えたことに由来するそうです。
視力を聞かれた場合は数字ではなく無難に「good / bad」のような表現がわかりやすいです。
景色、眺め、見所
そこから見るに値するようなもの、見てびっくりするような場所を指します。これは名所や景色と考えていいと思います。
This city has many wonderful sights.
この街は多くの素晴らしい名所・景色がある。
She was a sight to behold.
彼女は目を見張るようなものだった。
「sight to behold」は熟語で「目を見張るもの」といった意味です。beholdが注視するなどの意味になります。人の視線を集めるような状態であり、これは良い意味でも悪い意味でも使えます。
siteとsightの発音と意味の違い
似た言葉でsiteがありますがこちらはplaceと同じような意味で「場所・会場」を指します。一方でsightは視覚、見ることに関連した表現なので意味合いが違います。
発音は同じです。またcite(引用する、引き合いに出す)も同音異義語なので少しややこしいですね。以下の音声ファイルは声の主は違いますが同じ発音です。
sight【sáit】
site【sáit】
cite【sáit】
We lost our site for the picnic.
私たちはピクニックの会場をうしなってしまった。
This is the site of the famous battle.
これは有名な戦いの場所だ。
siteの使い方については別にまとめた記事があるのでご覧ください。
out of sight
視界の外、見えないところぐらいの意味です。ただし、けっこう使われる状況や決まった表現になっている感じもあります。
Get out of my sight!
(私の視界から)消えろ!
He walked until he was out of my sight.
彼は私から見えなくなるまで歩いた。
他にも「let someone out of one’s sight(~から目を離す、~の監視を怠る)」のような表現も聞かれます。
Whenever I let her out of my sight, she does something bad.
彼女から目を離すときはいつも、彼女は何か悪いことをする。
I can’t let you out of my sight for a minute!
あなたは少しの間も目が離せない!
in sight
out of sight(視界の外)の逆の意味がin sightで視界の中です。次に紹介するin one’s sightsとは別の表現です。
He walked until he was in my sight.
彼は私に見えるまで歩いてきた。
I’ll stay in your sight.
あなたの視界の中で待っています(見えるところで待っています)
out of sightとin sightの両方に言えることですが、sightという単語そのものがあまり日常使いする単語でもありません。熟語で日常使いされるものもありますが、sightそのものが限定された使い方の言葉だといえます。
例えば上の例文の「あなたの視界にいますよ」は日常会話ではseeを使うほうが多いという意見でした。
I’ll stay where you can see me.
あなたの見えるところで待ってますよ。
このように動詞の「see」を使えばもっと自然に表現できることも多いので、無理に日本語に引きずられて使う必要のない言葉だといえます。
in one’s sights(複数形)
in my sightsのようにsightsと複数形になっている形で「~を狙う、~に照準を定める」といった意味もあります。
これは銃に関連する表現ですが、そこから昇進や欲しい車などに対しても使われます。
I have the enemy in my sights.
(武器などで)敵に狙いをつけている。
She has that job promotion in her sights.
彼女は仕事の昇進が視野に入っている。
I have a certain car in my sights.
ある特定の狙っている車がある。
have one’s sights set on
これで「~を視野に入れる、~に狙いを付ける」といった意味になっています。
She has her sights set on being a famous actress.
彼女は有名な女優になることに狙いをつけている。
I have my sights set on a new Porsche.
新しいポルシェを視野に入れている。
short-sighted(近視)
「近視」のことであり、近くのものは見えるけれど、遠くのものが見えないといった意味です。
I failed the driving exam because I’m short-sighted.
運転の試験に落ちた。なぜなら近視だからだ。
These glasses work well on short-sighted people.
この眼鏡は近視の人々にうまく機能する。
これが目先のことしか考えていない、未来を見ていないといった意味でも使われます。
This is a short-sighted solution to the problem.
これは問題に対しての短絡的な解決策だ。
He has a short-sighted way of thinking.
彼は近視眼的な考え方をしている。
far-sighted(遠視)
反対の意味は「far-sighted」です。これも2つの意味で解釈できます。
I’m far-sighted so I need glasses for reading.
私は遠視なので、読書にメガネが必要だ。
Mark Zuckerberg is said to be a very far-sighted business person.
マーク・ザッカーバーグは、とても遠視眼的なビジネスマンだと言われている。
遠い未来を見ているタイプの経営者だという話で、基本的には悪い話ではないとは思います。しかし、これも程度による話であって、あまりに遠くの夢物語しか見ていないのは問題です。
sighting(目撃)
めったにない何かを見ることで「目撃」を意味します。
This area is famous for UFO sightings.
この地域はUFOが目撃されることで有名だ。
During the film festival he carried his camera everywhere in case of a celebrity sighting.
映画祭の間、彼はセレブを目撃する場合に備えてあらゆる場所にカメラを持ちこんでいた。
sightseeing(観光)
sightseeingは「観光」のことで、外国にいった時に入国管理局などで「入国目的は?」みたいな質問をされた時によく答えにあがります。
sightseeingは文法上はshoppingと似たような扱いなので以下の様な表現が可能です。
I will go sightseeing.
I will do some sightseeing.
I will take in some sightseeing.
ただし単独で「sightsee」は存在していない言葉です。あったとしても誰も使っていません。
× I will sightsee.
(この言い方はない)
sightseer
sightseeingが「観光」なので、sightseerは「観光客」と考えてもいいと思います。
The area was crowded with sightseers.
そのエリアは観光客でいっぱいだった。
They started charging sightseers an entrance fee.
彼らは観光客に入場料を課すことをはじめた。
tourist(ツーリスト)と似たような意味です。しかし、例えば大阪在住の私が、名所の大阪城や太陽の塔を見物にいったら「sightseer」であるといえますが、「tourist」かといわれると微妙なところです。場合によっては「見物客」ぐらいの意味になります。
sightの動詞での使い方
sightの動詞での使い方は辞書には掲載がありますが、あまり日常で使う感じの言葉でもありません。いちおう存在している程度でスティーブも「動詞で使われているのを聞いたことがないわけじゃないけれど」といった程度でした。
意味としてはたいてい、何か奇妙なものを目撃するといった意味です。また敵など狙っているものが「目に入る、~がいることに気付く」の意味もあります。
日常会話ではseeやwatchでも表現できる内容なので、ある特定の文脈でなら登場するかもしれません。
He sighted a UFO on the beach.
彼はビーチでUFOを目撃した。
The enemy was sighted at the border.
敵が国境で目撃された。