stick / stuck / stickyの意味と使い方

stick

stickは大きく分けると2つの意味があり1つは「棒状のもの」を指します。こちらは文房具の「スティックのり」「ホッケーのスティック」などにみられる棒状のもの全般を指せる名詞です。

もう1つが語源が別でたまたま同じスペルになった動詞の「貼りつく」「突き刺す」です。何かにはりつくことは「~に忠実である」といった意味や、突き出ることは「目立つ」といった意味に広がっています。

ここでは主に動詞の「貼りつく」と「突き刺す」を中心に1つ1つ例文にまとめています。多義語なので文脈をはっきりさせて使わないと何を指しているのか少し混乱する要素のある単語です。

活用はstick(原形)-stuck(過去分詞)-stuck(過去分詞)です。

貼りつくと突き刺すがなぜ同じになるのか?

貼りつくと突き刺す

stickが「貼りつく」と「突き刺す」で同じ言葉になるのはすごく奇妙な感じがするので、スティーブとカールに意見を聞いてみました。

推測ですが今は壁にポスターを貼るときにはセロテープやガムテープや接着剤のようなものを使います。しかし、こういった技術がない時代には釘・画鋲などで刺していました。

技術が進化してセロテープのようなものが登場して、ポスターを壁に貼りつけて展示するのも、昔ながらの画鋲で突き刺して展示するのも同じ結果が可能になりました。

こういった事情からstickには「貼りつく」と「突き刺す」の異なるように見える意味があると考えると以下の記事の内容が理解しやすくなります。

いちおう便宜的に「貼りつく」と「突き刺す」をわけて書いています。

貼りつく・貼り付けるの使い方

英語ではputやattachなどが類義語になります。用法としては「〇〇は貼りつく(自動詞)」と「~を貼りつける(他動詞)」の両方が可能です。

I stuck a poster on the wall.
私は壁にポスターを貼った。

Spiderman can stick to buildings.
スパイダーマンはビルに張り付くことができるのだ。

Natto sticks to my hands.
納豆は手にはりつくよ。

以下の場合はよりputなどの意味が近くなります。特にネバネバと物理的に貼りつく感じではありません。

They stuck me in economy class.
彼らは私をエコノミークラスに座らせた。

Just stick a plant in the corner of your room.
植物をキミの部屋の角に置いてね。

近くにいる / ~し続ける

そこから少し意味が広がり「近くにいる」や「~し続ける」などの意味でも使われます。このあたりは日本語の感覚とも近いです。

He stuck by his mother on the train.
彼は電車で母親のそばにべったりだった。

Donald Trump’s fans are sticking with him.
ドナルド・トランプのファンは彼につきっきりだ。

You should stick to your English study.
キミは英語の勉強にしがみつきつづけるべきだ。

Don’t buy a new car, stick with the one you have.
新しい車は買うな、持っている車を使い続けるんだ。

後ろにwithやby、toなどが来ていますが、これは熟語というよりも前置詞の持つ本来の役割により差が生まれている感じでニュアンスの差は繊細です。

一番上の例文の「by」はお母さんに物理的にべったりというよりも、そばに付きっ切りの意味でのbyです。

toだとよりポイントを絞った小さな点であり、withだと人などと一緒にいるという意味での使い方になっています。

忠実である(stick to)

貼りつくことから、もう少しフォーマルに「~に忠実である」の意味があります。変化しない、変えないの意味です。場合によっては固執するなど、やや否定的なニュアンスでも使うことが可能です。

Just stick to the rules and you will be successful.
ただルールに忠実であれ、そうすれば成功する。

We stuck to the path on the map and made it in time.
我々は地図上の道に忠実(に従い)、間に合った。

突き刺す・突き出るの使い方

突き刺す

stickのもう1つの使い方は動詞では「~を突き刺す」がまずあります。

He stuck his fork into the cake.
彼はフォークをケーキに突き刺した。

She stuck her foot in the water to check the temperature.
彼女は温度をチェックするために水に足を突き刺した。

もしくは「突き出す、突き出る」の意味もあるので主語を突き出ている物体にすることもできます。

A little bird was sticking out of a hole in the tree.
小さな鳥が木の穴から突き出ていた。

上の例文は顔を穴から出しているような状態です。

She complains that her ears stick out too much.
彼女は自分の耳が突き出すぎていることに不満をいっている。

上の例文はおさるさんの耳のように、左右に広がって突き出るようなことに不満をいっています。エルフやミスタースポックのように上に突き出ている感じではありません。

逆の文章で同じ意味になる

これはしばしば普通の文章(能動態)と受け身の文章(受動態)で同じ内容をつくることができます。

A fork was stuck in the cake.
フォークがケーキに刺さっていた。

= A fork was sticking out of the cake.
フォークがケーキから突き出ていた。

There is a nail stuck in the wall so you can hang a picture.
壁に釘がささっているので、絵を掛けることができるよ。

= There is a nail sticking out of the wall so you can hang a picture.
壁から釘が突き出ているので、絵を掛けることができるよ。

この「out of(~から)」の意味については『out of の「~から、~の理由で」の使い方』をご覧ください。

「釘が(壁に)刺さっている」と考えるのか「釘が(壁から)突き出ている」と考えるのかの違いで、どちらも使えます。

結局は発言する人が物体の状態をどうとらえているかの問題で、どちらも共に使われる文章です。

10cmの長さの釘のうち、9cmの深さまで壁に突き刺さっている場合でも「かなり釘が突き刺さっている」と考える人もいれば、「ちょっと釘が突き出ている」ととらえる人もいます。英語でもどちらでもOKです。

しかし、壁に釘を刺した場合にはどのような状態でも「釘が壁に刺さっている」とはいえますが、その釘が完全に壁にめり込んでしまった場合には「突き出ている」とはいえなくなります。

目立つ(stick out)

これは実際には突き出ていなくても見た目として目立っていること、際立っていることに対しても使うことができます。目につきやすいことです。

He really sticks out with the bright orange shirt.
彼は明るいオレンジのシャツを着て本当に目立っている。

She always tries to stick out from the crowd.
彼女はいつも人々の中で目立とうとする。

上の例文では服装など外見的に目立とうとすること、特異な行動をして行為として注目を集めようとすることの両方の解釈が可能です。

stick-up!(手をあげろ!)

stickup

古くさい言い方ですが強盗などが「手をあげろ!」といったり、拳銃を使った強盗などをstick-upと呼びます。

Stick’em up!
*古い映画の強盗が言う

This is a hold-up!
= This is a stick-up!
(強盗だ!)

これも銃を突きつけることで、相手に対して「手を突き上げろ!」と要求しているからだと思われます。語源としてははっきりしない部分もありますが、状況から考えると手を突き上げるからでしょう。

stuckの意味と使い方

stuck

stick(突き刺す)の過去分詞のstuckは「動けない、立ち往生した、行き詰まった、動きが取れない、先に進めない」などの意味で使われます。

空港や渋滞に足止めされてしまったケース、物がつまっているケースなど物理的なケースと、難問に行き詰まったりといった状況的なものに使うことができます。

I’m stuck on my homework. Can you help me?
宿題で行き詰まってるんだ。助けてくれない?

My car broke down and I’m stuck in the countryside.
車が故障して、田舎で立ち往生している。

My car got stuck in some mud.
車がぬかるみにはまって動けなくなった。

sticky(形容詞)の意味と使い方

sticky

形容詞のstickyも多くの意味がありますが、もともとはネバネバする粘着性のあるもの全般に対して使われます。

I don’t like maple syrup because it makes my hands sticky.
メープルシロップは好きじゃない。なぜなら手がべとべとになるからだ。

そこから居心地の悪い不快・不愉快な状況や難しい、厄介なことなどに対しても使うことができます。これも言葉の感覚としては日本語でも想像できます。

We were in a sticky situation, but she found a way to escape.
我々はややこしい状況だったが、彼女は逃げ出す方法を見つけた。

sticky situation(難しい状況)といった言葉の組み合わせはよく登場します。また少しイギリス英語になりますが「sticky wicket」でも類似の表現です。wicketはクリケットの用語なので、この点でもイギリス英語だなと感じさせます。意味としては似ており「難しい状況」です。

また名詞のstickyはオフィスで使うポストイットのようなものを指して名詞でスティッキーと呼ぶケースもあります。ポストイット(Post-it)でも通じますが一種のブランド名・商標なので他社の類似品をポストイットと呼ぶのを嫌う人などが使ったりします。

sticky fingers

sticky-fingers

これもstickyを使った有名な表現で「手癖が悪い、盗み癖がある」みたいな意味で使われます。

Don’t leave your money around him. He has sticky fingers.
金を彼の周りにおきっぱなしにするなよ。彼は手癖が悪い。

stick(棒状のスティック)

スティック・棒

最後に語源が変わりますが棒状のスティックの使い方も例文付きで掲載しておきます。特に難しい要素もありません。自撮り棒は「selfie stick」などと呼ばれています。

He hit the can with a stick.
彼は缶をスティックで叩いた。

There was a hockey stick lying on the ice.
氷の上にホッケースティックがあった。

Can I borrow a glue stick?
スティックのりを借りれる?

I bought a stick of butter to make cupcakes.
カップケーキを作るために棒状のバターを買った。

slapstick(スラップスティック)

コメディーのジャンルの1つで、人を叩いて笑わせるなど、動きやしぐさで笑いをとる身体を張ったものを指します。日本語でぴったりくる言葉がないのですが、辞書では「ドタバタ喜劇」と記載があります。

The Three Stooges were the most famous slapstick comedians in America.
三ばか大将はアメリカのもっとも有名なスラップスティックコメディーのコメディアンだった。

slapstickの由来は人を叩くときに大きな音を立てるstick(むち、棒状のもの)から来ていますが実際に相手を傷つけるわけではなく、ハリセンで叩くような感じです。

小説のジャンルなどにも見られ、筒井康隆などが得意としていたナンセンス系の内容があるかどうかも怪しいドタバタ劇をスラップスティックと呼んだりします。

名詞のスティッカー・ステッカーについては以下の記事にまとめています。あわせてご覧ください。

   


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