猫を表す言葉としてはcat(キャット)が一般的です。これ以外にも子猫、野良猫など猫を意味する英単語はさまざまあります。
また猫は古くから人間とかかわってきた動物なので、その関わり合いの中から多くの表現・イディオム・慣用句が生まれています。
今回は猫そのものを表す単語と、英語で猫に関連する有名な慣用表現などを集めてみました。犬に関しては『pup / puppy / pooch / doggy / canineなどdog(ドッグ)以外の犬の言い方について』をご覧ください。
この記事の目次!
kitty / kittenの意味
kittyは「ハローキティー」などでおなじみですが、これは「ネコ」を全般的に指す言葉です。
kittenを短くして愛称・親しみを込めたのがkittyだと考えてもいいと思います。専門分野では「子猫」を指して使うそうですが、普通の感覚だと小さい子猫を指して使われる傾向があります。
ただし猫を見たときにどこまで「子猫」と判断するかは人それぞれです。これはdogをdoggy(ドギー)と呼んだりする感覚に似ています。
kitty catのように2つを重ねて使うこともよくあります。
I have a cat.
I have a kitty.
I have a kitty cat.
猫を飼っている。
特に親しみを込めて-yで言葉を終わらせるのはペット以外でもよく見られます。
pussy cat / pussy / pussの意味
pussy catも「ネコ」全般に使われますが、なんとなくおとなしい感じの猫を連想させる言葉です。pussyは省略されて「puss」とも表現されます。
少し気をつけたいのは、実はpussy / pussどちらも女性の性器を表すスラングとして使われることがある点です。
pussyだけでもネコを指すことができますが女性器の隠語でもあるので、使い方や状況に気を付けないといけない言葉です。
He found a pussy in his bed.
彼はベッドでpussyを見つけた。
このpussyの使い方は「ネコ」とも「女」とも両方の意味に取られかねない危うい表現です。
He found a puss in his bed.
彼はベッドでpussを見つけた。
pussであればpussyと比べると誤解される可能性は減るものの、言葉の選択としてはやはりあまり良いとは言えません。
ネイティブスピーカーであればおそらくpussやpussyを単体で使うのは避けて、「ネコ」の意味を明確にするために「pussy cat」というきちんとした形で表現します。
He found a pussy cat in his bed.
彼はベッドでネコちゃんを見つけた。
mouser(マウサー)の意味
mouser(マウサー)とはマウス・ネズミをとる猫のことで、伝統的にネズミ駆除用に猫を飼う習慣があります。
これはアメリカではあまり見かけないヨーロッパの習慣だそうですが、カナダでは一部でいまでもネズミ捕り用の猫を飼っています。
特に有名なマウサーはイギリスの首相官邸があるダウニング街(Downing Street)のネズミ捕獲の猫です。
この首相官邸ネズミ捕獲の猫は公務員として見なされています。この捕獲用猫の2019年のトップ(Chief)がラリーと呼ばれる猫です。
首相官邸ネズミ捕獲長(Wikipedia)
felineの意味
猫を表す言葉としてはcat(キャット)が一般的ですが、このcatには「ネコ科」の意味もあるので、トラ(tiger)やライオン(lion)を含めてcatと表現することは可能です。
しかし、そんなことをすれば混乱するので、当然のように文脈が必要になります。動物を専門に扱う雑誌や論文のようなものならばcatでネコ科を指して使われるケースを見かけるかもしれません。
生物としての猫を扱う場合にはfelineもよく使われます。少し堅い言葉のfelineについは別記事で詳しくまとめたものがあります。
野良猫・飼い猫・路地裏の猫
「野良猫」のように特定の言葉と組み合わさって、ある猫の種類や状態を指すケースも多いです。以下が代表的な言葉の組み合わせです。
すべて猫そのものを指しています。
stray cat(野良猫)
alley cat(路地をうろつく猫)
wildcat(野生の猫、野猫)
house cat(飼い猫)
tomcat(オスの猫)
これらは意味としてはそのままな感じがしますが、よく組み合わさって用いられる相性の良い言葉です。
ネコそのものではなく人間に対して「pussy(弱い、臆病)」といった感じで比喩的にネコの特性を用いているケースもあります。
He is a pussy.
彼は弱っちい。
ネコの熟語・イディオム
ネコを使った熟語は日本語でも本当に多いですが、英語でもまだ使える代表的、有名なものをピックアップしてもらいました。
日本語でも「猫舌」「猫の手も借りたい」といった猫にまつわる表現は多く存在しますが、これは英語でも同じことです。
探せば大量に出てくるとは思いますが、まだ実用性がある表現を選んでいます。
rain cats and dogs
「どしゃぶりの雨」「大雨が降る」の意味を持つ有名な表現です。語源としては諸説あるようではっきりしません。
I was going to go to another bar, but it started raining cats and dogs, so I went home.
他のバーに行こうと思っていたけど、大雨が降り始めたので家に帰った。
cat got your tongue
getの代わりに「have(has)」が使われたりしますが、直訳すると「猫が舌をつかんだ」で黙りこむ、言葉につまるなどの意味になります。
これは疑問文に使われることが多いようです。
Has the cat got your tongue?
猫が舌をつかんだのか?=なんで黙ってるの?
ネイティブに「子供に向かっていうこと? 大人にいったら挑発してる雰囲気にならない?」と確認したんですが、そんなことはないそうです…。字面と雰囲気を見ると、挑発されてそうな感じもしますが。
海外サイトを見ると「大人から子どもに向かって使われることが多い」とは確かに書いていますが、大人同士でも普通にカジュアルな感じで使えるみたいです。
fight like cats and dogs
日本でいう「犬猿の仲」に近い、激しく喧嘩する、激しく口論するといった意味です。
カナダ人のスティーブに「猿じゃないんだ」と確認したら「北米はあんまり猿いないしね」といっていました。調べてみると確かに北米って野生の猿がいないみたいですね。
let the cat out of the bag
「秘密を漏らす」という意味で直訳すると「猫をカバンから出す」になります。
語源は「袋に入れた猫を『豚が入っている』と嘘をついて売ろうとしたら、袋を開けられて、秘密がばれてしまった」という話が元になっています。
豚と猫ってそもそも大きさが違うし鳴かれたら一発でバレる話なんで、なんでこんなエピソードが生まれたのか不思議ですね。
以下の文章は同じ意味になります。
He let the cat out of the bag.
=He told the secret.
彼は秘密を漏らした。
scaredy cat / fraidy cat
どちらも口語表現で「臆病者」「意気地なし」といった意味になります。
He is a scaredy cat.
彼は臆病者だ。
scaredy cat は性格として常に「臆病・意気地なし」を意味しています。
catwalkの使い方
ファッションショーで観客の間を通って歩く長いステージのことで「キャットウォーク」です。
She is one of the leading catwalk models.
彼女は一流のキャットウォーク(ファッションショー)のモデルの一人だ。
Fashion fans are eagerly awaiting her newest designs to hit the catwalk
ファッションが大好きな人たちは熱心に、彼女の最新のデザインがキャットウォークに出てくるのを待ち構えている。
狭い通路
工場などにある高い場所にある狭い通路としても使えます。以下のようなものを指します。
仮設ではなく恒久的な通路ですが、人に見せるようなものでないので外観は質素です。
One of the factory workers fell off a catwalk and was taken to the hospital.
工場の従業員の一人がキャットウォークから落ちて、病院に運ばれた。/p>
A catwalk runs along the edge of the oil rig.
キャットウォークが石油掘削装置のふちに沿ってある。
建築現場で一時的に設置される通路、足場もキャットウォークの一種とも言えますが、足場はたいてい「scaffolding」と呼ばれます。
copycat(コピーキャット)
「模倣者」のことです。カタカナでもコピーキャットとして聞かれないこともないです。
Facebook is just a copycat of MySpace.
フェイスブックはただのマイスペースのコピーキャットだ。
Windows is a copycat of Mac.
ウインドウズはマックの物まねだ。
あくまで使い方の例文であり、世の中にはそう主張する人もいるという程度です。