fuckin’ (fucking)は映画のセリフなどでも使われる有名な言葉でご存知の方も多いと思います。ファックやファッキンといったカタカナも見られます。
fuckin’ (fucking)はほぼ「very」に置き換え可能で、何かを強調する際に用いられます。一般的には品のない表現とみなされ、人前で使うような言葉ではないものとして扱われます。
is not , am notなどの省略である[ain’t]と似たような、教養のある表現とは言いがたい、卑俗な英語表現と考えていいかもしれません。
このような一般的な考え方を前提として踏まえたうえで、ネイティブスピーカーに聞いてみました。
ネイティブの見解
いちネイティブであるカナダ人のスティーブの見解であるとお断りを入れますがfuckin’ (fucking)は自然な表現で、いきいきした言葉だと言えるのは事実です。
一概に「使ってはいけない、使ってもいい」とも言い切れない表現です。
スティーブの意見をまとめると、言葉は誰かに対して発するものであって、この言葉を使うことによって相手にどう思われるかが重要といったものでした。
「例えばビジネスの場でも使えるの?」と質問したところ、話している相手がどんな人か詳しく知らない状況で、自分が「fuckin’ (fucking) 」を使うことによって、相手にどう思われるかわからないならば使わないと言っていました。
場合によっては「この人は下品な言葉を使うな。信頼できないので取引はしないでおこう」と思われる危険性がある言葉ではあります。
しかし、考え方によっては「すごく感情をストレートに出す正直で裏表のない人だ。この人と取引しよう」と誠実に思われる可能性もあります。
あるいは長年、付き合いがあって気心がしれている取引相手かもしれません。
結局のところ、言葉そのものよりも、相手にどう受け止められてしまうのか? が重要で、反応が予想できない相手には使わないという話です。
言葉単独で良い悪い、ビジネスで使える使えない、といった問題ではないと考えているみたいですね。
言葉そのものの良し悪しの問題ではなく、日記や独り言ではないので、書くにしろ声に出すにしろ相手がいる話だ、というけっこうテーマとしては深い問題ですね。
f-ing / f**king
アプリ「ざっくり英語ニュース!StudyNow」で配信したニュースにも何度か登場していますが、すべて誰かの発言部分の引用の形でした。
アメリカのニュース番組でこのfuckingが登場すれば「ピー」をかぶせたり、音が消される処理がされます。
StudyNowの場合にはどうするべきかについては記事を書いたスティーブと、ナレーションを担当したダイアンにまかせました。結果として「f-ing(エッフィング)」という形で置き換えられました。
飛行機の中で暴れた女性が取り押さえられる事件がありましたが、その際のニュースを引用しています。
She then shouted at the attendants, “I swear, if you don’t . . . land, I will f-ing kill everybody on this f-ing plane!” Afterward she was restrained by staff and other passengers for the rest of the flight.
彼女はそれから乗務員に向かって叫んだ。「本当に、着陸しないならこの飛行機にいる全員をぶっ殺してやる」その後、残りのフライト中はスタッフと他の乗客によって押さえつけられていた。
ナレーションのレコーディングの段階では「fucking」と「f-ing」の2つのバージョンがありましたが最終的に「f-ing」になっています。
StudyNowのナレーションの場合は声に出さないといけないので「f-ing」が使われていますが、文字に書き起こすだけの場合にはf**kingといった伏字の処理が使われるケースも多いです。
またfreakingがfuckingと音が似ているため代替えの表現のような性質で声に出されることがあります。
fuckの実際の使用例
作家の中川淳一郎先生に過去のアメリカでの少年時代をエピソードを書き下ろしで書いていただいたことがあります。
その中で、当時黒人の友達のエディがやたら「Hot」「Man」を使って「ふくらはぎ」の良さを力説する、ふくらはぎマニアな様子を描写したシーンでエディのセリフとして登場します。
単純に意味だけをとるならばfuckingでveryになります。
Eddy would say, “That girl is so fuckin’ HOT, man! Look at that calf, man. Oh my god, I wanna step on that calf and feel that calf rebounding, man!”
「あの女はマジでHOTだぜ、メーン! あのふくらはぎを見ろよ、メーン! オーマイガッ! あのふくらはぎに乗っかってその反発を感じたいぜ、メーン!」と言うのである。
スラングとしてのhotは『hotはスラングで様々な意味がある』をご覧ください。fuckは文法上は動詞、形容詞、名詞となんでも使えてしまうので便利です。
きのこたけのこ論争できのこ側とたけのこ側が罵り合うと以下のようなやり取りです。
A:Fuck Kinoko fans, they fucking suck shit.
B:Fuck us? Fuck you, you fucking fucks.
翻訳するほど大した内容ではなく「きのこ厨は死ね!」「お前が死ね」ぐらいの感じでしょうか。
Bの台詞はfuckを動詞、名詞、-ingと使い分けていますが、たいしたことは言っていません。
映画のセリフで悪役が使うイメージもあるかもしれませんが映画のセリフでfuckingを連発するようなケースがあったとしたら「うわ~語彙が貧弱な脚本だな」と思われるかもしれません。
もう少し詳しく使い方を説明した記事があるので以下の記事も参考にしてください。サッカーの本田圭佑選手が「fact(ファクト)」と言ったのが「fucked」に聞こえてしまったニュースなどを実例として取り上げています。まや書籍なども販売されています。
正しいFUCKの使い方-学校では教えてくれない、取扱注意のFuck、Shit、Damn、Hellを使った99フレーズ (TWJ b...
よくFuckと一緒に語られる中指を立てる行為(ミドルフィンガー)などあまり良い話題ではありませんが以下の関連記事もご覧ください。