medicine(メディスン)とdrug(ドラッグ)の違い

medicineの意味と使い方
 

公開日: 最終更新日:2021.12.23

一般的な理解としては「medicine(メディスン)」が医薬品としての薬を意味するのに対して、drug(ドラッグ)は医薬品としての薬と違法性のあるクスリの両方を指せます。

したがって誤解されないためにも状況がはっきりしない状況ならば「medicine」を使っておけば100%医薬品としての薬を意味するので無難だと思います。

複数形の扱いやネイティブスピーカーの一般的な感覚とあわせて例文を作ってもらいました。

medicine(メディスン)の意味と使い方

medicine(メディスン)の意味と使い方

medicine(メディスン)は常に医療用・医薬品としての「薬」を指しています。病気の人が服用するお薬のことです。

【médəsn / médsn】

発音については少し意見がわかれておりカタカナでは表記に限界がありますが「メディスン」「メデスン」あたりが近いです。

例文

I take medicine for my high blood pressure.

私は高血圧の薬を飲んでいる。

例文

Do not use the medicine if the seal is broken.

封が切れている薬は使うなよ。

例文

Take this medicine for your tooth pain.

歯の痛みにはこの薬を飲んでください。

例文

☆He was arrested for carrying medicine in his pocket.

彼はポケットに医薬品を持っていたので逮捕された。

上の☆の例文は間違いではありませんが、特殊な医薬品、素人が医者の許可なく持つことが禁止されている医薬品をポケットに入れて持ち歩いていたので逮捕されたようなことであり、一般的な違法薬物を持っていたのとは少し性質が異なります。

またmedicineには特に内科的なものを指すと辞書にはありますが「医学、医術」を指して使われることがあります。alternative medicine(代替医療)のような言葉も見かけます。

例文

There have been great advances in medicine in the last ten years.

ここ10年で医療に大きな進歩があった。

薬の形状によっては「tablet(錠剤)」「pill(丸薬)」「powder(粉薬)」「capsule(カプセル)」などの個別の名称があります。

drug(ドラッグ)の意味と使い方

drug(ドラッグ)の意味と使い方

一方のdrug(ドラッグ)には違法な薬物としてのドラッグの意味と、病気の人が服用する医薬品・薬としての両方の意味があります。

どちらの意味で使われているのかは文脈で判断するしかありません。以下の例文は「薬・医薬品」の意味で使われています。

例文

I take drugs for my high blood pressure.

私は高血圧の薬を飲んでいる。

例文

The university developed a new drug for cancer.

その大学が癌のための新しい薬を開発した。

しかし、以下の例文になると明らかに違法なものを連想させます。

例文

Do you know where I can score some drugs?

どこでドラッグが手に入るか知ってる?

scoreはスラングで「(難しいものを)手に入れる」の意味があるので、文脈から判断して違法なものだと推測できます。

例文

He was arrested for carrying drugs in his pocket.

彼はポケットにドラッグを持っていたので逮捕された。

これも逮捕されているのでおそらく違法な薬物だと思われます。他にも「narcotics」などの単語で違法な薬物を指すケースがあります。

このようにdrugには医薬品・薬と違法な薬物の両方の意味がありますが、一般的に「drug」と状況がはっきりしない場面で聞くと違法薬物を連想させるため、medicineを使ったほうが無難です。

例文

Are you on drugs?

(違法な薬をやっているのか?の意味でとられる可能性が高い)

例文

Are you on medicine?

薬を服用しているのか?

例文

I’d like to buy some drugs.

(おそらく誤解される)

例文

I’d like to buy some medicine.

医薬品を買いたい。

引きずりまわす、引きずっていくは「drag」なので字が違います。

drag【drǽg】
drug【drʌ́g】

一部、アメリカの方言レベルでdragの過去形をdrugとするケースもあるようですが標準的にはdragの過去形はdraggedです。

medicine / drugと複数形

medicineやdrugに限った話ではなく、deer, wine, foodなども状況によっては可算名詞にも不可算名詞にもなります。

例文

①This drug store has a lot of medicine.

②This drug store has a lot of medicines.

例文

①I take medicine.

②I take medicines.

例文

①We have a lot of beer.

②We have a lot of beers.

①のような使い方は「薬がいっぱいある」「薬を服用している」「いっぱいビールがある」といった意味です。何種類あるのかは情報がないので不明です。

②のような複数形での使い方は種類があることを意味しています。ルル、正露丸、アスピリンなどたくさんの種類の薬がある、ハイネケン、スーパードライ、キリンといっぱいビールがあるといった意味で種類があることを示唆しています。

このあたりの使い方については『一億人の英文法』のP142の「可算・不可算は臨機応変」あたりに詳しい解説があります。

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a taste of one’s own medicine

tasteの項目に登場しましたが薬の苦さを使って「しっぺ返しをくらう、お株をうばわれる」みたいな表現があります。

自分で自分の薬の苦さを味わってしまうといった、普段から他人にやっていることを、やり返される場合に使う表現です。

例文

The scandal is giving the tabloid a taste of its own medicine.

そのスキャンダルは、そのタブロイド紙にしっぺ返しをくらわせている。

詳しくは以下のtasteの項目をご覧ください。

oblaat(オブラート)に包む

oblaatは元はオランダ語であり、英語には存在しない言葉です。

そもそも粉薬が日本ほど一般的ではないそうで、それを包むオブラートという概念が英語ではほとんど見られません。飲みにくいものは最初から「capsule(カプセル)」になっています。

Oblaat(Wikipedia)

「オブラートに包む」みたいな表現はありませんが、似た表現で「sugarcoat」があります。砂糖で包むことです。

例文

He sugarcoated his complaint because he didn’t want to upset his co-worker.

彼は不満をオブラートに包んだ。なぜなら同僚を動揺させたくなかったからだ。

少し違いますがhard pill to swallow(飲み込みにくい錠剤)といった表現もあります。

例文

Self-isolation is a hard pill to swallow for some people, but it is necessary.

(コロナの)自己隔離は何人かの人々には受け入れがたいことだが、それは必要なことだ。

capsule

capsuleはそのまま「カプセル、カプセル型容器」の意味であり、中に薬を包むやわらかい入れ物で飲み込みやすくするものです。

例文

The medicine is available in capsules or syrup.

その薬はカプセルかシロップで入手可能だ。

例文

You must take one capsule after dinner every night.

毎晩夕食後にカプセル1つを飲まないといけないよ。

そこからロケットの「カプセル」のような意味でも使われます。人がそのなかで暮らす宇宙船の一部です。羽がなく、宇宙から地球に再突入するために設計されています。

例文

The first space capsule was made in Russia and called Vostok.

最初の宇宙カプセルはロシアで作られ、ボストークと呼ばれた。

例文

The space museum has real capsules on display.

その宇宙博物館には本物のカプセルが展示されている。

pharmacyとdrug storeの違い

pharmacyが医者からの処方箋を持っていき薬を受け取る場所で、drug storeはマツモトキヨシやダイコクのような医薬品を置いているお店です。

しかし、アメリカのドラッグストアには中にpharmacyを併設している場所も多く、またお酒なども含めてなんでも置いているコンビニ感覚の場所になっているケースもあります。

日本では外国人が薬局を訪れることも多くなったため「指さし英会話」が薬局でも導入されたニュースを配信しました。

例文

Pharmacies around Tokyo have introduced “Pointing English Conversation” to make it easy to explain symptoms and medicine to foreign patients. When receiving medicine or instructions, both parties can communicate information such as “a fever” or “headache” by pointing to illustrations.

東京近郊の薬局が、外国人患者向けに症状や薬の説明が簡単にできるように「指さし英会話」を導入している。受け取り、服薬指導などの場面にあわせて、お互いが指でイラストを指し示すことで「熱がある」「頭が痛い」などのコミュニケーションがとれる。



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