lateの比較級の話ですが、lateは2つの意味があり、意味によって変化する形が異なります。
以下は一般的な教科書で説明されている基本的な考え方で、比較級と最上級は次の様な形です。
時間的に遅い
late – later – latest
物事の順序として後
late – latter – last
具体的な使い方は以下にまとめています。
比較級の話として考えることもできますが「latest」「latter」「last」それぞれを個々の異なる意味を持った独立した英単語として割り切ってもいいかもしれません。
latestは「最近の、最新の」の意味でよく使われます。言い換えると「most recent」で、latest bookだと「最新の本」となります。
カタカナでも飲食店の「ラストオーダー」などはよく聞かれます。物事の順番として「最後の注文」という意味になります。
lastについては『latestとlastの意味の違い』『lastの動詞での意味と使い方、continueとの違い』にも関連項目があるのでご覧ください。
会話での例文
わかりやすい英会話の事例を作ってみました。laterは時間的に遅いもので、latterは順番として後のものです。
A:There is a party at 10:00 and a party at 8:00.
10時にパーティーがある、そして8時にもあるよ。
B:I’m going to the later one.
遅いパーティーに行くつもりだ。(10時のパーティー)
B:I’m going to the latter one.
後者のパーティーに行くつもりだ。(8時のパーティー)
特にlatterを使う場合には、何か順番を示す会話や文章があって、それを受けたうえでの「順番が後のもの」を指しています。
laterの例文
もう少し掘り下げてみます。繰り返しますがLaterは時間的に後のものを指して使います。
I missed my train so I had to take a later one.
(電車を逃してしまったので、(時間的に遅いあとの)電車に乗らなければならなかった)
I will call you back at a later date.
(後日、かけ直すよ)
See you later.
(あとでね)
latterの例文
Latterはあるグループの中での最後のものを指します。時間的なものではなく、順番に対しての表現です。
特に2つペア、二択の、2番目を指すことが最も多く、日本語では「後者」と訳すようなものです。latterが登場するとほぼ「後者」の訳だと思ってもそう的外れではないぐらい頻度が高いです。
Both America and China have a lot of money, but the latter country has a lot more people.
(アメリカと中国ともに多くのお金を持っている。しかし後者はさらに多くの人口を抱えている)
They offered me French Fries or a salad. I’m on a diet so I chose the latter.
(彼らは私に、フライドポテトかサラダを勧めてきた。ダイエット中なので、私は後者を選んだ)
2つのうちの2番目を指すことが多いとは説明しましたが、もちろん、もっと多くのものにも使えます。複数のものの中から最後のものを指すことが可能です。
They offered me French fries, salad, baked potato, or soup and I chose the latter.
(彼らは私にフライドポテト、サラダ、焼いたベーコン、スープを勧めてきた。私は最後のやつを選んだ)
上の例文の場合、私が選んでいるのは「スープ」のみです。この場合は「the last one」でもOKです。
ただし身も蓋もない話をしてしまうと、この場合だったら「スープ」って直接指定して言うと思う…とスティーブが言っています。普通に考えて会話表現、文章表現ともにそのほうが間違いが起きにくいし、相手に伝わりやすいです。
もう少し応用を効かせると、ある順番のグループの「最後の2つ」のような表現も可能になります。
Jeb Bush, Hilary Clinton, and Donald Trump all announced they were running for president last year, but only the latter two are still in the race.
(昨年、ジェブ・ブッシュ、ヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプは全員、大統領に立候補すると宣言した。しかし、後者の二人だけがまだ競争にいる。)
この場合の「the latter two」が指すのはヒラリー・クリントンとドナルド・トランプを指します。
両方ともにOKのケース
たまに両方とも使えるケースがあります。
2つのうちの2番目が、時間的にも後に来ているケースです。
動物紹介動画があって前半は猫の特集、後半は犬の特集をしています。
①In the later half of the video…
②In the latter half of the video…
上の例文だと、後半の残り半分にあたる「犬の部分」について話したい場合などです。
時間的にビデオの残り半分は、順番的に残りの半分でもあるから、どっちにも解釈可能なので、laterまたはlatterの両方を使うことが可能です。
補足説明
先程紹介したlaterの話です。
I missed my train so I had to take a later one.
(電車を逃してしまったので、(時間的に遅いあとの)電車に乗らなければならなかった)
この場合は順番的に後を意味するlatterでもいいのでは? とスティーブに確認しました。「時間的に遅い電車は、つまり順番的に遅い電車」でもあるからです。
スティーブの意見では確かに文法的にはまったく問題ないと思うけど、その言い方はおそらく誰もしないそうです。なぜしないかの理屈はなく間違いではありません。
ビデオがOKで、電車がダメな理由がはっきりしませんが、この質問をした時にスティーブも「う~ん」と少し迷っていたので、ネイティブとしても感覚的に身についているもので、習慣的にそういっている感じもします。
これは表現の自然さの問題でしょうし、理屈で説明できない感覚的な部分は、ノン・ネイティブには論理的に納得できないので非常に難解に感じます。
似たような項目にfarther / furtherがありますが、こちらは区別が緩い感じがあります。