dropといえば落とす、落ちることですがかなり意味が広くとれるので、英語のdropも似たような状況で多様な意味になっています。
名詞と動詞での使い方がありますが、意外なところでは飴などのドロップも英語でも存在している意味です。
大きく動詞と名詞での基本的な使い方をまとめてみました。drop me a line(連絡してね)といった会話表現も存在しています。
この記事の目次!
落とす・落ちる
一般的な「落とす」または「落ちる」の意味で使うことができます。
He dropped his cup on the ground.
彼はカップを地面に落とした。
I dropped a wallet.
財布を落とした。
I dropped my phone on the train and lost it.
電車で携帯電話を落としてなくしてしまった。
A streetlight dropped on the road.
街灯が道路に落ちた。
少なくなる・下落する
物体としての落ちる以外にも、パワーや価格のようなものも落ちることができます。経済や企業の決算を扱ったニュースでは頻出の単語だといえます。
Her strength dropped halfway through the marathon.
彼女の力強さはマラソンの途中で落ちた。
Prices have dropped a lot since the beginning of the year.
その年のはじめから価格が大きく下落している。
やめる・中断する・取り下げる
何かをやめること、中断することを意味します。法律用語としては罪や訴訟などを取り下げるといった意味なので、charge(嫌疑、容疑)やlawsuit(訴訟、告訴)に対してよく使われます。
She dropped the charges against her attacker.
彼女は暴力をふるった人への告発/罪を取り下げた。
I dropped my lawsuit against McDonald’s.
私はマクドナルドへの訴訟を取り下げた。
The police dropped all charges against him after finding new evidence.
新しい証拠が見つかった後、警察は彼に対するすべての容疑を取り下げた。
I dropped my lawsuit against the restaurant because they apologized.
彼らの謝罪があったので、レストランに対する訴えをとりやめた。
The police dropped the charges against him because there was no evidence.
警察は彼に対する嫌疑を中断した。なぜなら証拠がなかったからだ。
日常会話でのdrop
取りやめる、取り下げるをもう少しカジュアルにした形で日常会話でも使うことができます。「やめろよ」といった意味合いです。
I didn’t like talking about my work so I asked her to drop the subject.
私は自分の仕事について話すのが好きではなかったので、彼女にその話題をやめてもらうように頼んだ。
Drop the act, I don’t believe you are really tired.
芝居はやめろ。おまえが本当に疲れているとは信じないぞ。
He dropped everything he was working on and started a new project.
彼は関わっているものすべてを中断して、新しい計画をはじめた。
これは会話表現でも使えます。
A: How was your date?
デートはどうだった?
B: Just drop it.
そんなこと聞くな。
Bのセリフは意訳ですが、その発言を取り下げろ、やめろよといった意味です。理由はさまざまでデートが失敗した可能性もあるし、プライベートな質問なので控えろといった風にも読めます。
落とす(言語)
言語について使われますが、omit(除く、入れない)の意味にもなります。
American’s often drop the letter U in words like colour and neighbour.
アメリカ人はしばしばUの文字を落とす。たとえばcolourやneighbourの文字の中で。
Sometimes we drop our T sounds when speaking quickly.
私たちはしばしば、早口で話すときにTの音を落とす。
アルバムを発売する(スラング)
アルバムなどの新譜をリリースするといった意味でdropが使われるケースがありますが、これは一昔前のヒップホップ系のスラングだとされています。
Their new album will drop next month.
彼らは来月に新しいアルバムをリリースする予定だ。
現在、この使い方がどこまで一般的になっているのかは不明ですが、けっこうなレベルで古臭い感じがするので、ジョークっぽく使われる程度かもしれないというスティーブの意見でした。
この言い方がクールだった時代もあったんだろうと思いますが、今使うとおやじギャグっぽく受け止められる可能性もあるのでご注意ください。
drop by(立ち寄る)
drop byでどこかに立ち寄る、顔を出すような意味でもよく使われます。他にもstop byやcome byでも似たような意味になります。
My uncle dropped by to watch the baseball game.
おじが野球の試合を見るために立ち寄った。
Why don’t you drop by sometime?
いつか立ち寄ってくれませんか?
I like to drop by the bar on my way home.
私は自宅への途中にあるバーに立ち寄るのが好きだ。
drop off
何かを届けるような意味で使われる言葉です。人を運んだり、カジュアルにモノを渡すような表現です。
I dropped off the car keys at his house.
私は車の鍵を彼の家に届けた。
上の表現は彼の家に車の鍵を忘れてしまったではなく、届けにいったことを意味します。
I called Yamato to arrange a time for them to drop off the package.
私はヤマトに電話して、荷物の届く時間を調整してもらった。
もしくは意味合いとしては「降ろす」の意味でも使えます。目的地で何かを落とす、切りはなすような行為です。
The bus will drop us off in front of the hotel.
バスは私たちをホテルの前で降ろすだろう。
配送するの意味ではdeliverが近いですが、deliverが届けるまでの過程をフォーカスしているのに対して、drop offは到着して置いていくことを重視しています。
drop names(name-dropping)
少し変わった意味ですが「意図的に言葉にする」などの使い方があります。
She dropped a big hint on how to solve the puzzle.
彼女はそのパズルの解き方の大きなヒントを口にした。
この意味ではdrop namesが有名です。drop namesは自分に有名人の知り合いがいることをほのめかすことです。名詞では「name-dropping」となります。
He always drops names when he’s at parties.
彼はいつもパーティーにいる時に有名人の名前を口にする。
嫌な感じの人になりますが、話術の一種であり、ファーストネームで呼ぶと効果的になるといったメソッドもあるみたいです。
日本語では一言で言い表せる単語が見当たらない言葉ですが、概念としては非常によくわかります。
Name-dropping(Wikipedia)
drop me a line
連絡をくださいね、といった決まり文句です。電話での連絡を指すことが多かったようですが、媒体はメールでもなんでもありです。日本で人気のアプリLINEでもOKですが、別にLINEで連絡してほしいといっているわけではありません。
Drop me a line when you get to New York.
ニューヨークについたら連絡してね。
He told us to drop him a line when we were ready.
彼は私たちに、準備が整ったら知らせるように伝えた。
drop(名詞)
名詞のdropも多くの意味がありますが、液体の丸い一滴などを指すことができます。raindropやteardropなど一単語になっているものもあります。
I felt a raindrop on my head.
雨滴(雨粒)を頭に感じた。
A teardrop ran down her face.
涙が彼女の顔を伝って落ちた。
You should use eye drops for your allergies.
花粉症には目薬を使うといい。
He put a drop of honey in his tea.
彼は紅茶にはちみつを一滴たらした。
飴(アメ)
何かしら液体の1滴であり、そこから「サクマドロップ」やのど飴などのキャンディ、あめちゃんを指すこともできます。
このあたりはカタカナの感覚と同じです。これも元をたどれば、キャンディなども製造の段階では液体に近いもので、それを1粒かためたものだからだと思います。
My grandmother always gave me lemon drops when we met.
私の祖母はいつも会った時に、レモンのアメちゃんをくれた。
The candy store didn’t sell peppermint drops.
そのキャンディストアではペパーミントのあめちゃんは売ってなかった。
I took a cough drop to ease my throat.
のどをやわらげるために、のど飴を食べた。
droppings
通常はdroppingsの形で犬やネコなどの「フン」を意味することができます。ただし、この言葉は人間の排泄物には使いません。
There are bird droppings all over my car.
車中が鳥のフンにまみれている。
以下の記事もあわせてご覧ください。
a drop in the bucket
ある自治体の市長が全国・日本全体に対する影響がとても小さな政策をやらざるをえない現状を「砂漠に一滴の水を落とすようなもの」と表現しました。
英語では「a drop in the desert(砂漠)」という表現は理解はできるものの一般的に使われているイディオムではありません。
英語では「a drop in the bucket」と表現しています。
「a drop in the bucket」はイディオムで、かなり大きな何かと比べるとあまりにも小さい、もしくはあまりにも少なくて効果がでないといった意味です。バケツの中に落とす1滴の水は少なすぎるというイメージです。
He started off in the major league making $100,000 a year, which is a drop in the bucket compared to what the stars get.
彼はメジャーリーグで年俸10万ドルでスタートした。これはスター選手たちが手にいれるものと比べれば、あまりにも少ないものだ。
I donated 2,000 yen to Wikipedia, but it was just a drop in the bucket.
私はウィキペディアに2千円寄付したが、それはあまりにも少ないものだった。
ウィキペディアが必要とする金額と比べると、ということです。「a drop in the ocean(海に1滴の水)」で表すことも可能です。
He started off in the major league making $100,000 a year, which is a drop in the ocean compared to what the stars get
I donated 2,000 yen to Wikipedia, but it was just a drop in the ocean.
同じ意味です)
そもそも「バケツに一滴の水(a drop in the bucket)」という表現は「まったく何もないところ(バケツであれば、からっぽのバケツ)に1滴の水」か「いっぱいに満たされているところ(バケツにたっぷりの水)に1滴の水」なのかといった疑問があります。
これについてはどちらで解釈しても同じで、要点として「自分が小さすぎ、相手がでかすぎて効果がない」という部分にフォーカスした表現です。
けっこう話し合っていたんですが「まったくお金がないホームレスに10円をあげる」と「総資産100億円の大富豪に10円をあげる」は、影響を与えないという意味ではどちらも「a drop in the bucket」になります。