pressure(プレッシャー)は大きくわけると気圧や血圧のように物理的な意味での圧力と、何かを強制させるような雰囲気や精神的な意味でのプレッシャーです。
プレッシャーをかける場合は動詞でpressureを使うか、put pressure onのような表現があります。名詞ではそのままpressureとなり物理的・精神的な圧力を指すことができます。
日本語・カタカナのプレッシャーは「あたえる」「うける」「克服する」「解放される」「強い・弱い」「負ける・勝つ」など独自の言葉の組み合わせが生まれているため、英語でそのまま直訳はできないものが多いです。
少し長くなっていますが1つ1つ例文にとりあげてpressureの使い方をご紹介します。
この記事の目次!
プレッシャーを与える・かける
「プレッシャーを与える」「プレッシャーをかける」はいくつかの表現のバリエーションがありますが結局はどれも同じ意味です。
直接、動詞を使って「pressure(圧力をかける)」とするか、putなどを使う方法などがあります。以下はすべて「アメリカは軍艦を送ることで北朝鮮にプレッシャーを与えた」で基本的には同じ意味です。
しかし日本語のように「プレッシャーを与える」で「give」はあまり使わない部類の表現になります。日本語では「精神的プレッシャー」のようにいいますが英語ではわざわざ「精神的」という必要がありません。
America pressured North Korea by sending a warship.
America put (the) pressure on North Korea by sending a warship.
America applied pressure to North Korea by sending a warship.
また進行形にもなります。
Some people in America were pressuring Obama to ban guns.
何人かのアメリカ人が銃を禁止するようにオバマに圧力をかけていた。
put pressure on
上の例文にある通りpressureを動詞で使った場合には直後にプレッシャーをかける相手が来ます。
しかしputを使った場合には put pressure onとなり「on」が必要になります。
My boss pressures me every day.
ボスは毎日、私にプレッシャーをかけてくる。
My boss puts pressure on me every day.
ボスは毎日、私にプレッシャーをかけてくる。
Schools put a lot of pressure on students to conform.
学校は生徒に従わせようとプレッシャーをたくさんかけている。
apply pressure
apply+pressureの関係はフォーマルな感じもするので先に紹介した国と国などの政治的な場面では見かける表現です。
しかし、上司からのプレッシャーのような日常の場面には少しミスマッチな感じがあります。
△ My boss applies pressure to me every day.
(日常のプレッシャーには少し雰囲気があわない)
どちらかといえば日常では物理的に押し込むような動作に使われます。出血を止めるために実際に圧迫する動作に対してはapplyとpressureも使われることが多いです。
Apply pressure to the wound.
怪我をおさえつけて。
プレッシャーを感じる・受ける
逆にプレッシャーを感じる側、プレッシャーを受ける側もいくつかの言葉のバリエーションがあります。
これも単純に受動態・受け身の文章にするか、receive(受け取る)やfeel(感じる)に名詞を組み合わせるかです。
以下の例文はすべて「北朝鮮は戦艦を送られた時にアメリカからプレッシャーを感じた、受けた」です。
North Korea were pressured by America when warships were sent.
North Korea felt pressured by America when warships were sent.
North Korea received pressure from America when warships were sent.
pressure intoの意味と使い方
相手にプレッシャーをかけて何かの動作をさせるようにする場合にはintoが使われます。使い方は以下の例文を参考にしてください。
They pressured me into buying it.
彼らはそれを買うように私に圧力をかけた。
He was pressured into joining the club.
彼はクラブに入るように圧力をかけられた。
プレッシャーに強い/弱い、勝つ/負ける、解放される
日本語ではプレッシャーに対して「強い・弱い」が用いられたり、何かが終わった時には「解放される」、成功や失敗の原因であれば「打ち勝つ、克服する、負ける」といった表現が使われます。
慣用表現になっているように見えるので英語でそのまま置き換えられるか確認してみました。
プレッシャーから解放される
まず「解放される」とそのままrelease(解放する)と英語にするには少し違和感があって別の表現を使ったほうが無難です。
例えば日本語には「肩の荷がおりる」といった表現がありますが英語にも似たような言い方があります。
I feel like a load has been lifted.
That’s a load off my back.
(肩の荷がおりたの意味)
また少し意味が変わりますが「ストレスを発散する」のような意味で「蒸気を発散する」みたいな表現もあります。
I like to let off some steam by playing video games.
私はテレビゲームをして憂さ晴らしをするのが好きだ。
同じくrelieve(和らげる)といった表現は可能です。
To relieve him of the pressures of school, I took him camping.
彼の学校でのプレッシャーをやわらげるため、キャンプに連れていった。
負ける・勝つ・強い・弱い
プレッシャーに対して「負ける(lose)」とはいいませんが「屈する」「折れる」のような意味では使えます。
日本語でも「プレッシャーに負ける」は2つぐらいの解釈が可能で自分がやりたくないことでも「周囲からの圧力で妥協した、屈した」の意味と、「周囲からの圧力で本来の力が発揮できなかった、プレッシャーが原因で失敗した」の意味が考えられます。
以下のような英語表現は「重圧で妥協した、プレッシャーをかけられてやりたくないことをやった」の意味が近くなります。ただし解釈としては「本来の力が発揮できなかった」も可能です。
I succumbed to the pressure.
I gave in to the pressure.
プレッシャーに屈した。
スポーツではchokedがあり本来のパフォーマンスを発揮できなかったの意味です。これはスポーツでのみ使います。
I choked.
スポーツ表現:プレッシャーに屈した。
(本来の力を出せなかった)
以下の例文は「対処の仕方がわからない」であり日本語の「プレッシャーに弱い」と考えてもいいと思います。
I don’t deal with pressure well.
うまくプレッシャーに対処できない。
under pressureを使う
他にも勝った負けた、強い弱いに対しては「under pressure(プレッシャーの状況下で)」という表現を組み合わせると言い表せるかもしれません。under pressureは追いつめられた状態なども近い意味です。
We won under pressure.
私たちはプレッシャーの中で勝った。
He works well under pressure.
彼はプレッシャーの状況下でうまく働く。
I don’t work well under pressure.
私はプレッシャーがあるとうまくいかない。
名詞のプレッシャー・圧力
すでにput pressureのように名詞で使うケースはご紹介しましたが、単純に「pressure(精神的なプレッシャー、精神的な圧力)」としても使えます。
There was pressure on Obama to ban guns.
オバマに銃を禁止するような圧力があった。
高い圧力はhighを使うのが一般的ですが、記事の最後に「heavy pressure(重圧)」と「high pressure(高圧)」の違いをまとめているので合わせてご確認ください。
This is a high-pressure job.
これは高いプレッシャーの仕事だ。
基本的には不可算名詞なので複数形にはなりませんが、いろんな種類の圧力があるならばmanyでも少しニュアンスが変わりますが成立します。
This job has many pressures.
この仕事はたくさんの重圧がある。
peer pressure
peer pressureもよく聞かれる単語で日本語の「同調圧力」に近いものです。peerが「同級生、クラスメート」の意味です。
He started smoking because of peer pressure.
彼はピア・プレッシャーからタバコを吸い始めた。
まわりが吸い始めて、それに自分も追従しないといけないような圧力、悪いことでも断れないといった空気感を指して使われます。
peer pressureは大人の人間関係にも使われますが、特に幼少期の同調圧力によく使われます。
気圧・血圧・水圧
すでに紹介したような精神的な意味でのpressureのほかにも、実際の圧力や圧迫などに対しても使われる言葉です。
日本語の「圧力」と一緒でちょっと科学的な言葉ですが、日常では天気や医療などで使われることはあります。
The contents of this spray can are under high pressure.
このスプレー缶の中身は高圧状態です。
air pressure(気圧)
天気予報などで登場するのがair pressureで、文脈がはっきりしていれば特にairは必要ないと思います。
ただし、場合によっては精神的な圧力と読み違えることもあると思うので、はっきりさせる場合はairをつけます。
気圧の場合は「high pressure(高気圧)」と「low pressure(低気圧)」と表現します。
When mountain climbing, be careful of the change in air pressure.
山に登るときは気圧の変化に気を付けて。
This week will be hot because a high pressure system is coming to Japan.
今週は暑くなるだろう。なぜなら高気圧が日本に来ているからだ。
blood pressure(血圧)
blood pressureはそのまま「血圧」を意味します。これもhighとlowで表すことができます。
I have low blood pressure.
私は低血圧だ。
She went to get her blood pressure checked.
彼女は血圧を測定しにいった。
I take medicine for my high blood pressure.
私は高血圧のために薬を飲んでいる。
heavy pressure(重圧)とhigh pressure(高圧)の違い
「heavy pressure(重圧)」とするか「high pressure(高圧)」とするかの使い分けですが、誰かが何かに直接圧力をかけるようなものは「heavy pressure(重圧)」です。
一方で気圧や血圧、雰囲気のように誰かが圧力をかけているわけではなく全体として成り立つようなものはhigh pressure(高圧)です。
圧力なべは「pressure cooker」であり、高圧洗浄機は「high pressure washer」です。
When I have high blood pressure, I need to take these pills.
高血圧のときには、この薬を飲む必要がある。
The air pressure is high here.
ここの気圧が高い。
This is a high-pressure job.
これは高いプレッシャーの仕事だ。
上のhighは誰かが圧力を生み出しているわけではなく全体の機能、装置、雰囲気として存在しています。
一方でheavyは1点にかかるような、誰かが発生させて特定の何かに向けられているような圧力、またはその状況です。
My boss puts heavy pressure on all of us.
ボスが重圧を私たち全員にかけている。
Just apply light pressure to make the glue work.
ノリがくっつくように軽く押してください。
責任ある仕事の場合など全般としての空気・雰囲気には日本語では「重圧のある仕事(heavy pressure)」になりますが英語では「高圧のある仕事(high pressure)」になります。
責任ある仕事で上司からプレッシャーをかけられている状況ならば「上司からの重圧(heavy pressure)」となります。このあたりも日本語から考えると少しややこしいです。