海外ではスポーツの試合から選挙結果まで、さまざまな結果に対して賭けることができるブックメーカー(bookmaker)が存在しています。略して「bookie(s)」とも呼ばれ、あらゆるものを賭けの対象にする賭け屋です。
その際は掛け金の倍率にあたるodds(オッズ)が表示されます。このオッズに対して、日常から慣用的に用いられる英語表現も多いので取り上げてみます。
前回に書いた記事『bet(賭ける)の英語表現』とあわせてご覧ください。
一般的なオッズの表現
ブックメーカーを日本でやると違法になり、しばしば相撲や高校野球を対象にした賭博事件がニュースで取り沙汰されますが、あれもブックメーカーの一種といえます。
法的なグレーさが残るものの、ネットの時代になって海外のブックメーカーに日本からも賭けている人もいます。海外でもJリーグの試合なども賭けの対象になっています。
一般的なオッズの読み方は以下の様に発音されます。この場合は掛けた金額が5000倍になります。
【1:5000】
“one in five thousand”
“five thousand to one”
“one to five thousand”も数学として正しい言い方なのでOKですが、ギャンブルの場合は大きな数字が前に来ることが一般的なようです。
以下、どれも同じ意味ですが「5000倍だよ」といっています。
a 1:5000 chance
a 1:5000 shot
1:5000 odds
以下の形で「レスターの優勝は5000倍のオッズだ」を様々な形で表現可能です。レスターは2016年のプレミアリーグのチャンピオンで記録的な快進撃が話題になりました。
Leicester has a 1:5000 chance of going all the way.
Leicester has a 1:5000 shot at going all the way.
The odds of Leicester going all the way are 1:5000.
Leicester was given 1:5000 odds to go all the way. (by bookmakers)
スポーツ以外での表現
この言い回しが日常会話でも用いられることがあります。何かの物事にどれぐらい自分が確信しているかという度合いを表します。
He has a 1:1,000,000 shot at getting a date with her.
彼が彼女と付き合えるのは100万倍のオッズだよ。
The odds of me getting this job are 1:100.
僕が仕事を手に入れられるオッズは100倍だね。
確信がある場合に使うケースは少なく、ほとんどが可能性が薄い時に使います。
100万倍はほぼ「不可能」といってるような感じで、100倍は「不可能ではないがしかし…」といった感じでしょう。
defy the odds
この表現もよく見かけます。「オッズに打ち勝つ、オッズを克服する、不利な条件をはねのける」といった意味で、可能性として低いこと、おこりそうにないことを成し遂げたときに使います。
He defied the odds when he won the lottery.
彼は不利な条件をはねのけて、彼が宝くじに当選した。
She defied the odds and became president of her country.
彼女は不利な条件を克服し、彼女の国の大統領になった。
at odds
at odds with [人] over [物事]の形で、「(人と物事について)意見が一致しない、不和で、対立して、衝突して」といった意味になります。
I’m at odds with my wife over her spending.
妻とは彼女の支出について意見が対立している。
Many countries are at odds over disputed territories.
多くの国々は係争となっている領土について対立している。
oddsは賭け事の倍率の意味もありますが、even(偶数)とodd(奇数)の意味もあります。
at oddsの語源は不明ですが、スティーブがいうにはおそらく「奇数」だと絶対に割り切れないので、どっちかに片寄るために、このような表現になったのではないかな、という予測です。