中学校で習う「like」は動詞では「好き」の意味がありますが、もう1つ「〜のようだ、〜のような、〜のように」の意味での使い方があります。
このページでは「〜のような」の意味でのlikeの使い方を例文にまとめて取り上げています。look likeやsound likeのように他の動詞と組み合わさってよく使われます。
また有名なセリフや熟語にも「〜のような」の意味が使われているのであわせてご紹介します。
この記事の目次!
likeの「好き」と「〜のようだ・〜のような」の意味
そもそも、なぜlikeにまったく異なる2つの意味があるのかという疑問があります。
どの辞書を見てもlikeの語源は2系統にわけられているので、2つの別々の言葉が同じスペルになってしまったと考えるのが妥当だと思います。
ざっくりいえば「〜のようだ」の意味は大昔の英語の「lic, lik」や古ノルド語(古い北欧の言葉)の「líkr」と、英語のalike(等しく、同様に、似ている)などが関連して現代の英語になっているとされます。
一方の「好き」の意味はゲルマン語(ドイツ語、オランダ語、英語などのグループ)の楽しい、喜ぶの意味を持つ「līcian」やオランダ語の「lijken」が混ざって、現代英語の「好き」の意味になっています。
こういった背景があるので日本人からすると「なんで”好き”と”ようだ”が同じ単語なの?」と理不尽にも感じますが、まったく違う言葉がたまたまそうなったと思ったほうが納得できます。
したがって以下のように1つの文章で2つの違う意味のlikeも使うことができます。
I like chocolate.
私はチョコレートが好きだ。
I like food like chocolate.
私はチョコレートのような食べ物が好きだ。
I like chocolate like a panda likes bamboo.
私は、パンダが笹を好きなように、チョコレートが好きだ。
このページでは動詞の「好き」については取り上げていません。「〜のようだ」「~ように」の意味を中心にとりあげて使い方をご紹介します。似ている、類似性をあらわすlikeです。
like(〜のようだ)の使い方
「たとえば~」「~のような」「~ようだ」などの語を使って、2つの物事をたとえるやり方を日本語では直喩と呼んだりします。
英語ではsimile(直喩)と呼ばれ、(be)likeを使って「~みたいだ」「~と同じぐらいだ」と表現します。
My brother is like me.
弟は私みたいだ。
McDonald’s is like Burger King.
マクドナルドはバーガーキングのようなものだ。
His hair is like a woman’s.
= His hair is like a woman’s hair.
彼の髪は女性のようだ。
このようにlike + 名詞の使い方は品詞としては前置詞の扱いです。
長い文章にも使える
もう少し複雑に以下のような例文も可能です。likeの後ろに文章を続けることができ「~のように」と考えることができます。
My brother is running like his house is on fire.
弟は家が火事になったときのように走っている。
I’m eating McDonald’s like it’s going out of business.
私はマクドナルドを、まるでお店が閉店してしまうかのように食べている。
マクドナルドが全営業終了&閉店してしまう最後の瞬間かのように食べるという意味です。
He styles his hair like he is a rock star.
彼は髪型をロックスターのようにしている。
この場合は品詞としては接続詞ですが、あまり深く考えずにlikeの後には名詞をおいてもいいし、文章を続けてもOKだという話です。
ただし、このlikeの後に文章(主語 + 動詞)を続ける使い方(接続詞で使う)は2000年発行の『ロイヤル英文法―徹底例解』によると英米の差はないものの「口語表現・会話表現」だと掲載がありました。
海外サイトを見ても「昔ながらの伝統的な文法書ではこのlikeの使い方はやるなといわれる」「最近の文法書ではインフォーマル(略式・非公式)な英語の記載あり」ぐらいの注意事項で、同時に「しかし、みんなめちゃくちゃ使っている表現」だとも言われています。
カナダ人のスティーブはこの使い方に対して「特に口語表現という感じはしないけど…」といっていました。日常会話で使う分には問題ありませんが、論文や正式な手紙などを書く場面には少し注意を払ってもいいのかと思います。
look /sound / smell / taste/ + like
他の動詞と組み合わせてlook like(〜のように見える)やsound like(〜のように聞こえる、〜のように思える)、smell like(〜のような匂いがする)などさまざまな使い方もあります。
This rooms smells like a hospital.
この部屋は病院のようなにおいがする。
This cookie tastes like banana.
このクッキーはバナナみたいな味がするぞ。
She looks like my mother.
彼女は私のお母さんに見える。
The fridge sounds like it is going to break soon.
その冷蔵庫はもうすぐ壊れそうだ(壊れそうな音がする)
これらについては個別の記事があるのでご覧ください。
likeとasの違いについて
かなり違いがありますが物事の整理の方法として以下のように考えることができます。
likeにはさまざまな意味や使い方があります。すでに紹介したように日本語にすると「~のような、~のように」と訳せるものでも、実は品詞を分類すると前置詞の役割だったり、接続詞だったり、あるいは形容詞だったり細かな違いがあります。
同じくasにもさまざまな使い方や意味があります。「~のような、~のように」と訳せるものもあれば「~として」と訳すものがあったりさまざまです。
likeもasも特に使い道が多い単語であり、その中のごく一部の使い方がasとlikeで一緒だ、共通しているという話です。
asとlikeを何も考えずに入れ替えても文章が同じ意味で成立するような、驚異的に同じ役割をはたしている文章・文脈もあります。
完全に置き換え可能だとはいわないけれどlikeをasではなく「as if」や「such as」に少し変化させることでほぼ同じ意味が成立する文章もあります。
また置き換えると変な文章になったり、意味が変わって伝わるケースもあります。個々の使われている状況によるとしかいいようがないので、個別に検証していくしかないです。今後、サイトでも順番にasとlikeの違いを取り上げていきたいです。
There’s no place like home.
このようなlikeの使い方はさまざまなことわざやセリフにもなっているので有名なものをご紹介します。
“There’s no place like home.” は元々はオズの魔法使い(The Wonderful Wizard of Oz)の有名なセリフで直訳すると「家・自宅のような場所はない」であり「家はやっぱり最高だね、我が家に勝るものはないね」といった意味です。
これは主人公のドロシーがオズの魔法使いに会って家に帰る別れの場面でかけてもらった魔法です。
この形はいろんな表現に用いられ「~ほど◯◯なものはない」といった感じで使われます。
There’s no hamburgers like the ones my mother makes.
うちの母親が作ってくれるほどのハンバーガーなんてないよ。
たまに皮肉っぽく、悪い意味で使われることもあります。
A:Do you like convenience store hamburgers?
コンビニのハンバーガーは好きかい?
B:Um, there’s no burgers like those…
う~ん。あんなハンバーガーなんて他にないね。
“There’s no business like show business.”は曲名でもありアメリカのミュージカルのタイトルで邦題は「ショーほど素敵な商売はない」です。厳密には「ショービジネスほど商売になるものはない」「ショービジネスほど金になるものはない」みたいな訳です。
カジュアルな引用のlike
カジュアルな英語では「(be) like」はときどき引用のために使われます。特に若い世代の人々でよく用いられます。
別にlikeで表現する必要はどこにもないので、堅い文章、場所などでは避けた方がいいかもしれません。
My mom was like, “Clean up your room!”
= My mom said, “Clean up your room!”
ママは「部屋を片付けて!」って言った。
The doctor was like, “You need to exercise more.”
= The doctor said, “You need to exercise more.
医者は「君はもっと運動をする必要がある」と言った。
強調のlike
会話の中のいろんな場所に登場するlikeはそこまで意味がなく、会話の間を作ることでのちに続く部分を少し強調しています。
特に女性に多くみられますが、男性でも使う人もけっこういます。カジュアルな話し方で、人によってはぜんぜん使わないし、場合によっては使うとうざがられる傾向もあります。
以下のようにlikeを入れると()の部分が強調されます。いろんなところに入ってきます。
全体の意味は「私は熱心なジャスティン・ビーバーのファンではない」です。
“I’m not like a massive Justin Bieber fan.” (massive)
“I’m like not a massive Justin Bieber fan.” (not)
“Like, I’m not a massive Justin Bieber fan.” (I)
“I’m not a massive like Justin Bieber fan.” (JB)
“I’m not a massive Justin Bieber like fan.” (fan)
the likes
これで「~のようなもの」といった意味になります。意味としては「それと同レベルのような存在」です。
She wouldn’t date the likes of you.
彼女はあなたのような人とは付き合わないだろう。
Kobe Bryant was so great that he could compete with the likes of Michael Jordan.
コービー・ブライアントは、マイケル・ジョーダンのような存在と競えるぐらい偉大だった。
what it is like to
~がどういう気持ちのすることか、~になったらどんな感じだろうか、といった意味の表現です。
以下のような会話表現があります。
A:What is it like to be Barack Obama?
オバマ大統領だったとしてどんな感じだろうか?
B:I think it is very stressful.
すごくストレスがあると思うね。
もちろん単独でも文章になります。
I wonder what it is like to be Barack Obama.
オバマ大統領だったらどんな感じなんだろうかと不思議に思う。
much like (with)の意味と使い方
like(~のような)の延長にある表現で「とてもよく似て」といった意味です。
much like (with) 〇〇で「〇〇とよく似て」ですが、その後に続く文章が〇〇と対等の関係ならばwithはいりません。
Much like the Olympics, this event will require new infrastructure.
オリンピックによく似て、このイベントは新しいインフラが必要になるだろう。
Getting a boating license, much like a car license, requires a photograph.
ボートの免許を手に入れるのは、自動車の免許によく似て、写真が必要だ。
オリンピックと新しいイベント、ボートの免許と自動車の免許という並列の関係にあるもの同士を比較しています。こういう場合はwithがいりません。
しかし、以下のような場合にはwithが必要です。
Much like with the Olympics, new infrastructure needs to be built in cities hosting major events.
オリンピックがそうなのによく似て、新しいインフラが大きなイベントを主催する市に建てられる必要がある。
Getting a boating license, much like with a car, requires a photograph.
ボートの免許を手に入れるのは、車によく似て、写真が必要だ。
「オリンピックとインフラ」「ボートの免許と車そのもの」のようになるとwithが必要になります。