くまモンやハローキティーの「グッズ(goods)」を集めている人も多いと思いますが、このグッズの使い方が英語と日本語で少し感覚が違います。
日常会話ではstuffやthingsを使うことで「くまモンのグッズ」を集めていると表現することができます。
ほかにもmerchandise(マーチャンダイズ)やproduct(プロダクト)も言葉選びの候補にあがります。この使い分けを可能な限り整理してみました。
この記事の目次!
グッズを集めている
もし日常会話での「スヌーピーのグッズを集めている」や「ポケモングッズを買った」と言いたい場合にはstuffやthings、item(アイテム)を使っておけば無難だと思います。
これらの言葉は「モノ」ぐらいの意味なので無属性で特に深いニュアンスを感じさせません。
My daughter collects Disney stuff.
My daughter collects Disney things.
My daughter collects Disney items.
私の娘はディズニーのモノを集めている。
She has lots of Arashi stuff.
She has lots of Arashi things.
She has lots of Arashi items.
彼女は嵐のモノをいっぱい持っている。
これらはカタカナでいう「グッズ」に近い感覚なので、気軽に特にニュアンスを気にせずに使えます。
カナダ人のスティーブは「things」についてはあまり個人的には使わないけど使う人がいても不思議ではないレベルだといっていました。
また「item」も個人的には使わないし、彼個人としては「stuff」が適切な感じがするけれども他の言葉を使う人がいてもぜんぜん普通だと思うと言っています。
しかし、次に紹介するgoods、merchandise、productsは決して間違いではありませんが、それぞれ言葉のニュアンスがあるので扱いが難しい単語だといえます。
She has lots of Arashi goods.
She has lots of Arashi merchandise.
She has lots of Arashi products.
特にカタカナのグッズがそのまま英語のgoodsに置き換えにくい感じがあります。
goods / merchandise / productの使い方の違い
これらの言葉の扱いが難しいのは日本語で例えるならば「商品」「製品」「品物」「物」などを比較しているのと似ているからです。
「私は嵐の”商品”を集めている」「ディズニーの”品物”が売られている」などの言葉は決して間違いではありませんが、自然な文章かといわれると少し微妙です。
しかし「その会社は嵐の”商品”を販売している」ならば、より自然な日本語に感じます。こういった微妙な差が「goods」「merchandise」「product」に見られます。
微妙な使い分けを比較している難しい項目だと思って読んでもらったほうがいいかもしれません。
わかりやすく考えるならば「merchandise(商品・品物)」「goods(販売品)」「product(製品)」のような訳語をあてるとまだ日本語で理解しやすいです。
product(プロダクト)の意味
productは日本語では「製品」と考えるのがわりとイメージが近いです。これは「製造」と深くかかわる言葉です。トヨタ自動車ならば自動車を工場で作っているので、トヨタのプロダクトは車だということができます。
例えば任天堂の「product」といえば任天堂スイッチやWiiのような本体やゼルダの伝説やマリオシリーズのようなゲームソフトをイメージさせます。
そこにはマリオのぬいぐるみや、ピカチュウのマグカップなどは含まないと考える傾向があります。
ディズニーの場合はぬいぐるみをディズニーが工場で製造している感じではなく、キャラクターのライセンスを与えてどこかの製造会社が製造しているはずです。
したがって以下のような文章を書くと間違いではないものの自然さにかけます。
△ My daughter collects Disney products.
私の娘はディズニーの製品を集めている。
しかし、文脈によってはproductが合うケースも多いです。
The company produces a range of products.
その会社は様々な製品を製造している。
「マリオのぬいぐるみ」は任天堂の製品なのか? 商品なのか? といった疑問が浮かびますが、この場合は次に紹介するmerchandiseなどが近いです。
merchandise(マーチャンダイズ)の意味
merchandise(マーチャンダイズ)はビジネス系の用語ですが、いわゆる日本人の感覚のグッズにも近いかもしれません。略して「merch」とも呼ばれます。
マリオやくまモンのようなキャラクターを、ライセンスを受けて作られたような商品・品物を指します。売る側の視点によった言葉かもしれません。
The store has a range of Disney merchandise.
そのお店は様々なディズニーの商品がある。
My daughter collects Disney merchandise.
私の娘はディズニーのマーチャンダイズを集めている。
この場合のmerchandiseはライセンスを受けてどこかの会社が製造したアイテム、品物であることが明確になっています。
マリオやピカチュウのぬいぐるみも任天堂のマーチャンダイズだといえます。ビジネス系のニュースではこのマーチャンダイズという単語がよく登場します。
日常英会話でも普通に使えますがニュアンスとして親戚の子どもに「さあ、おっちゃんがディズニーのマーチャンダイズあげるよぉ~」とはあまり言わないと思います。
英文でmerchandiseが登場したときは、日本語訳に「グッズ」を入れると一番ぴったりしますが、いつも葛藤があります。
They also set a record for most merchandise sold at Wembley.
彼女たちはまたウェンブリーにおいて最も商品が売れた記録も打ち立てている。
これはBaby Metalのイギリスのウェンブリー・アリーナでの公演をニュースで伝えた内容の一部です。
日本人としては初のウェンブリー・アリーナでのメイン公演だったわけですが同時にグッズの記録も樹立しています。
「グッズ」と訳したらわかりやすいんですが、merchandiseをグッズと訳すのは、goodsという単語が存在している以上はちょっと抵抗があります。
goods(グッズ)の意味と使い方
カタカナでは最も使われているgoods(グッズ)ですが、英語での意味として含まれているのが「店で売っているもの」という感覚です。かなり広範囲のものを指します。
これは日本語で無理やり考えると「販売品」のようなニュアンスになってしまいます。
グッズという単語は以下の例文のように普通に使うことができます。
The store has a range of goods.
そのお店は様々な販売品がある。
基本的には店で売られているものに使い、そこには言葉の背景として「売買行為」がうっすらと感じられます。
ただし、くまモングッズ(Kumamon goods)やディズニーグッズ(Disney goods)のように名詞と組み合わさると少し問題があります。間違いとまではいいません。
My daughter collects Disney goods.
She collects Kumamon goods.
(少し違和感のある文章)
自然な文章になりにくい要素としてまず「くまモングッズ」はくまモン自身が店で売っているわけではありません。
Kumamon goodsをそのままの感覚で訳すなら「くまモンの販売品」ぐらいになってしまいます。それだったら最初からライセンス商品であることを連想させるmerchandise(商品)を使ったほうが早いです。
また「My daughter collects Disney goods.」のような文章は特に売買に関係ない文脈なので、あえて売買行為に強い結びつきのある「goods」という単語を選択する理由がありません。動詞がbuyならまだgoodsを使う理由になります。