ゆるキャラ、着ぐるみを英語でいうには?

ゆるキャラ
 

公開日: 最終更新日:2021.04.1

ゆるキャラを英語で伝える言い方はいくつか考えられますが、一般的にはマスコット(mascot)の部類だといえます。

カタカナにもなっている「マスコット」と「キャラクター」ですが、英語ではこの2つは少し違う意味を持ちます。しかし場合によっては同じ意味を表せることもあります。

そこまで難しい話ではないと思いますが、mascot(マスコット)は象徴的なものを表して使います。したがって日本の自治体、行政などが作るゆるキャラはmascotの性質があります。

着ぐるみについてはぴったりくるような言葉が英語にはないので近い言葉をご紹介しています。

ゆるキャラを英語で説明する

くまモンのようなゆるキャラは性質的には熊本県のmascot(マスコット)だといえます。特に詳しく説明する必要がないならばmascotで十分ではないでしょうか。

Japan has a lot of mascots.
日本は多くのマスコットがいる。

2015年にアメリカのお笑い番組『ラスト・ウィーク・トゥナイト・ウィズ・ジョン・オリバー(Last Week Tonight with John Oliver)』で日本のゆるキャラが奇妙な目で見られながら特集されたことがありました。

これを伝えるニュースでもmascotが使われています。Japanese mascotで通じます。

A segment of the current events comedy program Last Week Tonight with John Oliver featured the many mascots of Japan’s regions and government agencies.
最近の話題を紹介するお笑い番組『ラスト・ウィーク・トゥナイト・ウィズ・ジョン・オリバー』で日本の自治体や政府のキャラクター(マスコット)がたくさん取り上げられた。

同じ番組の同じ動画ですが下は字幕がついています。

この番組ではイスラエル大使館が日本向けに作った公式のゆるキャラ「シャロウムちゃん」や刑務所にマスコットがいることなどが驚きを持って受け止められていますね。

しかし日本特有の自治体などがつくるゆるキャラはウィキペディアにも「Yuru-chara」としてページが存在しているので、ある程度日本に詳しい人なら「Yuru-chara」でも通じると思います。これは「manga」が日本の漫画、漫画文化を指して使われるのと同じ感覚です。

ウィキペディアベースの考え方になりますが英語版で特徴、定義としてあげられているのは以下の点です。抜粋してみます。

usually created to promote a place or region, event, organisation or business.
(たいてい、場所、地域、イベント、組織、ビジネスを宣伝するために作られる)

They are characterized by their kawaii (cute) and unsophisticated designs.
(かわいさと、洗練されていない・素朴なデザインで特徴づけられる)

often incorporating motifs that represent local culture, history or produce
(しばしば、地方の文化や歴史、農産物などを包括するモチーフで特徴づけられる)

ゆるキャラの説明としてはだいたいあっていると思います。

直訳の「loose character」と説明してもおそらく意味は通じない可能性が高く、ネイティブスピーカーが読むと「だらしない性格」のような伝わり方をします。

He has a loose character.
= He’s not very honest or hardworking.
(正直ものでなかったり働かなかったりする性格?)

着ぐるみを英語でどういうか?

着ぐるみ

ぬいぐるみは「plush toy」といった単語が存在していますが「着ぐるみ」に相当する英語がありません。しいていうならば「suit(スーツ)」が近い言葉です。

A guy in a Mickey Mouse suit.
ミッキーマウスの中に男がいる。

Yokohama has a festival with hundreds of people in Pikachu suits.
横浜では多くの人々がピカチュウの着ぐるみを着るお祭りがある。

Mickey Mouse costume(ミッキーマウスのコスチューム)と書いてしまうとハロウィンなどのミッキーマウスのモチーフを使ったコスチュームになるので少し着ぐるみとは性質が異なります。

アメリカにも着ぐるみの文化がないわけではなく「ファーリー・ファンダム(furry fandom)」や「furries」と呼ばれる動物の着ぐるみを楽しむサブカルチャーがあります。

ファーリー・ファンダム(Wikipedia)
Furry fandom(Wikipedia)

動物の着ぐるみを着て楽しむ文化である一方で、性的な目的で集まる集団といった見られ方もけっこうします。Wikipediaにもけっこうスペースをさいて性的な側面が解説されています。

海外のマスコット

海外でもスポーツのチームやイベントのマスコットは古くからあり、野球のMLB、バスケットボールのNBA、アメリカンフットボールのNFLなどでは球団の名前などに由来したマスコットが人気です。

日本の「ゆるキャラ」に対して最も近い存在がスポーツ系のマスコットだといえます。

中でもMLBのフィラデルフィア・フィリーズのマスコット「ファナティック(Phillie Phanatic)」は有名で、審判のズボンを降ろしたり、対戦相手のベンチ前でヘルメットをハンマーで粉々にして挑発してみたりとやりたい放題のところが人気を集めています。

ファナティック(Phillie Phanatic)

ファナティック(Phillie Phanatic)

また軍隊でも様々なマスコットがいて、アメリカ海兵隊のブルドッグのマスコットは、帽子をかぶった強面のキャラクターです。目標にしぶとく食らいつく勇猛果敢なイメージですね。

ノルウェーではペンギンが部隊のマスコットになっていて、ノルウェー郷土防衛隊の楽団がイギリスのエジンバラを訪問する際には本物のキングペンギンを連れていくそうです。

しかしこうしたマスコットは総じてかっこよかったり可愛かったりと、洗練されたイメージでしょう。一方、日本のゆるキャラは怖かったり気持ち悪かったり笑えたりと、ちょっと趣向が違うようです。そこが、アメリカの番組に取り上げられた理由かもしれませんね。

mascot(マスコット)の意味

mascotの意味をもう少し掘り下げてみます。

mascotは何らかの組織の象徴となる人・動物・モノを指します。絵やイラスト、着ぐるみである必要もありません。発音は【mǽskɑt】です。

もともと「mascot」は幸運のお守りのようなものでしたが、今では意味が少し変わってきています。カタカナのマスコットと同じ感覚でいいと思います。

Our high school baseball team had a goat for a mascot.
私たちの高校の野球部はヤギをマスコットにしていた。

Sally is our favorite waitress, and she’s kind of the mascot for this restaurant.
サリーは俺たちの大好きなウェイトレスで、このレストランのマスコットみたいな子なんだ。

Colonel Sanders is both the founder and mascot of KFC.
カーネル・サンダースはKFC(ケンタッキーフライドチキン)の創業者でもありマスコットでもある。

Karl is a corn-based snack which uses a farmer named Uncle Karl as its mascot.
カールはトウモロコシを原料とするお菓子で、農家の人であるカールおじさんがマスコットだった。

character(キャラクター)の意味

一方でcharacterは芸術作品などに現れる人間のような性質を持った人・動物・モノを意味します。

Mario is my favorite video game character.
マリオは私の大好きなゲームのキャラだ。

Anpanman is said to have the most characters of any series in the world.
アンパンマンは世界のあらゆるシリーズものの中でもっとも多くのキャラクターがいると言われている。

Robert DeNiro usually plays tough-guy characters.
ロバート・デ・ニーロはたいてい屈強な男のキャラクターを演じる。

characterには他にもたくさん意味があるので以下の記事をご覧ください。

同じ意味で使えるケース

同じ意味で使えるケースもあります。以下のような例文ではどちらかがどちらかの意味を表現できます。

As their best-known character, Mario is also considered the mascot of Nintendo.
もっともよく知られるキャラクターなので、マリオはまた任天堂のマスコットとみなされている。

Our company licensed the popular character Hello Kitty to be the official mascot.
私たちの会社は人気のあるキャラクターのハローキティを公式マスコットとする許可を受けた。

Zangief is a popular Street Fighter character but he isn’t used as a mascot often.
ザンギエフは人気のストリートファイターのキャラだが、彼はあまりマスコットには使われない。

Sonic the Hedgehog is Sega’s mascot and most popular character.
ソニック・ザ・ヘッジホッグはセガのマスコットであり、最も人気のキャラクターだ。

しかし下のヤギの例文では単にマスコットであって、キャラクターではありません。

Our high school baseball team had a goat for a mascot.
私たちの高校の野球部はヤギをマスコットにしていた。

またmascot characterという言い方もいちおう存在していますが、重言のような感じもするのでわざわざ重ねる必要もありません。ネットで調べてみると「mascot character」といえばだいたい日本のマスコットキャラクターについて話す時に用いられる単語になっており、日本の文化を表す少し変な英語といった位置づけになりつつあります。

Oyatsu Kanpani announced that the mascot characters for their popular snack Baby Star will retire in 2016.
おやつカンパニーは同社の人気のスナック菓子「ベビースター」のマスコットキャラクターが2016年で引退することを発表した。

avatar(アバター)の使い方

カタカナにもなっている「avatar(アバター)」とは、ビデオゲームやウェブサイトのようなデジタル形式での人を表す画像のことです。

例文

She uses a puppy as her avatar on the message board.

彼女はメッセージボードでアバターに子犬を使っている。

例文

Nintendo has cross-platform avatars called Mii.

任天堂はMiiと呼ばれるプラットフォーム間共通のアバターを持っている。

もともとはヒンズー語で「(この世における神仏の)化身、権化」を意味する言葉ですが、英語ではこの使い方はめったに見られません。



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