follow(フォロー)の基本的な意味は後に続くことです。これは肉体的な動作や気持ちの問題、物事の時系列に使うことができます。
ビジネス英語でもよく見かける表現ですが、最近はツイッターの普及もあって特にfollowという言葉がよく聞かれるようになりました。基本的なfollowの使い方を例文付きでご紹介していきます。
あわせてカタカナの誰かの失敗・ミスなどを「フォローする」についても解説しています。この使い方が英語にはありません。
以前このページに掲載していたfollow up(フォローアップ)については『follow up(フォローアップ)の意味と使い方』に移動しました。「次の」を意味するfollowingは『followingの意味と使い方』にまとめているので合わせてご覧ください。
この記事の目次!
followの意味と使い方
followは誰か、もしくは何かの後についていく物理的な動作のことです。これが最も基本的な使い方だといえます。
基本的にこのページで紹介しているfollowの使い方で共通していえるのは「何かの後に続く」のような意味がベースにあるので、先行するものがないと意味が成立しません。
読み方は【fɑ́lou】なのでカタカナで書くなら「ファ」に近い「ファウロウ」ぐらいの微妙な感じです。実際の読み方はスピーカーマークの音声を参考にしてください。
follow【fɑ́lou】
The police followed him to a warehouse.
警察は倉庫まで彼のあとをつけた。
Follow me! I know a great restaurant.
ついておいで! いいレストランを知ってるんだ。
もしそれが犯罪的な意味や、相手が嫌がっているといった意味ならばカタカナでも使われている「stalk(ストーク)」があります。
また「copy」に近い意味でも使えます。誰かが通った道をたどることは、同じ動きをすることになるので、まねるに近い意味になります。
I followed the instructions exactly.
私は指示に正確に従った。
The movie follows the story in the book closely.
その映画は本の物語を入念にたどった。
時系列でのfollowの使い方
followは時系列を表すこともでき「ある事件が先に起こり、また別の事件が次に起こった」といったことを意味することも可能です。
A tsunami followed the earthquake.
津波はその地震の後に来た。
少し混乱する要素がありますが時系列で先におこったものとfollowの関係は以下のようになります。
【古い】 A B C D 【新しい】
「A」が最も先に起こった古いことを表し、「D」が最も新しい出来事だとします。その場合には以下のように表現されます。
B follows A.
A is followed by B.
このように受動態の形でもよくニュースなどでは見かけるので注意が必要です。語順と発生の時系列が合わないケースは慣れないと少し混乱します。
ランキング・順位におけるfollow
順位やランキングなどを紹介するニュースではfollowがよく使われます。
以下は都道府県の魅力ランキングを伝えるニュースからです。
Hokkaido came in first place for the 12th year in a row, followed by Kyoto and Okinawa.
北海道が12年連続の1位で、京都、沖縄が続いた(京都・沖縄に追いかけられている)
以下はカラオケ洋楽ランキングでトップ50に最も曲が入っていたのが「ビートルズ」で1位でした。2位は僅差で「カーペンターズ」です。
The Beatles were closely followed by the Carpenters.
ビートルズは僅差でカーペンターズにつけられていた。
nextでも同じような意味になります。
The Beatles had the most songs, next was the Carpenters.
ビートルズが最も曲があった。次にカーペンターズだった。
結局はfollowと同じことを表せますが、followは距離感の概念が持ち込めるのに対して、nextは単なる順番なのでどれだけ離れている近いといった考えがありません。
The Beatles had the most songs, closely next was the Carpenters.
(この書き方がおかしい)
「closely next」の組み合わせが概念として少し変だという話です。順位そのものは等間隔であって、近い2位というのが存在しないことになります。このあたりは日本語で考えると非常にややこしい話です。
ツイッター・心理的なfollow
最近ではフォローといえばツイッターで他人のアカウントを自分のタイムラインに表示させるような行動を指すことも多くなりました。
フィジカルな動作以外にもニュースを追いかけたり、心理的な動作にも使えます。
I follow politics.
私は政治をフォローしている。
上の例文では政治などのニュースやテレビ番組を意識して追いかけている、見ているといった意味になります。
また「あなたについていきます」のような表現も可能です。かつて松田聖子が『赤いスイートピー』の中で歌っていましたが、あれも間違いではありません。
I will follow you.
(文脈で意味が変わるかも…)
少し漠然としているので「先に歩いてくれたら後からついていくよ」「ツイッターでフォローしておくよ」「あなたについていきます」のような、どの解釈も成立します。
ツイッター用語としては別の記事にまとめています。「フォロワー(follower)」もカタカナでは聞きますが、英語では使い方によっては強烈な信者、妄信するような印象を伴うケースがあります。
会話中でのフォロー
会話中に相手の言っていることが速すぎたり、難しすぎた場合にもfollowを使うことができます。英会話表現としてはよく登場します。
I can’t follow what you are saying.
あなたのいっていることに追いつけません。
= 言っていることがわからない。
I can’t follow you.
(この表現でもOKです)
これも後ろからついて行くことがベースにあり、それができないと言っています。
それは早口であったためスピードについていけない、あるいは会話の内容が高度・専門的な知識でついていけないといった意味で使われます。
したがって「声が小さいから聞こえない」といった場合には「何かが先行する、先に行く(それに追いつけない)」のイメージとは少し違うので、followを使うかどうかは判断がわかれます。それは単に声が小さいだけであって、followの概念と少しずれるような感覚が伴うそうです。
その場合には「聞こえない」でいいのではないでしょうか。
I can’t hear you.
あなたの声が聞こえないよ。
また映画のストーリー説明などで主人公、主役になる人に対しても用いられます。これについては以下の記事にまとめています。
「(失敗の)フォローする」を英語でいうには?
カタカナで誰かが失敗したときなどに、助ける、擁護する、弁護するといった意味での「フォローする」の意味は英語のfollowにはありません。
2017年のワールドシリーズで、アストロズのグリエル選手がダルビッシュに対して、アジア人への人種差別的なジェスチャーをして批判されました。
ダルビッシュは特に問題にせず、誰でも間違いはあるし、ここから教訓を学んでいこうといったフォローをしています。
Darvish followed Gurriel.
(ツイッターの話?)
おそらく上のように書くと、ダルビッシュはツイッターもやっているので、グリエルのツイッターをフォローしたと読まれる可能性が高いです。
例えばドナルド・トランプの物議をかもすようなきわどい発言を、娘のイヴァンカ・トランプがフォローしたといった場合にも状況は同じです。
Ivanka followed her father when he said a controversial thing.
(ツイッターをフォローしたように読めてしまう)
カタカナの「フォローする」も状況によって表している動作や言動が微妙に異なるので、正確にいうならば状況や言葉、動作を定義する必要があるかもしれません。
例えばダルビッシュのような状況・文脈ならば「excuse(許す、勘弁する)」や「forgive(許す)」あたりになります。
Darvish excused/forgave Gurriel.
ダルビッシュはグリエルを許した。
またイヴァンカ・トランプの例文ならば、最も単純にhelp(助ける)などでも問題ないと思います。
coverはカタカナの意味に近い「カバー」です。様々な意味があるcoverですが、「援護する、かばう」といった意味もあります。またbail out(救い出す、救済する)でも表せる状況があるかもしれません。
Ivanka covered for her father when he said a controversial thing.
イヴァンカは父親が物議をかもすことを言った時に彼をカバーした。
Ivanka bailed out her father when he said a controversial thing.
イヴァンカは父親が物議をかもすことを言った時に彼を助け出した。
場合によっては「支持する」などもカタカナの「フォローする」の範疇に入ってきます。