カタカナでも広く使われている「flavor」は名詞では「味(あじ)」を意味する言葉として使われています。tasteとほぼ似た意味で同じような使い方ができます。
アイスクリームの味から料理全般に使われるほかにも音楽で「〇〇風」といった使い方もできます。また動詞では料理などに「味をつける」といった意味にもなります。
特に難しい言葉ではありませんが意味と使い方を例文にまとめています。tasteについては『taste(テイスト)の動詞・名詞での意味と使い方』の記事があるのであわせてご覧ください。
flavorの意味と使い方
日本語でもカタカナで「フレーバー」と表現されることがあるので聞きなれた言葉です。発音は【fléivər】なのでフレイバーぐらいが近いです。イギリスでは「flavour」とも書かれますが意味は同じです。
flavor【fléivər】
一般的には食べ物などの味、風味の意味です。アイスクリームから飲み物、料理まで広く使えます。
This ice cream shop has a lot of flavors.
このアイスクリームショップはたくさんの味がある。
The new flavor of chips is set to debut next month.
その新しい味のチップスは来月に初登場する予定だ。
This curry has a robust flavor.
このカレーはコクがある/しっかりした味だ。
アプリ『ざっくり英語ニュース!StudyNow』ではさまざまな変わった味の新商品の発売をニュース配信しましたが多くは「〇〇味」を意味するのにflavorが使われています。以下は実際に発売された商品のニュースからです。
On August 25th, Gari Gari Kun released a grapefruit flavor aimed at adult women for the first time in their series of ice candies.
8月25日に、ガリガリ君がアイスキャンディーのシリーズ初となる「大人の女性向け」グレープフルーツ味を販売した。
On May 17th, Meiji launched new flavors of popular snacks Takenoko No Sato and Kinoko No Yama.
5月17日に、明治は人気のスナック菓子「たけのこの里」と「きのこの山」の新しい味を発売した。
Akaginyugyo announced that they will sell Garigari-kun Melon-pan flavor from November 15th.
赤城乳業は11月15日から「ガリガリ君リッチ メロンパン味」を発売すると発表した。
On August 1st, Yamazaki Baking and Baskin-Robbins released Lunch Pack Rum Raisin Flavor.
8月1日、ヤマザキパンはアイスクリーム店31とコラボした「ランチパック(ラムレーズン風味)」を発売した。
On August 21st, Kit Kat Cough Drop Flavor hit the shelves until September 10.
8月21日、キットカットのど飴味が、9月10日までの間、店頭に並んだ。
flavor(フレーバー)とtaste(テイスト)の違い
名詞で使われるflavorは基本的に「taste」と同じ意味で置き換えても問題ないケースが多いです。ややflavorには「後から付け加えられた味」というニュアンスもあり、「taste」は本来の味を示すこともあります。
以下のように置き換えても問題ないケースも多いです。ニュアンス程度の差であり、「flavor」「taste」どちらを使っても日本語の訳には変わりありません。
次の項目で取り上げていますがflavorとtasteは動詞で使った場合にはまったく意味が異なります。名詞で考えた場合は近い意味です。
These cookies have a salty flavor(= taste).
これらのクッキーは塩っぽい味を持っています。
I like the flavor(= taste) of that restaurant’s ramen.
私は、あのレストランのラーメンの味が好き。
しかし日常会話では「あの店のラーメンの味が好きだ」と伝えたい場合、「flavor」や「taste」のどちらもつけないほうがより自然な表現になります。
「あの店のラーメンおいしいよ」「バニラのアイスが好き」のような日本語と同じ感覚で、「味」とつけないほうがより自然な英語に聞こえるケースが多いです。
I like that restaurant’s ramen.
私は、あのレストランのラーメンが好き。
I like vanilla.
私はバニラが好き。
その味が「一般的に食べ物とみなされないもの」だった場合には、flavorをつけるケースは考えられます。
たまに「サクラ味」のような少し変わった味の料理やお菓子を見かけますが、こういうケースならつけたほうがわかりやすいと思います。
I like the flavor of sakura.
私はサクラ味が好きだ。
flavorの動詞での使い方
動詞で使われるflavorは「味をつける」という動作をさす言葉になります。料理中の過程を説明する際や、後から自分好みの味に変えた時などに動詞の「flavor」が使われます。
ニュアンスとして「塩を加えた」のようにはっきりと書いていると話は別ですが、文脈や言葉の指定がないとケミカルな調味料、人工的な味を加えたと感じさせる傾向があります。
be flavored withで「~の味付けがされている」と意味になります。
This cola is flavored with yuzu.
このコーラは柚子の味がつけられている。
They flavored their cookies with lemon.
彼らはクッキーにレモン味をつけた。
I flavored that pie with salt.
私はあのパイに塩味を加えた。
I flavored salt in that pie.
(この形は間違い)
この場合はtasteに置き換えると意味が完全にかわります。tasteは「味がする」といったテイスティングの意味です。
I tasted salt in that pie.
私はあのパイの中に塩気を感じた。
この「味をつける」にはseasonにも同じ意味があり、香辛料などではseasonのほうがよく使われている感じがあります。
flavoring
flavoringには辞書に「香味料、調味料」などの意味がありますが、これもややケミカルなもの、化学調味料のようなものを連想させます。「味をつけること、味付け」という行為と考えてもいいと思います。
This cake uses artificial flavoring.
= This cake uses artificial flavors.
このケーキは化学調味料を使っている。
全般的にいえるのは調味料、スパイス的なもので味を加える場合は「season」を使ったほうが無難な選択になります。
This pizza uses oregano as seasoning.
= This pizza uses oregano for flavor.
このピザはオレガノ(シソ科の植物)を味付けに使っている。
趣や味わい(音楽や服など)
名詞で使われるflavorは料理以外でも「〇〇風」といったあいまいな感じを表すこともできます。以下の例文のようにはっきりとはしない、あいまいな趣や風情を伝えたいときに名詞の「flavor」が活用できます。tasteにも同じ使い方があります。
His music has a Latin flavor.
彼の音楽はラテン風だ。
「~風、~っぽい、~的な」を表す表現はほかにもいくつかあるので以下の記事もご覧ください。