チャレンジ(challenge)はすでにカタカナになっていますが、特に動詞での使い方を日本語訳をベースに考えるとちょっと変になります。例えば「ヨガにチャレンジする」「TOEICにチャレンジする」のような使い方を英語ではしません。
基本的には動詞でのchallengeは「(人間に対して)挑む、挑戦する」といった意味であって、大学受験やダイエットは特にチャレンジする相手ではないといった話になります。
ここでは様々な形で使われるchallengeの動詞と名詞での使い方ならびにchallengingの意味などを例文にまとめています。
この記事の目次!
動詞でのchallengeの意味と使い方
英語のchallengeを動詞でそのまま使うと、人に対して「挑む、挑戦する、勝負を挑む」といった意味で使われます。競争・対決の色合いが濃く、明確に自分に挑戦してくるものや、挑んでくるものに対して使います。
challengeを動詞で使う場合には後ろに人・対戦する相手などを置くと自然な英文になります。
He challenged the knight to a duel.
彼は騎士に決闘を挑んだ。
I challenge you to a game of darts.
ダーツでお前に勝負を挑む。
Trump challenged Hillary to be the US president.
トランプはアメリカ大統領になるためにヒラリーに挑んだ。
challenge to a duelで「決闘の申し込み」として使われます。
日本人が使う動詞のチャレンジは以下の例文のようにモノや試験に使われるケースが多いです。ヨガやTOEIC、大学受験など様々なものにチャレンジしています。
△ He challenges the TOEIC test.
彼はTOEICにチャレンジしている。
△ I’m going to challenge the marathon.
マラソンにチャレンジするつもりだ。
△ I challenged the marathon.
私はマラソンにチャレンジした。
△ The firefighters challenged the Kumamoto disaster.
消防士は熊本震災に挑んだ。
何回も言いましたが、日本語の「チャレンジ」は英語の「challenge」と同じではないです。#泣いちゃう英語 pic.twitter.com/PHMDc5KK5a
— ロッシェル・カップ (@JICRochelle) April 8, 2020
この動詞のchallengeの使い方は完全に間違いとは言い切れないけれど日本人独特の英語表現で自然さに欠けます。TOEICもヨガも、そのものに意思はなくただの試験やエクササイズであって、TOEICやヨガそのものと競争しているわけではありません。
しかし、マラソンを主語にして「私に挑んでくる」「試されている」といった表現は可能です。
This marathon really challenged me.
このマラソンは本当に大変な困難だった。
基本的には動詞での使い方は「challenge + 人」の形をとるものだと考えることができます。日本語の翻訳ベースだと「challenge + 試験・競技名」になるのでちょっと自然さに欠けます。
モノがモノにチャレンジ
そこに「競争」の意味が見て取れるならばモノがモノにチャレンジすることは表現として可能です。一種の擬人化だとも考えられます。
The Mini-Disc challenged the Compact-Disc in portable music.
ミニディスクはポータブル音楽においてコンパクトディスクに挑んだ。
The Prius challenged all other cars to be more fuel efficient.
プリウスは燃費において、他のすべての車に挑戦した。
チャレンジするをどういうか?
何かに挑戦をするといった意味ではいくつかの言い回しが可能です。
まず「challenge」という言葉を残すならば「take on a challenge」の形でカタカナに近い「挑戦する」の意味にできます。
I’m going to take on the challenge of running the marathon.
マラソンを走ることに挑戦するつもりだ。
またカタカナでは「この夏、ヨガにチャレンジする」「TOEICにチャレンジするよ」といった使い方がされますが、その多くはtryやattempt、takeで表現可能です。
カナダ人のスティーブは上で紹介した例文でも「無理にtake on a challengeを使う理由もない」といった感じで、tryやattemptで十分だといった意見でした。
I’m going to try taking the TOEIC test.
TOEICに挑戦するつもりだ。
I’m going to attempt a marathon.
I’m going to try a marathon.
私はマラソンに挑戦するつもりだ。
試験などの場合は上のようにtryを使ってもいいのですが、take onも使えます。「少し難しいことやレベルが高いことに挑む、挑戦する」の意味があります。
He took on the TOEIC test.
彼はTOEICのテストに挑んだ。
He took the TOEIC test.
彼はTOEICのテストを受けた。
名詞のchallenge(チャレンジ)
名詞のchallengeはわりとカタカナの感覚に近い言葉で「挑戦」と思ってもいいと思います。ちょっと困難ではあるけれど、やるべき課題、乗り越えると恩恵があるような問題です。
This was a big challenge for me.
これは私には大きな挑戦だった。
This problem was a big challenge.
この問題は大きなチャレンジだった。
The Ice Bucket Challenge was a way to raise awareness of ALS.
アイスバケツチャレンジはALSの認知向上の手段だった。
challengingの使い方
形容詞のchallenging(チャレンジング)は名詞と同じで「難しいけれどもやりがいのあること、困難ではあるけれど乗り越える意味があるもの」といった意味です。
「やりがいのある、能力が試される」を意味します。
You might think it is easy to be an actor, but when you do the actual work, you’ll find it is very challenging.
君は俳優になることは簡単だと思うかもしれないけど、やってみると、とても難しいことだと気付くよ。
This is a challenging job.
これはやりがいのある仕事だ
Parenthood is challenging.
親であることはやりがいがある。
He thinks the new job is challenging.
彼は新しい仕事はやりがいがあると考えている。
異議申し立てをする、食って掛かる
challengeは挑戦することの延長にある使い方で「異議申し立てをする、盾突く、食ってかかる」といった意味で用いられることも多いです。
アメフトやメジャーリーグでも、審判の判定に不服があり、ビデオ判定を求める場合は「チャレンジする」といった使い方があります。競技にもよりますが無制限ではなく、1試合でチャレンジできる回数には制限があります。
Donald Trump says many incorrect things but no one challenges him on them.
ドナルド・トランプは多くの正しくないことを言うが、誰も彼にその件で異議を唱えない。
I got a parking ticket but I’m going to challenge it in court.
違反切符をもらったけど、私は裁判で異議申し立てをするつもりだ。
He got thrown out of class for challenging everything the teacher said.
彼は先生の言うことすべてに楯突いたので、クラスから追い出された。
pose a challenge
pose a challenge(難題をもたらす、課題をもたらす)の表現があります。これはposeの使い方の1つです。
The Kumamoto disaster posed a challenge for firefighters.
熊本の震災は消防士達に難題をもたらした。
Yoga is posing a challenge for me since I haven’t exercised in years.
ヨガは私に課題をもたらした。なぜなら数年、エクササイズをしていなかったから。
present a challenge
問題を引き起こすことですが、丁寧でポジティブな雰囲気を伴い「課題を示す、努力目標を提示する」などの意味になります。
The location of the new bridge presented many challenges to the engineers.
その新しい橋の場所は技術者たちに多くの課題を示した。
新しい橋を建設するために選ばれた場所は風が強かったり寒すぎたり、危険だったりなど何らかの問題を抱えている場所だという意味です。
The monster’s size presented a challenge to the film crew.
怪物の大きさがその映画のチームに課題を提示した。
関連してチャレンジすることを決心する意味での表現の解説があります。あわせてtryの項目もご覧ください。