どちらも日本語にすると「関係」みたいな言葉になってしまうので、使い分けが非常にややこしい2つの単語です。
今回もネイティブに書いてもらった例文を掲載しながら雰囲気を読みといていきます。乱暴に言ってしまえばrelationshipのほうが広いので、さまざまな事柄に使うことができます。
その中の特定の関係にrelationを使うことができると思っても、間違いではない感じなので順番に見ていきましょう。
この記事の目次!
relationshipの意味と使い方
relationshipは広い意味での2つの物事の結びつきに対して使います。日本語では「関係、係わり合い」と考えてもいいと思います。
日本語で考えても同じですが「関係がある」といってもかなり意味が広くとれてしまいます。特に恋愛に限定するものではありません。
My daughter and I have a close relationship.
娘と私には深い係わり合いがある。
There is a relationship between religion and politics.
政治と宗教には関係がある。
男女間のrelationship
男女間でrelationshipを使う場合ですが、文脈によりますがいくつか表現があるので例文を参考にしてください。
肉体関係の婉曲表現としてのrelationshipは最後にまとめています。
have a relationship
もちろん友達関係のような意味でも用いられます。広い意味での「つながり・関係」であって、特に恋愛ではなく、メールしたり電話したりなんらかの関係性です。
She and I have a good relationship.
彼女と私は良い関係にあるよ。
in a relationship
しかし「in」で書いてしまうと、おそらく男女の付き合っているような関係を指すことになります。
She and I are in a relationship.
彼女と私は恋愛関係にある/付き合っている。
恋愛的なロマンティックな関係、つまり付き合っていると思ってほぼ間違いないそうです。
involveにも恋愛関係で関わっているの意味があります。
relationの意味と使い方
relationのほうがよりフォーマルで、もう少し特定の物事に対して使います。因果関係なども含めた「関連」と考えると近いかもしれませんが微妙な差です。
◯ The relation between gravity and speed can be seen in this equation.
△ The relationship between gravity and speed can be seen in this equation.
この方程式では重力と速度に関連が見られる。
◯ One relation between religion and politics is the use of rhetoric.
▲ One relationship between religion and politics is the use of rhetoric.
政治と宗教の関連の1つは、修辞法(巧みな言葉)を使うことだ。
この場合はrelationshipを使っても間違いである言い切れないものの、自然な英文とは言い難い状況です。
rhetoricは文章を飾ったりする言い回しの技術のことです。
国と国との関係
国と国の関係には普通は「relations」が用いられます。政治関係のニュースを注意深くみるとほぼrelationsが使われます。
President Trump may threaten US-Japan relations.
トランプ大統領は日米関係を脅かすかもしれない。
Relations between the countries remain strong.
両国の関係は強力なままだ。
The bad relations between Turkey-Russian reached a breaking point when the jet was shot down.
トルコとロシアの険悪な関係は、ジェット機が撃ち落とされた時に限界点に達した。
Japanese businesses are rare in North Korea due to bad relations between the two countries.
両国の悪い関係が原因で、日本のビジネスは北朝鮮ではまれである。
上の2つの例文も「relationship」に置き換えても間違いとは言い切れないけれども、より一般的な表現でなくなります。
ニュースでは外交の話題も扱っていますが、形容詞がついてさまざまな各国の関係を伝えています。以下、ニュースに登場した国と国、団体と団体などのrelationsの表現をそのままピックアップしてみます。
Neighboring countries relations
(周辺国との関係)
Soured relations between Turkey and Russia
(気まずくなったロシアとトルコの関係)
the Council on American-Islamic Relations
(在米イスラム改善協会)
special relationship
国と国の関係でいえば、イギリスとアメリカの関係のみ「special relationship」とよく表現されます。日本語にすると「特別な関係」です。
これはウィンストン・チャーチル首相がアメリカとの親密な関係を表現する際に用いた言葉で、そこから英米の関係を伝統的に指してこの言葉が用いられます。基本的には他の国は使いません。
英語の学習教材としてもおすすめされ、最近になって続編の製作が決まった映画『Love Actually』でも、英米の首脳の記者会見のシーン(0:17~)でこの言葉が見られます。
婉曲表現としてのrelation
男女間で「relation/relations」を使うと、(文脈にもよりますが)より「肉体関係」を示唆する婉曲表現になります。これはrelationshipを使っても、文脈によっては同じようなことになります。
日本語の感覚も似たような感じで「昔、彼女と関係があったんだ」といえば、付き合っていたか、男女の肉体関係を意味する婉曲表現になります。
Bill Clinton said he never had relations with Monica Lewinski.
ビル・クリントンはモニカ・ルインスキーとの性的な関係は絶対になかったといった。
第42代アメリカ大統領のビル・クリントンは1998年の任期中に不倫のスキャンダルを起こします。ホワイトハウスのインターンだったモニカ・ルインスキーさんとホワイトハウス内で肉体関係になり彼は最終的に事実を認めています。
さまざまな発言の中で大統領なので率直に「セックスをしました」と発言するわけにもいかず、多く用いたのが婉曲表現の「relationship」や「relation」といった言葉です。
「不適切な関係(relationship that was not appropriate.)」という表現が当時の流行語になりました。言い回しとしては非常に面白いですね。
もちろん、彼が流行らせたわけではありませんが、この頃から広く使われるようになったみたいです。
こちらは肉体的、性的な男女の関係を表しています。婉曲表現であって政治家のスキャンダルなど「セックスをした」と直接いいにくい状況でも用いられます。
他にもhistoryを使うことで関係や因縁があったことを表すこともできるのであわせてご覧ください。