事実婚を英語でどういうか?

事実婚

近年、同性婚や事実婚の関係を指して使われることが多いのが「domestic partnership」です。言葉の概念として新しい部分もあり少しややこしいですが、一緒に住むような関係すべてを表せる表現です。

似たような意味でcommon-law marriageもありますが、こちらは日本でいう事実婚を指して使われてきました。

言葉を整理する意味でまとめておきます。移り変わる概念であり、国によってとらえ方も違うので参考程度にとどめてください。

伝統的な結婚することについての表現は『「結婚する」を英語でいうには?』にまとめています。

common-law marriageの意味

common-law

common-law marriage(コモンローマリッジ)は事実婚と考えられるものです。古くから言われる「内縁」と考えてもいいと思います。行政上の手続きはしていないけれど、実態としては結婚している状態を指します。

common-lawは「慣習法、慣習法上の」とも訳され、人々がずっとそうしてきたことや習慣的な行為で法的な拘束力を持つようなものとされています。「common-law marriage」は英語圏でも1900年代に入ってから広く使われている言葉です。

英語圏での考え方のベースに見え隠れするのが、marriage(結婚)は教会でセレモニーをする宗教的な意味合いが強いことで、中にはそういった宗教的な儀式を嫌う人がいます。

そういう人たちや、なんらかの事情により行政的な手続きを回避して、実際には一緒に住み結婚しているのと変わらない状況を作るのがcommon-law marriageです。

例文

She lived with her boyfriend for five years so they are eligible to become common-law spouses.

彼女は彼氏と5年住んでいた。だから、彼らは事実婚の配偶者になる資格がある。

日本ではこの事実婚(common-law marriage)を制度として認めています。

志村けんはエッセイの中で3年以上同棲した彼女と別れることになった時に3年同棲していたので結婚と同じと見なされた話を書いています。

挙式や行政手続きは行っていなくても「結婚していた(内縁の妻)」と見なされて財産が分与されます。これにより財産を半分、元彼女に持っていかれたと書いていました。

志村けんには嫌だったんだと思いますが、元彼女からすれば法的にだいじょうぶだぁと権利が守られたことになります。ただし、これが認められるのには一定の時間が必要になります。

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domestic partnershipの意味

domestic partnershipの意味

domestic partnershipといえば、言葉の上では同じ拠点・家をともにするパートナーだと考えることができます。広い意味では伝統的な結婚から先に紹介した事実婚(common-law marriage)まで、あらゆるタイプの一緒に住むことを表せるかなり広範囲を包括する概念です。

ただし近年はもう少し意味を狭めて使われている感じがします。

例えば日本のように制度的に同性婚が認められていない場合には、同性同士の場合は結婚という手続きができないので法的には「marriage」が成立しません。

相手が同性・異性を問わず、なんらかの事情で法的な婚姻・結婚の手続きをしない人たちも同様に「marriage」が成立していません。

marriageではないのでwife(妻)やhusband(夫)、spouse(配偶者)という概念も成立していません。異性の場合は時間が経過すれば「内縁」は成立しますが、それまでは2人の関係が曖昧です。

では、このような関係をどう呼ぶのか? 単に一緒に住んでいる仲の良いお友達(friend)なのか? といった話になり英語では「domestic partnership」や「domestic relationship」と呼ばれています。

domestic partnershipという単語そのものは1900年代に入ってからちょくちょく登場するようになり、1980年代の終わりから急激に使用頻度があがっている言葉です。

特に同性婚のような概念が広がる中で生まれた、同性同士のカップルで結婚しているような状態のカップルに対して広まった側面もあります。

どう呼称するか? といった言葉選びの問題も確かにありますが呼称は問題の本質ではなく、結果的にこれらを法的に認めるか、通常の配偶者と同等の権利や保障があるのかといった行政や社会制度の問題につながっています。

domestic(ドメスティック)

domestic(ドメスティック)といえば、「家庭内の、国内の」といった意味で知られています。

domesticは意味合いとしては「home」につながっている言葉です。

homeは「家」や自分の拠点、故郷になるような場所を総合的に指す概念です。houseが建物(一軒家)を指している点で違いがあります。

例文

Cats and dogs are domestic animals.

猫や犬は家畜だ。

例文

He was charged with domestic violence.

彼は家庭内暴力で告発された。

例文

It was a domestic flight.

それは国内線だった。

千葉市が事実婚・同性婚を認める

2018年9月のニュースですが千葉市が独自に、domestic partnershipやcommon-law marriageのカップルに「証明書」を出す政策を始めました。

事実婚は日本で認められていますが志村けんのように一定期間を過ぎないと成立しないものを、千葉市が独自に即座に証明するような制度です。

千葉市パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱(仮称)」の考え方(千葉市)

世の中には行政に対して婚姻届けを提出して、私たちは法的に結婚しましたと認められないと受けられない権利や恩恵、制度が無数に存在しています。

扶養手当や遺族年金といった行政や社会保障レベルの話、育児休暇や婚姻休暇や「親族のみ面会可能」といった会社・病院・警察の話、もっと身近なレベルでは結婚したカップルのみ入居可能なマンションや、何かの「家族割引サービス」の家族の扱いなどです。

全国レベルでは同性によるカップルを公的に証明する制度が次々とできており、東京都渋谷区、世田谷区、那覇市、宝塚市などが実施しています。

また今回初となるのは事実婚のカップルに証明書を出すことにより、公的に認められた存在であることを千葉市が支援することになるという点です。

日本においては同性婚が認められていないので、これらの証明書には法的な拘束力はありません。千葉市はこれらの証明書を市営住宅の審査や市営墓地など、まずは千葉市内の利用に活用していく予定です。

同時に企業にも活用してもらい、既婚者と同等の権利が何らかの事情で結婚できない事実上のカップルにも与えられることを期待しています。いち地方自治体とはいえ、千葉市のような大きな自治体のハンコがついているのは非常に大きな存在になるといえます。

ただし、配偶者や他のパートナーがいないことを証明する必要があったり、親近者(兄弟・姉妹)などには認められないルールもあります。

以下は実際に配信した英語のニュースです。

例文

The city of Chiba will begin issuing partnership certificates for LGBT and common-law couples starting in April.

千葉市はLGBT(性的マイノリティ)や事実婚のカップルに対してパートナー証明書の発行を4月から開始する予定だ。

例文

The move will make the municipality the 8th in Japan to recognize same-sex partnerships and the first to provide the same certificate for cohabitating heterosexual partners.

この動きで、同性婚を認める日本で8番目の地方自治体となる。そして、同棲する異性愛のパートナー達(事実婚)にも同様の証明書を発行するのは初となる。

   


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