英語でgag(ギャグ)といえば、2つぐらい意味があって、1つは誘拐犯などが人質に対して大声を出させないようにするための「さるぐつわ」です。動詞で「さるぐつわをかませる」みたいな意味と、名詞で「さるぐつわ」です。
もう1つはカタカナの「ギャグ」と似たような意味で、身体をはった動きによる笑いに対してアメリカ英語では使われています。ここではjoke(ジョーク)との違いも含めて整理してみました。
この記事の目次!
gag(ギャグ)の意味
英語のgag(ギャグ)の1つ目の意味は、誘拐犯などが人質に声を出させないようにするための「さるぐつわ」のことです。
布に限ったものではなく、ball gagはそのさるぐつわがボール・球状になったもので、SM趣味などで大人が遊ぶようなアイテムのことです。
gagは動詞でも使え、どちらかといえば動詞のほうが一般的です。
◎ The kidnappers gagged the victim.
誘拐犯は被害者にさるぐつわをした。
〇 The kidnappers put a gag on the victim.
(名詞で使っても問題ありません)
これが基本的な意味ですが、さるぐつわをすることは相手の言いたいことを封じる、言論統制するといった比喩として使われることがあります。
The media has been gagged on reporting about the government.
メディアは政府について報道することを言論統制されている。
The dictator successfully gagged his critics.
その監督はうまく批評家たちを封じた。
食べ物で息を詰まらせること、吐き出してしまうことにも使われます。
He gagged on the food.
彼は食べ物をつまらせた。
コメディアンのギャグ
コメディアンがやる「gag」も英語でありますが、語源が違っているので別の単語だと思ったほうがよさそうです。
gagは「say(言う)」ではなく「play」が使われます。
The kids like to play gags on each other.
子供たちはお互いにギャグをやるのが好きだ。
The movie is full of funny gags.
その映画は面白いギャグでいっぱいだ。
以下のような例文も状況としてはよくわかりませんが英文としては成立します。
The kidnapper played a gag on the victim.
誘拐犯は被害者にギャグをいった。
ジョークとギャグの違い
スティーブの意見・感覚ですが、joke(ジョーク)に近い意味ですが、jokeが語り、話術で笑いをとるのに対して、gagはもっと身体を使った動きで笑わせる傾向があるといっていました。
感覚としては「joke(ジョーク)」が大カテゴリーで、その中に「ギャグ」があるとする考え方があります。
辞書によればイギリスでは「gag」は話術を使ったものに使われ、アメリカでは身体をはった笑い、動きによる笑いにより使われる傾向があります。
「具体的にどんなのがギャグなの?」という話になって、あがったのが『トムとジェリー』やバックス・バーニーが登場する『ルーニートゥーン』のような、面白おかしい身体を使ったドタバタ的なものがアメリカ英語の「gag」ではないかという話です。
YouTubeで検索してみると「Looney Tunes Cartoons – Hole Gags(YouTube)」みたいな動画があって、確かにジョークとはいいがたい、身体を張ったユーモアが見れます。