lightenは「light」が動詞になったものだと考えることができますが、lightには「軽い」と「明かり、光」の2つの意味があるため、両方の意味が動詞化したものだと考えてもいいと思います。
つまりlightenには「軽くする、軽くなる」と「明るくする、明るくなる」の2種類の使い方が存在していることになります。lighten upは雰囲気や気持ちなどに使われる言葉で「心を軽くする」などの意味があります。
少しややこしいので順番に整理しています。あわせて『light(軽い・光・明かり)とライトアップの意味と使い方』もご覧ください。
lightの「明かり、光」と「軽い」の意味
前提としてlightには2種類の意味があり、1つは形容詞で「軽い」の意味です。
The package is very light.
その荷物はとても軽い。
もう1つは名詞で「明かり、光」の意味です。
Can you turn on the light?
明かりをつけてくれる?
この2つの中間にあるような考え方で「雰囲気の軽さ、空気の軽さ」みたいなものもlightに含まれてきます。
動詞になったlightenは、これらの意味合いが混じっている感じもするので、順番に整理しながら取り上げてみます。
名詞の「光、明かり」と形容詞の「軽い」については以下の記事にまとめています。
動詞:lightenの使い方
動詞の「lighten」は2つの意味があり、まず1つはlight(形容詞:軽い)を動詞化したもので「軽くする」「軽くなる」です。これは重量に対しても、作業量など実際の重さがあまりないものでも使えます。
The engineers managed to lighten the race car more.
エンジニアたちはなんとかレース車をより軽くした。
He helped lighten my load at work.
彼は私の仕事の負担を軽くするのを助けてくれた。
もう1つの意味が「明るくする」「明るくなる」です。これは部屋などの明るさのほかにも、雰囲気などにも使えます。
I lightened the picture in Photoshop.
私はフォトショップで写真を明るくした。
She lightened her hair with bleach by herself.
彼女は自分でブリーチを使って髪を明るくした。
It rained in the morning but the sky lightened in the afternoon.
朝には雨が降ったけれど、午後に空は明るくなった。
以下のような表現を比較することで少しわかりやすくなります。light(過去形:lit)はそのまま動詞で使うと「火をつける」といった意味があります。
He lit the candle and lightened the room.
彼はロウソクに火をつけて、部屋を明るくした。
① He lightened the room.
彼は部屋を明るくした。
①は部屋をより輝かせ、明るくしたと読めますが、雰囲気を明るくしたとも読めなくもありません。文脈がないとはっきりしません。
ただし、もともとそこは暗闇ではなく、ちょっとは明かりがあったことを感じさせます。彼はより明るくしただけです。
② He lit the room.
彼は部屋に明かりをともした。
②は放火したわけではなく、明かり・光のない部屋に明かりをもたらしたと読めます。電気のスイッチをつけたのか、懐中電灯で照らしたのかわかりませんが、光のなかった場所・暗闇に光をもたらしたことになります。
lighten upの使い方
lighten upになると「心を軽くする」「雰囲気を和やかにする、元気づける」といった意味になります。
He needs to lighten up some more.
彼はもっと心を軽くする必要がある。
You should add a joke to lighten up the speech.
あなたはスピーチを和やかにするため、ジョークを加えたほうがいい。
lighten upは基本的には「雰囲気」「気持ち」などに使う言葉であって、実際の照度には用いないことになっています。
light upとlighten upの違い
基本的にはlight upがイルミネーションや照度的な意味で「ライトアップする、照らし出す」です。
一方のlighten upは「雰囲気を和やかにする、元気づける」といった意味になります。
I used a lamp to light up the room.
私は部屋を照らし出すためにランプを使った。
I used a lamp to lighten up the room.
私は部屋を和やかにするためにランプを使った。
I used a poster to light up the room.
(ポスターは光らないのでこれは変です。)
I used a poster to lighten up the room.
私は部屋を和やかにするためにポスターを使った。
He is too serious. He needs to lighten up.
彼は深刻すぎる。彼はもっと楽に構える必要がある。
He is too serious. He needs to light up.
彼は深刻すぎる。彼はタバコ(orマリファナ)を吸う必要がある。
light upはタバコに火をつけるみたいな意味もあるので、文脈で受け止め方が少し変わります。
日本語で考えた場合でも「気分を軽くする」「雰囲気を軽くする」と「気分を明るくする、雰囲気を明るくする」は、どっちでも似たような意味でかなり重複する部分が大きいです。これは英語で考えても同じことが当てはまります。