preserveとconserveはどちらも「保護する、保存する」などの意味があるため使い分けが少し難しいです。置き換えても文章としては成立しますがニュアンスが少し異なってきます。
もう1つのreserveについては「確保する、予約する」と思っても間違いないので、類義語ではあるものの明確に意味が異なる単語だといえます。
使い分けが難しいのでネイティブスピーカーに感覚をヒアリングしたうえで、比較の例文を作成し、その上で基本的な使い方、ニュアンスの違いをご紹介します。
preserveの使い方
発音は【prizə́ːrv】です。
まずpreserveは将来に渡って末永く使えるように保存する、保護することを意味します。長く使うため補強をしたり改修をしたり、感覚として私たちが何か「行動を起こすこと」を伴います。
例えば食べ物が痛まないように冷蔵庫に入れたり、瓶詰にするのもpreserveだといえます。
I kept the cookies in a box to preserve them.
私はクッキーを保存するための箱に入れておいた。
We need to preserve these artworks for future generations.
我々は次世代のためにこれらの芸術作品を保存する必要がある。
だいたいpreserveを使う場合には、私が何か特定の行動(補強する、冷蔵庫に入れるなど)を起こしているケースが多いです。
conserveの使い方
発音は動詞では【kənsə́ːrv】です。
何かの現状を保存する、保護することでは同じですが、conserveは傷つけたり悪影響を与えたりしないように私たちが「(無駄に)何かをしないこと、何かをやめること」のような感覚を伴います。
The city asked people to conserve water by not taking baths.
市は人々に入浴しないことで水を保存するようにと頼んだ。
市は入浴せずに水を節約するように頼んだという意味です。
She sat down so she could conserve her strength.
彼女は座っていたので体力を温存できた。
自然資源、エネルギー関係に使われるのはconserveのほうで、石油や天然ガスなどを無駄に使うのをやめて現状が痛まないようにしようという意味では「節約する」といった意味になります。
例外的な扱いになるのがパンなどに付けるジャム(jam)にすることに対してはconserveが使われています。これはちょっと特殊な使い方だといえます。
preserveとconserveの違い
preserveとconserveの意味は重なり合う部分もありますが、やはりニュアンスが異なります。
まとめるとpreserveが普通は保存・保護するために何らかの「行動すること」に関連するのに対して、conserveは大抵の場合、害を及ぼすような「行動をしない」といったことになります。
以下の「我々はこれからの世代のために自然地域を保護する必要がある」はどちらも日本語としては同じですが意味することが違うので確認してください。
We need to preserve natural areas for future generations.
preserveだと将来において自然地域の価値が下がらないように何かをする必要があるという意味です。植林をしたり、フェンスを作ったりです。
We need to conserve natural areas for future generations.
今、自然地域にダメージを与えたり使用したりすることをやめる必要があるという意味です。
reserveとの違い
reserveは使わずにとっておく、確保する、予約するのような意味になるので、ちょっと性質が異なる言葉です。「使うために確保する」という意味では通じるものがありますが、保護・保全するわけではありません。
それでも以下の3つの文章は成立します。
We preserved this building.
preserveだとちょっと古いビル・年季の入った建物などを末永く使えるように保護したの意味です。補強したり、何か手を打っています。
We are conserving this building.
conserveだと数百年単位の歴史建造物のように価値あるものを痛まないように保護していくといった意味になります。
We reserved this building.
建物を結婚式やパーティーなどで使うために、他の人にとられないように「確保した」の意味になります。reserveについては以下の項目にまとめています。
conservative
関連語としてconservativeは政治用語で「保守・保守派の人」を意味する言葉としてニュースにもよく登場します。反対の意味はliberal(リベラル・進歩主義)です。
古くからの歴史や伝統を重んじる考え方で、従来の価値観などを大切にする考え方です。ただ行き過ぎると新しいもの・考えを受け付けない頑固な側面が強くなり、愛国心が増し排他的になる傾向があります。
このような極端な保守思想は「ultra-conservative」といった形で表現されることがあります。
He is a hard-line conservative.
彼は強固な保守主義者だ。