日本人がイメージする細長いフライドポテトはアメリカ、カナダでは一般的には「French fry(フレンチフライ)」と表現されます。「fried potato(フライドポテト)」が間違いではなく、「揚げたイモ、炒めたイモ」ぐらいの意味しかないだけです。
ここでは「French fry(フレンチフライ)」の数え方や言葉としての使い方を中心に、英語でのfry(フライ)の使い方もあわせて整理しています。
この記事の目次!
英語でのfry(フライ)の意味
調理方法としてのfryは基本的には「oil(油)」を使った調理であり、その油の量は問題にしていないことになります。日本語だと「揚げる」から「炒める」までけっこう広い範囲を指します。
日本語で「フライ」といってしまうと揚げ物を想像しますが、英語では「炒める」の意味にもなります。また空を飛ぶフライは「fly」なので字が違います。
I fried the potatoes.
じゃがいもを炒めた。
Yakimeshi is called “fried rice” in English.
焼き飯は英語では「フライド・ライス」と呼ばれる。
stir-fryは強火でさっと炒めるような行為を指します。
I had stir-fried vegetables for dinner.
夕食に野菜を炒めた。
deep-fry(揚げる)
揚げる行為は「deep-fry」で表現できます。油に漬け込むようなものです。揚げられたものは「deep-fried ○○」となります。
これらすべてfryで表現しても問題ありませんが、細かく描写するならばdeep-fryやstir-fryを使ってみてください。
Kara-age is a Japanese style of deep-frying.
唐揚げは日本式の揚げものだ。
They sold deep-fried Oreos at the festival.
彼らはお祭りで、揚げたオレオを売った。
fry(名詞:フライ)
本題から外れますがfryを名詞で使うと「稚魚、小魚」といった意味にもなります。語源が違うので別の単語だと考えてもいいと思います。
He keeps the fry in a separate fish tank.
彼は別の水槽で稚魚を飼っている。
しかし、稚魚・小魚などを表すよりもsmall fryで「取るに足りない人、雑魚」みたいな意味で使われることが多いです。
He’s just a small fry.
彼はただの雑魚だ。
French fry(フレンチフライ)とは?
いわゆる日本でいう細長いジャガイモを揚げたもの、マクドナルドのセット商品でおなじみのフライドポテトは一般的には「French fry(フレンチフライ)」と呼ばれます。
大元は「French fried potatoes.(フレンチ・フライド・ポテト)」であり、それが1930年頃に省略して「French fry(フレンチフライ)」として広まっていき、さらに省略して状況が整えば「fry」だけでも通じると思います。
ただし、マクドナルドは自社の商品名を「French fry」とは言っておらず、アメリカでは「World Famous Fries」と名乗っています。どちらにしろ日本人がイメージする細長いフライドポテトは「French fry」「fry」で表現されています。
また単数形と複数形の考え方として「a fry」といえば、理屈としては細長い1本を指すことになります。以下は友達との会話です。
Can I have a fry?
ポテトを(1本)ちょうだい?
Can I have some of your fries?
Can I have some fries?
ポテトを(何本か)ちょうだい?
しかし、カジュアルな英語表現としては「a fry」でポテト1人前を指すケースもあります。マクドナルドで「a fry(ポテト1本だけ)」を注文することは状況的にありえないからです。
△ I ordered a small fry from McDonald’s.
(カジュアルな英語表現)
I ordered a small fries from McDonald’s.
(普通の英語表現)
I ordered an order of small fries from McDonald’s.
(厳密に書いた表現)
また「French fry」と書く時にFrenchを大文字にするか、小文字にするのかも、新聞社や通信社によってわかれています。
A seagull ate my French fry.
A seagull ate my french fry.
カモメが私のポテト(1本)を食べた。
French fry(フレンチフライ)の起源
なぜ「French fried potatoes.(フレンチ・フライド・ポテト)」と呼ばれるようになったのか諸説あり、海外サイトでも起源が話し合われています。
ベルギーとフランスがその起源を主張していますが、ベルギー由来だという説が有力です。ベルギーではフランス語が話されており、地理的に曖昧だったこともあって「フランス風のポテト」みたいな感じで広まった説があります。これを広めたのがアメリカ人です。
フライドポテトの歴史ーなぜフレンチフライと言うのか?(歴ログ 世界史専門ブログ)
Etymology of “French fries”(Stack Exchange)
ほかにも「French」には動詞で「細かく切る、薄く切る」みたいな意味もあって、こちらを起源とする説もありました。
イギリスではchipと呼ぶ
イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは、この細長いフレンチフライ(日本名:フライドポテト)をchip(チップ)と呼びます。
Can I have a chip?
英:ポテト(1本)をちょうだい?
I ordered a small chips.
英:ポテトのSを注文した。
ただし、イギリスのマクドナルドも自社の商品名は「McDonald’s Fries」と呼んでいます。
ニュージーランドのバーガーキングで、肉のかわりにポテトを挟んだ「Chip Butty sandwich(チップ・バティー・サンドウィッチ)」と呼ばれる商品が発売されネットでざわめきがありました。ライバルのウエンディーズがネタにしていました。
When literally anything would be better on a bun than their beef. https://t.co/YfTTrYrPDI
— Wendy’s (@Wendys) February 18, 2020
Chip Buttyと呼ばれる食べ物はフライドポテトを挟んだバーガーで、イギリス人のダンによればイングランド北部にはあるそうです。しかし、カナダ人のスティーブはChip Buttyを初めて聞いたといっているので、世界的に有名かどうかは不明です。
では日本人が言うポテトチップスをどう表現するのか? についてはイギリスでは「crisp(クリスプ)」と呼ばれます。
英語での「fried potato(フライドポテト)」とは?
英語で「fried potato」といえば、フライパンで炒める、揚げたような芋全般を指します。「fried potato(フライドポテト)」という表現がないわけではありません。
先に紹介したFrench fry(フレンチフライ)も、fried potato(フライドポテト)の中の種類の1つだと考えることができます。海外でマクドナルドのポテトをfried potatoと呼ぶのは、通じるかどうかは別として言葉の理屈としては間違いだとは言い切れないことになります。
I had fried potatoes and pancakes for breakfast.
フライドポテト(揚げたジャガイモ)とパンケーキを朝食に食べた。