aroundは前置詞または副詞なので、この言葉単独で使われるというよりも、他の動詞などと組み合わさって1つのイメージを作り上げています。
何かの周辺をぐるぐるするようなイメージで「~あたりに」や「およそ、約」といった訳になることが多いです。場合によっては繰り返すイメージにもつながっています。
ここではaroundの基本的な使い方をご紹介しています。動詞とaroundの組み合わせは無数にあるので、代表的なものと過去にStudyNowのニュースに登場したものを例文にまとめました。
この記事の目次!
aroundの意味と使い方
aroundのイメージとしてよく用いられるのが周辺をぐるぐるとしているような円のような感覚です。決して中心を指しているのではなく、その周囲・近くのことです。
お店の位置などに使えば「近くの場所で」を表し「~のあたりに、~のまわりに」といった使われ方をします。
Is there a gas station around here?
このあたりにガソリンスタンドはありますか?
I always panic when there’s a bee around me.
私はいつもまわりに蜂がいるとパニックになる。
There is a candy store around the corner.
キャンディー屋が角のあたりにあるよ。
また動作にaroundをつけることで、どこか特別な場所に向かっているわけではないと感じさせます。うろうろしたりぶらぶらしたりしているニュアンスです。
I like to drive around on Sundays.
私は日曜日にはぶらぶら運転するのが好きだ。
She was dancing around the house when her favorite song came on.
彼女は彼女の大好きな歌が流れたとき、家で踊り回っていた。
数値や時刻などに使えば「およそ、約」などピッタリではないけれど、それに近いといった意味になります。
There are around 130 million people in Japan.
日本にはおおよそ1億3000万人がいる。
I’ll meet you at around 3:00.
3時頃にあなたに会います。
数値としてのaroundとaboutの違いについては以下の記事にまとまっています。
現役で、稼働して、現存して
aroundには「活動して」「機能して」「現役で」といった意味もあります。
周辺のあちこちにあるということが、現役で稼働して使われているようなイメージになります。
I don’t see payphones around any more.
公衆電話はもはや現役では見ない。
Virtual reality has been around for a while.
バーチャルリアリティーはしばらくは現役だ。
ぐるりと囲むように
aroundの本来の意味に近いと思いますが、円を描くようにぐるっと囲むイメージで使われることもそれなりにあります。
I wrapped a string around the pole.
ポールにひもをぐるっと巻いた。
There is a red stripe around the ball.
赤いストライプがボールにぐるっとある。
赤いラインの入ったボールで、1周をしているようなイメージです。この場合のaroundは円のようなものをイメージさせます。
around the worldの意味
around the worldもよくみかける表現で「世界中で」「世界のあちこちで」といった意味になります。the worldをJapanやcountryに変えても「~中で、~のいたるところで」になります。
類似の表現も多くall over the worldやacross the worldなどでも同じ意味になります。
Tensions are high around the world after Trump was elected.
世界中でトランプの当選後に緊張感が高くなっている。
Michael Jackson’s presence in pop music could be felt around the world.
マイケル・ジャクソンのポップミュージックにおける存在感は世界中で感じることができた。
Airports around the world learned a lesson in security from the terrorist attack.
世界中の空港はテロ攻撃から、セキュリティーに関する教訓を学んだ。
世界各地か? 世界一周か?
厳密にいえばaroundには先に紹介したように「ぐるりと1周まわる」と「あちこちに、各地に」の意味があるのでaround the worldは2つの解釈が可能です。
I’ve traveled around the world.
(あちこち? 一周?)
つまり、単に世界各地を旅しているのか? または、日本から始まり世界を1周してまた日本に戻る丸いルートで旅しているのか? といった問題です。
この文章だけなら両方の解釈が可能です。
結局は文脈で判断する必要があり先の項目であげた「around the world」の例文はどれも「世界各地、世界のあちこち」の意味であって、1周という円の動きでは解釈が難しいです。
Airports around the world learned a lesson in security from the terrorist attack.
(1周ぐるっとの解釈では成立しにくい文章です)
get aroundの意味
get aroundは「動き回る」といった意味もありますが、「問題をうまく避ける」「(法律などを)回避する」といった意味でも使われます。
It is easy to get around Osaka.
大阪をあちこち移動するのは簡単だ。
特に「足で歩く」という意味限定ではなく、電車などの交通網が発達しているので電車やバスも含めて移動するのが簡単だという意味です。
「問題を回避する」といった意味では以下の例文のように使えます。
He got around paying the overweight charge for his luggage by putting clothes in his carry-on.
彼は旅行カバンの重量オーバーの追加料金の支払いを、衣服を手カバンに詰めることでうまく回避した。
辞書にはget aroundで「社交家だ、付き合いが広い」の意味も掲載されていますがちょっと使い方に注意が必要です。
She gets around.
(性的な意味を感じさせる)
「彼女は多くの人と肉体関係を持っている」と普通のネイティブスピーカーには読めてしまうようで付き合いが広いといえばそうですが、辞書に掲載されているような良い意味では使わない傾向があるので少し気をつけてください。
come aroundの意味
いろんな意味がある「come around」ですが、come(来る)とaround(周辺をぐるぐる)みたいなイメージの組み合わせで「意見を変える」といった使い方があります。
My mom won’t let me go to the party, but she might come around.
母親は私をパーティーにはいかせてくれないだろう。しかし、気が変わるかもしれない。
More people are coming around to the idea that face masks are good.
より多くの人々が、フェイスマスクは良い、というアイデアに意見を変えている。
ほかにも「近づく、訪れる」「起こる」「無意識から目覚める」などの意味があります。
I keeps snacks in the kitchen in case guests come around.
お客さんが来たときのために、キッチンに軽食を置いてある。
A grey squirrel often comes around the house.
灰色のリスがしばしば家に近づいてくる。
The Olympics come around every two years.
オリンピックは2年に1回ある。
Christmas only comes around once a year.
クリスマスは年に1回だけだ。
The doctor told me that my wife was coming around.
医者は、私の妻が意識を戻したといった。
When I came around, I saw a bandage on my leg.
意識をもどしたとき、足に包帯があるのが見えた。
keep around / have around
keep aroundやhave aroundだと、常に近くに置いておく、近くにある状態にしておくことを意味します。
I always have some extra flour around in case I want to bake a cake.
私はケーキを焼きたいときに備えて、いつも余分の小麦粉を手元に置いている。
I keep him around because he’s good at fixing things.
私は彼をそばに置いている、なぜなら彼はモノを修理するのがうまいからだ。
彼が修理が得意なので私は彼とは離婚しない、みたいな冗談を言っています。
lie aroundの意味
何もせずに近くにいる/ある、という表現です。人であれば出かけずにゴロゴロしているような状況、モノであればその辺に転がっているような状態を表します。
He just likes to lie around on weekends.
彼は週末には何もせずに近くにいるのが好きだ。
週末はどこかに出かけるよりも近くで過ごしたい、おそらく出かけずに家で過ごすといった状況です。
I had some extra clothes lying around, so I decided to sell them.
私はただそこにあるだけの余分な服を持っているので、それらを売ると決めた。
普段着ていない、ただその辺に転がっているだけの服を売ることにしたという意味です。
leave lying around
きちんと片付けないことで「出しっ放しにする」といった意味です。
She’s always leaving her clothes lying around.
彼女はいつも服を出しっ放しにしている。
Don’t leave your toys lying around! Someone might trip on them.
おもちゃを出しっぱなしにしないで! 誰かがそれにつまずくかもしれない。
around the clock
「一日中、24時間ぶっ通しで」を意味します。画像のようなイメージからです。
I worked on this song around the clock.
私は一日中、この歌にたずさわっていた。
She thinks about her future around the clock.
彼女は一日中、自分の将来について考えている。
time around
基本的にはあってもなくても同じでthis timeやnext timeの後ろにつきます。
ニュアンスとして何度も起こるようなことに対して強調する意味で使います。
I want to drive the car next time around.
= I want to drive the car next time.
(次の機会には車を運転したい)
We didn’t see the eclipse because it was cloudy this time around.
= We didn’t see the eclipse because it was cloudy.
(曇っていたせいで、今回は日食が見れなかった)
ともに1回きりのことではなく、何度となく起こることを示唆しています。
other way around
逆の方向、位置、状況にすることで「逆に、反対に」などを意味します。
I wanted to give her a present, not the other way around.
私は彼女にプレゼントをあげたかったが、その逆は望んでいなかった。
彼女が自分にプレゼントをくれるのを望んではいないという意味になります。
I think the sofa and TV should be the other way around.
私はソファーとテレビは逆にすべきだと思う。
ソファーとテレビの位置を変えたほうがいいという意味です。
other way roundの表現も可能で、意味は同じです。
He turned his desk the other way round.
彼は机を逆向きにした。