日本語の「敬意を表する」「敬意を払う」「讃える」「記念する」などは英語ではいくつか類似の表現があります。
敬意を払ったり、讃えたりする行為でも故人、亡くなった人ならば「追悼する」といった訳にもなります。
イベントや式典を開催するのか、日常生活の範囲内で敬意を払うのかなど、状況によって表現を選んでもいいかもしれません。ひととおり例文にまとめています。
この記事の目次!
in memory ofの使い方
in memory ofは通常は「亡くなった人、故人」に対しての敬意などを表す表現です。「~を追悼して」と考えてもいいと思います。
They held a concert in memory of the victims of the plane crash.
彼らは飛行機の墜落の犠牲者に追悼の意を表してコンサートを行った。
This movie was made in memory of the soldiers of World War II.
この映画は第二次大戦の兵士達に敬意を表して製作された。
これはカタカナになっている「メモリアル」にもいえることですが、英語のmemorialが記念よりも追悼の意味で使われやすい点には注意が必要です。
これいについては以下の「メモリアル」のページにまとめています。
in honor ofの使い方
in honor ofは一般的な敬意、尊敬の念を表しますが、生きている人と亡くなった人の両方に使えます。
They held a concert in honor of the victims of the plane crash.
彼らは飛行機の墜落の犠牲者に追悼の意を表してコンサートを行った。
This movie was made in honor of the soldiers of World War II.
この映画は第二次大戦の兵士達に敬意を表して製作された。
to honorでも同じ内容を意味することが可能です。
They held a concert to honor the victims of the plane crash.
This movie was made to honor the soldiers of World War II.
(先の例文と同じ意味です)
in memory of が生きている人に使えない点だけご注意ください。
以下は「天皇陛下は最近のノーベル賞受賞者たちに敬意を表して晩餐会を行った」ですが「受賞者が生きている前提」ならば最後だけ使えません。
The emperor of Japan held a dinner to honor the recent Nobel Prize winners.
= The emperor of Japan held a dinner in honor of the recent Nobel Prize winners.
× The emperor of Japan held a dinner in memory of the recent Nobel Prize winners.
(受賞者が生きているならばおかしい)
to honorとin honor ofは少しだけ使い方に差が出たり、honorをそのまま動詞で使うことも可能です。
詳しくは以下のhonorの解説ページにまとめています。
out of respect forの使い方
これも「~に敬意を表して」の意味ですが、まだ行われていないイベントに対して使われることが多いです。その場合は「~に配慮して」といった訳になります。
The concert was cancelled out of respect for the victims of the plane crash.
コンサートは墜落事故の犠牲者に配慮してキャンセルされた。
I decided not to criticize France out of respect for their recent tragedy.
最近の悲劇的なことに配慮して、私はフランスを批判するのをやめることを決めた。
それ以外にも普通に「敬意を表して、尊敬して、配慮して」としても使えます。
The staff bowed out of respect for their boss.
スタッフは敬意を表してボスにおじぎをした。
この「out of」は「~からの、~の理由で」といった使い方で他の言葉にも組み合わさります。
commemorate / celebrateの違い
どちらも「祝う、祝賀する、記念する」の意味でおめでたいことに使えます。
しかしcommemorateは戦争のような、おめでたくないことにも使えます。その場合は「追悼する、偲ぶ」といった訳があいます。
これはボストンの博物館が真珠湾攻撃の75周年記念の時のニュースに登場しましたが、別に博物館も「祝ってる」わけではないと思います。
一方のcelebrateはおめでたいことに使います。
The event commemorated the 10th anniversary of his death.
そのイベントは彼の死の10回忌を偲んだ。
The event commemorated the 10th anniversary of their wedding.
そのイベントは彼らの結婚10周年を祝った。
The event celebrated the 10th anniversary of their wedding.
そのイベントは彼らの結婚10周年を祝った。
× The event celebrated the 10th anniversary of his death.
(これはおかしいです)
「anniversary(アニヴァーサリー)」もカタカナでよく聞かれますが「記念日、~周年」の意味しかないので、おめでたいこと、そうでないこと両方に使えます。
また「It’s my anniversary. 」のように文脈なしで単体でいった場合には、それは「結婚記念日」を指します。
salute
元々は軍人や新日本プロレスの永田裕志がやる「敬礼」などのことで、相手に敬意を表すことを意味します。上の写真はノリが軽いですが…。
I salute your effort, but I think your plan won’t work.
あなたの努力には敬意を表するが、あなたの計画はうまくいかないだろう。
Great job, I salute you sir!
*いい仕事だ。あなたに敬意を表する。
下の言葉はちょっと時代遅れな感じがするので、言えばちょっとおかしな感じ、ジョークっぽく聞こえます。
スーパーボウルのハーフタイムのパフォーマンスでビヨンセが、特殊な「ブラックパワーサリュート」をやって物議をかもした事件がありました。
markを使う
mark(マーク)にも祝う・記念するといった使い方があります。
We marked our 50th wedding anniversary with a party.
私たちはパーティーで結婚50周年記念を祝った。
これについてはmarkの詳しい説明のページがあるので、そちらでまとめています。