2016スーパーボウルのビヨンセの政治的パフォーマンス

ビヨンセ
 

公開日: 最終更新日:2019.12.7

「スーパーボウル」のハーフタイムショーでビヨンセが明らかに政治的なメッセージ、黒人差別に反対するメッセージを盛り込んで物議をかもしていました。

「スーパーボウル」は毎月2月の上旬に行われる、アメリカンフットボールNFLの2つのリーグの優勝者同士が対決するアメリカ最大のスポーツイベントです。

今年はイギリスのロックバンドColdplayがメインのような感じでしたが、コラボレーションしたビヨンセが話題をさらっていった形になったのでしょうか。Coldplayも政治的な主張をたびたびすることで知られています。

ビヨンセの今回のパフォーマンスは、準備の段階から新曲を前日にリリースしたりと、逆にいえばこのイベントの注目度の高さの裏返しだともいえます。

Youtubeの動画は埋め込みが無理だったのですがYoutubeに行けば見ることができます。

Black Panther Party(ブラックパンサー党)

ブラックパンサー党、黒豹党は1960年代から70年代にかけて存在した黒人民族主義運動・黒人解放闘争の政治組織です。

武装蜂起を呼びかけたり、攻撃的な黒人解放指導者マルコムXの思想を受け継いだりと、バイオレンスな集団でもありました。

この組織のトレードマークにもなっているのが黒の帽子です。ビヨンセのバックダンサーをみると同じく黒の帽子をかぶっています。

Wikipedia:ブラックパンサー党

Malcolm X(マルコムX)

黒人解放指導者としては「I Have a Dream」で知られるキング牧師ことマーティン・ルーサー・キング・ジュニアが有名です。

黒人差別に反対して正当な権利を求めたアメリカの公民権運動において、キング牧師が非暴力的な指導者であったのに対して、攻撃的な黒人解放指導者として知られたのがマルコムXです。

ビヨンセのパフォーマンスの中で、バックダンサーの位置関係が大きく「X」を描く場面があります。

Wikipedia:マルコムX

black power salute

black powerは黒人差別に反対するスローガンのようなものです。saluteは軍人などがやる敬礼のことです。

ブラックパワー・サリュートは拳を高く掲げ黒人差別に抗議する行為をさします。

最も有名なものが1968年のメキシコオリンピック、200メートル表彰台の事件で行われたものです。

2人の選手がシューズを履かず黒いソックスを履いてメダルを受け取っていますが、この際に表彰台で黒の手袋をはめブラックパワー・サリュートを行っています。

オリンピックは政治的な主張を禁じているため、二人はオリンピックの舞台から追放されています。

ビヨンセも一瞬ですが、このブラックパワー・サリュートを行っています。

Wikipedia:ブラックパワーサリュート

bandolier

弾帯とよばれるもので、よくシルベスター・スタローン演じるランボーなどが体に巻きつけている、弾丸を帯状に束ねたものです。

これは政治的な意図があるかは微妙ですが、同じくスーパーボウルでパフォーマンスを行ったときのマイケル・ジャクソンへのオマージュだと思います。

Formation

ビヨンセがこのスーパーボウルのイベントの1日前に新曲をリリースしましたが、そのプロモーションビデオが黒人差別に反対する内容になっています。

明らかにタイミングを狙って新曲をリリースしたのでしょう。

この中でハリケーン・カトリーナがもたらした災害で、ニューオリンズの黒人が住む地域に助けがこなかったり、復旧されなかったりといった部分に抗議しています。(発生当時はブッシュ政権)

プロモーションビデオはハリケーンだけでなく、見たらすぐにわかるように差別問題がさまざまな形でちりばめられています。その中の一場面が沈み行くパトカーです。

彼女の夫、ジェイ・Zもスーパーボウルの前に、黒人活動団体に多額の寄付を行って話題になりました。

新曲「Formation」

スーパーボウルのハーフタイムショー

毎年、多くの人が観戦するイベントで、2016年もテレビ番組史上3位の1億1190万人を記録しています。

30秒のCMが6億円ほどになるそうで、企業もスーパーボウル用の製品CMを作るなど、巨額のお金が動くイベントにもなっています。もちろんチケットも入手困難で高値で取引が行われます。

ハーフタイムのショーや試合前の国歌斉唱に有名人が起用されることでも知られています。

もともとは視聴率が下がるハーフタイム中への対策としてマイケル・ジャクソンに出演を依頼したことがきっかけになっているそうです。

今ではハーフタイムショーも試合の休憩中のつなぎといったものではなく、ショーそのものも含めて1つの大きなイベントになっているといってもいいでしょう。

出演者にギャラは出ないそうですが、無償であってもアーティストにとっては出る価値のあるイベントとなっています。

過去にはマイケル・ジャクソン、ポール・マッカートニー、ローリング・ストーンズ、マドンナ、レディー・ガガ、エアロスミスなどが出演しています。

今年の国歌斉唱はレディー・ガガがつとめています。

ColdplayとBruno Mars

ビヨンセは、かつてはガールズグループ「デスティニーズ・チャイルド」のメンバーの一人として活躍していましたが、現在の知名度としてはビヨンセ単独でも高くグラミー賞はじめ数々の賞を受賞する伝説的なディーバです。

もう母親になっていますが、圧巻のパフォーマンスは健在ですね。

2016年はColdplayとBruno Marsそれにビヨンセの3人がメインだったという話です。アメリカ出身の歌手Bruno Mars(ブルーノ・マーズ)もかっこいいですよね。

最後にコールドプレイのボーカル、クリス・マーティンがビヨンセ、ブルーノ・マーズに合流しています。

この3人の共演もスーパーボウルならではでしょう。



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