ニューヨークにおける大統領に向けた予備選挙の集会の中で、ドナルド・トランプ氏が911のワールドトレードセンターへのテロ攻撃を、うっかり「セブンイレブン」といってしまう出来事がありました。
一瞬ですが確かにセブンイレブンといっています。
文字の書き起こし
アプリ内で配信したニュースには該当部分が文字で書き起こされているので引用します。
During a rally in New York for the state’s primary election, front-runner Donald Trump raised eyebrows by accidentally referring to the September 11th or “9-11” terrorist attacks as the popular convenience store “7-11.”
(ニューヨークにおける州の予備選挙の集会の中で、トップを走るドナルド・トランプ氏は9月11日、911のテロ攻撃について触れた際に、うっかりと有名コンビニエンスストアの「セブンイレブン」といってしまい人々をびっくりさせた)
He said, “It’s very close to my heart because I was down there, and I watched our police and our firemen down at 7/11, down at the World Trade Center right after it came down.”
(彼は「それは私の心にも身近なものだった。なぜなら私はそこにいたし、私は警察官や消防士がセブンイレブンにいるのを見ていた。私は崩れ落ちた直後にワールドトレードセンターにいた」と言った)
上にトランプ氏の演説を書き起こしていますが「down」がやたら使われているのが、アメリカ英語の特徴です。
down at = at
トランプ氏のセリフの中で何度か「down」が登場しますが、これはアメリカ英語、アメリカ人の会話表現で特に見られる傾向で、downがなくても意味は同じです。
I’m down at the mall with my friend.
(私は友達とショッピングモールにいる)
Whenever I’m down at the convenience store I buy a lottery ticket.
(コンビニにいる時はいつも宝くじを買う)
I was down at my friend’s house when it started to rain.
(雨が降り始めた時、私は友達の家にいた)
最初の部分「I was down there」もthereやhereの前に前置詞のatはついていませんが、使い方としては同じです。
あってもなくても一緒の「down」です。
I was there.
= I was down there.
セリフの最後のit came downだけは、come downで「破壊される、倒壊する」の意味なので使い方が違います。
ドナルド・トランプの英語の特徴
カナダ人のスティーブは動画について、ドナルド・トランプは自然体で話していると言っていました。
決して良い意味ではなく「いきあたりばったり」な感じが出ているそうです。
普通、政治家の演説はスピーチ・ライターのような人が言葉を選んで原稿を書きますが、トランプ氏はおそらくそれをやっていないように見えます。
だから口語表現のカジュアルなdownが頻発するし、演説を文字に起こした時にちゃんとしたセンテンス、文章になっていないので、コンマが多く入ることになります。
原稿を用意していないのでセブンイレブンのような言い間違いや、失言も多くなってしまいます。
スティーブにドナルド・トランプの話し方そのものについて見解を聞かせてもらうと、頻繁に単語、単語でしゃべる、しかも主語が抜けるので、シンプルな反面、曖昧で解釈の幅が広くとれるそうです。
また彼の話し方の特徴として最後を単語で終わらせるブロークンなスタイルが目立つそうです。
「なんとかなんとかなんとか、Sad!」や「なんとかなんとかなんとか、Great!」など単語をボンと置いて終わらせます。
また「ミスターアベ!ナイスガイ!グレート!サンキュー」など、これに近い、センテンスになっていない話し方をけっこうするそうです。
今となってはそれも魅力につながっているのかもしれません。