カタカナのホッチキスは英語では「stapler(ステイプラー)」と呼ばれています。stapleが動詞で「ホチキスでとめる」または「ホチキスの針」を指しています。
それとはまったく異なる語源でstapleには「ある地域における基本となる食品・食料」といった意味で、「米」や「小麦」のような主食を指して使われるケースがあります。2つの言葉に関連はないので、別の言葉だと思ったほうがよさそうです。両方の使い方を例文にまとめています。
stapler(ステイプラー / ホッチキス)
日本語のホッチキスはstapler(ステイプラー)と呼ばれます。日本で明治の頃にはじめて輸入されたステイプラーがE.H.ホッチキス社のものだったことから「ホッチキス」の名前が日本では定着したそうです。
I used a stapler to attach the papers.
紙をとめるのにホッチキスを使った。
Can I borrow a stapler?
ホッチキスを借りれますか?
She swooped in and took my stapler from the desk.
彼女は急に来て、机から私のホッチキスをとった。
staple(動詞・名詞)
stapleは名詞で「ホッチキスの針」、動詞で「ホッチキスでとめる」の意味があります。
ホッチキスの針は普通は1本が束になって50本ぐらいの1つの塊になっており、その塊が20個ぐらい入った1箱(1000本入り)などで売っています。この1本が「a staple」です。
I stapled the papers together.
紙をホッチキスでとめた。
There are two staples in the paper.
紙に2つ、ホッチキスの針がある。
There are no staples in this stapler.
このホッチキスに針はない。
staple(食糧・食物・主食)
stapleは「ホッチキス」とはまったく違う「ある地域における基本となる食品、素材、製品」の意味があります。ホッチキスの針のstapleとは語源が違うので、たまたま同じになった別々の単語だと思ったほうがよさそうです。
このstapleはある地域における基本となるもので、食べ物の場合は基礎・土台となる「主食」と考えてもいいと思います。
Rice is a staple of Asia.
米はアジアの主食だ。
The country’s staple foods include beans and wheat.
その国の主食には豆と小麦が含まれている。
IT is a staple of the city’s economy.
ITはその街の経済の主要要素だ。
翻訳としてはstapleは「主要な」あるいは「主要な品物、主要なもの」と考えてもいいかもしれません。
実際のニュースでのstapleの使い方
実際のニュースでのstapleの「主食、主要な」の意味での使われ方です。
茨城県を地盤とする食品スーパーが、軽トラックで魚や肉などの生鮮食品、牛乳やパンなど購買頻度の高い生活必需品650品目を移動販売するサービスをはじめたニュースからです。
The light trucks carry some 650 items, including cooking staples, fresh produce, and meal boxes, making multiple stops around the cities.
軽トラックが、主要食材や新鮮な農産物、弁当を含む650品を運び、街中で複数の停車をする。
cooking stapleは「料理用の主要なもの、料理の主要な材料」で、例えば味噌や醤油などの料理の基本となるような主要食材です。
これが「staple food」だと加工されていない小麦(wheat)のようなものまで含まれてくるので、cooking stapleとすることで料理の必需品だとわかります。