カタカナでも定着している「diet(ダイエット)」は、英語では「食事/食生活」が本来の意味にあります。カタカナの「体重を減らすこと全般」とはちょっと違う部分があります。
ここではダイエットに関する英語表現、関連表現などをまとめてみました。国会の意味もありますが、軽く触れています。
アプリ内のニュースでもさまざまなダイエット、食に関連する表現が登場しています。
この記事の目次
食生活、食習慣
英語とカタカナで最も大きな差があるのは、英単語のdietには「日常的に食べるもの、食生活、食習慣」としての意味があることです。むしろこの「食事」の意味がメインになっているため、次の項目で書きますが日本語のダイエットと少し感覚が違います。
A panda’s diet is mostly bamboo.
パンダの日常食は主に笹だ。
日常的に食べるものなので、特に内容は問いませんので以下の様な文章も成立します。
My diet includes potato chips and candy.
私の食生活にはポテトチップスとキャンディーを含んでいるよ。
この意味を知らないと混乱する要素のある単語です。
痩せるダイエット
体重を減らすダイエット中であることは「on a diet」で表現できます。そもそも英語のdietには「食事」の意味があるので、英語でのdietは「食事をコントロールすること」を意味しています。
体重を減らす(lose weight)の場合には「食事をコントロールする(diet)」と「運動すること(exercise)」の2つが考えられます。
英語の「on a diet」は食事を制限、コントロールすることを意味しています。
しかし、日本語では「運動する」と「食事を制限する」の2つの意味をまとめて「ダイエットする」になってしまっている点で少し混同しやすい部分です。
I’m on a diet.
ダイエット中です。
ダイエットすること、取り組むことは「go on a diet」などで表せます。
You should go on a diet.
キミはダイエットすべきだよ。
ダイエットをやめることは「give up on a diet」「quit a diet」などです。
I gave up on a diet.
ダイエットをやめた。
ダイエット中に食べてしまうことは「cheat(ごまかす、だます)」などが使えます。
He cheated on his diet.
彼はダイエット中に食べてはいけないものを食べてしまった。
糖質制限ダイエット
記事を書いている時に話題になった流行りの「糖質制限」のダイエットは英語では「Atkins diet」とも呼ばれています。
アメリカ人医師のロバート・アトキンス氏に由来するようです。
low-carbohydrate dietとも呼ばれています。
日本人のヘルシーの使い方について
アプリ内でミスタードーナツの新商品「健康ドーナツシリーズ」の発売を取り上げたことがあります。
ネーミングとしては「オイルカットドーナツ」で、従来のドーナツより40%の脂質が少ないことが特徴です。
しかし、日本語から英語に翻訳したときに「健康ドーナツ」が「healthier donuts」と比較級にされました。
healthy donuts(ヘルシードーナツ)ではダメなのかと確認しましたが、結論としては事実にそぐわなくて、今回のドーナツも従来より脂質が少ないですが、身体に健康になるかといえば違います。
脂質が少ないことで身体へのダメージを軽減している、まだマシだ、と考えることはできますが、健康に貢献しているとは言い難いです。
したがって従来のドーナツよりもhealthier(比較級)であるといえますが、健康そのもの(healthy/ヘルシー)であるかといえば、それは間違いです。
このあたりは日本でも薬事法などにより表現が細かく規制されて、効果効能についてはどこまで断言できるかなど、デリケートな問題です。
英語でも状況は同じで、海外でこのドーナツをhealthyといってしまうとおそらく問題になるだろうという見解です。
ダイエットコークはヘルシーといえるか?
ダイエットコークなどにも同じことがいえます。
Diet Coke is healthier than regular Coke.
ダイエットコークは普通のコーラよりは健康的だ。
この書き方は事実なのでOKです。しかし、ダイエットコークは決してhealthy(ヘルシー)ではありません。まだマシなだけです。
Diet Coke is not healthy.
ダイエットコークはヘルシーではない。
特保コーラはヘルシーといえるか?
最近、コカ・コーラから特定保健用食品(トクホ)のコーラ『Coca-Cola Plus』が発売されていました。世界に先駆けて日本で最初に発売されるみたいです。
特定保健用食品(トクホ)とは消費者庁長官の許可を受けており、保健の効果を表示することができる食品のことです。
これはhealthyといってもいいのでないかという話ですが、これもニュースなどではhealth-oriented Coke(健康指向の、健康を重視する)といった微妙な言い回しになっています。
healthyと断言して書いてしまうと、健康になるのだと思って飲む人が実際にいるので、各ニュースサイトが慎重になっているのがわかります。
そこで表現をぼかしたりする行為は日本語、英語でも共通して存在しています。
オイルカットってどうよ?
今回のシリーズは「オイルカットドーナツ」とカタカナで表現されていますが、スティーブにいわせると、これも意味がはっきりしないそうです。
通常の油ではなく、例えば脂質が低いサラダ油などでドーナツを揚げても、サラダ油も「oil」なので、これだとオイルカットになりません。
公式ページに小さく注意書きで「※オイルとは栄養成分中の脂質を指します。手づくりですので、多少の誤差があります。」とあります。
この場合、脂質を指しているならばそれはfat(脂質)であり、ニュースにあるようにlow-fat donutsと表現はできますが、オイルカットとは英語では表現しません。
dietary(形容詞)
dietary(ダイエタリー)という単語も存在しており形容詞で「食の、食物の、規定食の、食事療法の」などの意味があります。
辞書には名詞の意味もありますが、あまり名詞では使いません。
Many religions have strict dietary rules.
多くの宗教は厳格な食のルールがある。
He takes dietary supplements because he is too busy to eat regularly.
彼は食のサプリメントをとった。なぜなら忙しすぎて定期的に食べることができないからだ。
diet(国会)
dietには「国会」の意味もありますが、これはラテン語の「1日の仕事」に由来しており、全く関連性のない単語がたまたま同じスペルになっただけです。
国会議員なども「Diet member」などと表現されることがあります。日本の国会は「National Diet」です。
しかし国会の名称は国によってバラバラで、多くは上院、下院の二院制を採用しており、日本では衆議院が上院、参議院が下院にあたります。
国によっては上院を選挙では選ばないところもあるようです。
国をまたいで話す場合にはUpper House(上院)やLower House(下院)の言い方が伝わりやすいかもしれません。