scoop(スクープ)といえば週刊誌やワイドショーが報じる、今まで明らかにされてなかった事実が思い浮かびますが、英語でもその意味・使い方はあります。
それ以外にも英語ではアイスクリーム店にある丸い形のスプーンを指してスクープと呼び、そこから「すくう、すくいあげる」といった意味の動詞にもなっています。
ここではscoop(スクープ)の使い方を整理しています。歴史的には「すくう、すくいあげる」の意味のほうが古い使い方です。
scoopの意味と使い方
名詞で道具としての「scoop」とはスプーン(spoon)やシャベル・ショベル(shovel)のような道具ですが、より丸くて深いものを指します。
まさにアイスクリーム屋にある丸みのあるスプーンで、もともとの語源は溢れる水をかきだす道具またはその行為を指していたそうです。
私たちになじみのある「スコップ」はオランダ語のschopからだそうで、おそらく語源は同じだと思いますが由来となる言語が違います。
過去形・過去分詞はそのまま「scooped」です。スナイパーが覗き込むのは「scope【skóup】」なので字が違います。
scoop【skúːp】スクープ
scope【skóup】スコープ・視野
He used a measuring scoop to put the flour into the bowl.
彼は小麦粉をボウルに入れるために計量スプーンを使った。
The construction workers attached a scoop to the excavator.
建設作業員がスクープを掘削機に取り付けた。
excavator(掘削機)は広い意味で穴を掘る機械ですが、先端部分を付け替えれば土を掘りだしたりする用途に使えます。先端を工業用のscoopにつけかえると、まさに私たちがイメージするショベルカーです。
ひとすくい、ひとすくい分
何かをスクープですくった量のことで、名詞で「ひとすくい、ひとすくい分」です。
I got an ice cream cone with a scoop of chocolate and a scoop of vanilla.
チョコとバニラのひとすくいずつが入ったコーンのアイスを買った。
He put a scoop of croutons on his salad.
彼はサラダにクルトンをひとすくい乗せた。
動詞:scoop up(すくう、すくいあげる)
動詞では何かを「すくう、すくいあげる」ことを指します。まるでスクープですくったようなイメージですが、実際にスクープを使わなくても構いません。
また動詞で使う場合には「scoop up」のように「up」をつけるのが一般的です。scoopだけでも「すくう、すくいあげる」の意味はありますが、upをつけたほうが自然だという意見です。
He scooped up some raisins and put them on his cereal.
彼はレーズンをすくって、シリアルに乗せた。
上の例文だとたぶん実際のスクープを使ったと受け止められます。
I have to scoop up the kids after school.
放課後に子供たちをひろいにいかないといけない。
She scooped up her daughter and ran out of the room.
彼女は娘をすくいあげて部屋から走り出た。
自分の腕を使って娘を抱きかかえて走り出たような状況です。
「scoop up」の「up」は上方向への動作をイメージさせますが、少し例外的に、まれに横方向にすくったりすることもあると思うので、その場合はupではない可能性もあります。
I reached into the hole in the wall and scooped out the toy.
私は壁の穴から、おもちゃを取り出した。
壁にあいている横方向の穴からおもちゃを取り出した場合は上方向への動きがないので「scoop out」のような表現になる可能性があります。
日本語の「すくう、すくいあげる」との違い
日本語の「すくう、すくいあげる」は埋もれているものを拾い上げるイメージから「助ける」といったニュアンスが入る時がありますが、英語では単にスクープを使って拾い上げたような意味しかないので、日本語の感覚で使うと変になります。
In the meeting she scooped up my opinion.
(こういう使い方が変です)
「会議の中で彼女は私の意見をすくいあげた」みたいな使い方が英語では成立しにくいという話です。
辞書には「他人より早く手に入れる」みたいな意味がありますが、これはすくいあげるイメージからです。
I wanted to buy that toy for Christmas but everyone scooped it up already.
クリスマス用のおもちゃを買いたかったが、みんながすでにひろいあげていってしまった。
このイメージは最後の週刊誌などのスクープにつながっています。
(週刊誌などの)スクープ
週刊誌やワイドショーなどで報じられるスクープはカタカナでもよく知られていますが名詞で、事件に関する第一報のことです。exclusiveとも呼ばれます。
1870年代以降にこの意味で使われ始めた記録が残っており、業界のスラングとして「競争相手を出し抜く」のように使われたそうです。
おそらく先に紹介した「すくいあげる、ひろいあげる」みたいな意味からだと思われますが、はっきりしたことは不明です。
動詞と名詞の両方で使うことができます。
Hilde Lysiak got the scoop on the murder in her town.
ヒルデ・リシアックは町の殺人事件のスクープを手に入れた。
I have a scoop for you.
とっておきの情報があるんだ。
「スクープを手にする、知らせる」として動詞でも使えます。
CNN scooped us on the Donald Trump story.
CNNはドナルド・トランプのスクープを報じた。