英語のrouteはカタカナの「ルート」と同じ意味で「道、道筋、経路」といった使われ方をします。日常の言葉としてはやや堅苦しい、フォーマルな響きがあります。
wayがよく日常会話で使われますが、wayのほうが意味が広いため「道筋」のほかにも「手段」を指せてしまうため、場合によってはrouteを使ったほうがはっきりします。
また実際に道路・通路ではなく仕事のキャリアなどに対しての道筋といった使い方も可能です。木の根っこのrootは同音異義語になります。このあたりの使い方をまとめてみました。
routeの意味と使い方
カタカナのルートと同じ意味で、何かがそこに沿って進んでいく通り道で「道、道筋、経路、ルート」といった意味です。pathと似たような意味です。
木の根っこや数学のルートの「root」とは同音異義語になります。アメリカでは主流ではないものの【ráut】のケースも一部でありこの場合はラウトに近くなります。
route / root【rúːt】
He had to take an alternate route to work.
彼は職場に行くための替わりとなるルートを取らなければならなかった。
The software finds the cheapest routes when traveling.
そのソフトウェアは旅行の際のもっとも安価なルートを見つけてくれる。
アメリカのRoute
アメリカでかつては国道を指して使われていた時代があり特に「Route 66(国道66号線)」が有名です。
シカゴとサンタモニカの東西を結ぶ全長3,755kmの旧国道にあたり現在は廃線になっていますが、ポップカルチャーにおける象徴として触れられることが多いです。
ディズニーの映画『カーズ』の舞台になっていたり、脱出もののテレビドラマ『プリズン・ブレイク』でも東西に突き抜ける道という意味で比喩的に登場しています。
アメリカをテーマにしたバーなどに行くとRoute 66の看板もよく見かけます。
国道66号線_(アメリカ合衆国)(Wikipedia)
wayとrouteの違い
routeは実際にそこに沿って進んでいくような物理的な道路ではなく比喩的な意味で使うことも可能です。
この使い方はwayのほうがよく知られていますが、例えばキャリアをのぼりつめていく「道」のような比喩的な意味もrouteで表せます。
ただwayとrouteの違いとしてはwayは動詞と一緒に使うこと(way to getなど)が可能ですが、routeはその使い方をあまりしません。以下の例文で確認してください。
○ There are many ways to a good career.
良いキャリアへの多くの道がある。
△ There are many routes to a good career.
(可能ですがより一般的ではなくなります)
○ There are many ways to get a good career.
良いキャリアを手に入れるための多くの道がある。
▲ There are many routes to get a good career.
(間違いとまで断定できないけれど変です)
△ There are many routes to getting a good career.
(可能ですがより一般的ではなくなります)
△ There are many ways to getting a good career.
(可能ですがさらに一般的ではなくなります)
wayとrouteのニュアンスの違い
routeのほうがよりフォーマルな響きがありますが、wayは意味が広いためにrouteを使う方が意味が具体的でわかりやすいケースもあります。
これは「way」には実際の道路・道順の意味と、手段の意味があるためです。
wayを使ってどこかへ移動する道・道路であることをより明確に表現するためには「way to get to」を使うこともできます。
以下は「マクドナルドへの新しい道を見つけた」を意味する例文です。ニュアンスの違いを見ていきます。
I found a new route to McDonald’s.
上の例文は少しフォーマルな雰囲気ですが、よりダイレクトに道路のことだと伝わります。
I found a new way to McDonald’s.
(交通手段を見つけたようにも感じる)
可能な表現ですが、少し意味があいまいです。バスや自転車などマクドナルドへ向かうための交通手段を描写しているようにも思われます。
I found a new way to get to McDonald’s.
可能な表現です。言葉が長いですが、より意味が分かりやすいです。100%の断言とまではいきませんがget toとあるのでお店への行き方、道路を指しています。おそらくこれがもっともよく使われている表現です。
例文で比較
もう1つの例文「電車の駅までのベストな道は何ですか?」でもニュアンスの違いを確認してください。
What is the best route to the train station?
フォーマルでダイレクトに伝わります。この場合は道路・道順を指しています。
What is the best way to the train station?
可能な表現ですが、意味がはっきりしません。行くまでの手段(バスを使う、船を使うなど)を聞いているようにも見えます。
What is the best way to get to the train station?
可能な表現ですが、言葉が長いです。しかしもっともよく使われています。これもほぼ道路・道順を指しています。
detour(迂回する、回り道)
関連用語としてdetourは「遠回りする、迂回する」などの意味で以下のように使います。名詞では「迂回路、回り道」です。
detour【díːtuər】
She detoured to avoid an ex-boyfriend.
彼女は元カレを避けるために遠回りした。
We had to take a detour because there was an accident on the highway.
高速道路で事故があったため、我々は迂回しなければならなかった。