TOEICや受験などでもよく出題されますがroom(ルーム)には一般的な部屋と、余地・機会などの意味があります。
この違いは有名すぎる感じもしますが、いちおう例文を用意してみました。大半は部屋なのか? 余地なのか? は文脈で判断できるものだとは思います。
room(可算名詞)
1つ、2つと数えて複数形になるのは一般的な「部屋」の意味です。ごく普通の使い方で、当然のように部屋が2つあればroomsと複数形になります。
They went into another room for a private talk.
彼らはプライベートな話のために別の部屋に入った。
We decorated the room for the birthday party.
私たちは誕生日パーティーのために部屋を飾った。
There are five rooms in my house.
うちには5つの部屋がある。
room(不可算名詞)
数えられない名詞の場合は「機会、余地、可能性」になります。spaceと言い換えることができます。
I moved the couch so there would be more room to move.
=I moved the couch so there would be more space to move.
長椅子を移動させたので、より動ける余地ができた。
Can you move over? I need more room.
=Can you move over? I need more space.
つめてもらえますか? 空間が必要なので。
There is a lot of room in my house.
私の家には多くの余地(空いている空間)がある。
特に最後の例文など部屋を指しているならばroomsと複数形になるはずですが、なっていないので不可算名詞の「余地、空間」の意味で使われていることになります。
make room
「場所を作る、席を譲る、道を開ける」などの意味で使われ、これは「make space」よりもよく使われる言葉です。どちらも間違いではありません。
◎ Make room for your bother on the bench.
ベンチにあなたの兄弟のための場所を作って。
○ Make space for your brother on the bench.
またroomは物理的、空間的なものだけでなく、時間的なものや比喩表現に近いものでも使えます。
I can’t study any more today, there’s no more room in my brain.
今日はこれ以上は勉強できない。もう脳の中に場所がない。
Between work and his family, he doesn’t have any room in his life for a hobby.
仕事と家族の間で、彼の生活には趣味のための余地がない。
新幹線の喫煙スペースにて
たまたま新幹線の喫煙ルームに「部屋」の意味と「スペース・余地」の意味が同時に使われている張り紙がありました。
上の文章が「ドアを閉めて”部屋”をお使いください」で下の文章が「タバコを吸うのを待っている乗客のために”空間”を作ってね」といった意味です。
新幹線の喫煙ルームは3人ぐらいしか入れませんが、ポジショニングが悪いと2人でも狭いです。
上の文章は加算名詞なので「the」などがいるのでは? と気になったのでスティーブに確認してみると、この場合は「張り紙」なのでどちらでもOKだそうです。
映画や歌のタイトル、ニュースの見出しなども同じですが、ポスターや張り紙もわかりやすいメッセージにするため省略はよく行われることです。
LDKの表記
部屋に関連してですが日本では「LDK」の表記がよく使われますが、英語圏ではよくベッドルームの数で規模を表現します。LDK表記はほぼ見かけません。
家の場合だと、部屋の数やお風呂・トイレの数でその規模を説明するのが一般的です。
I rented a two-bedroom apartment in Toronto.
私はトロントで2つのベッドルームの部屋を借りた。
We bought a three-bedroom, two-bathroom house in the suburbs.
郊外に3つの寝室、2つのバスルームがある家を買った。
She lives in a bachelor apartment downtown.
=She lives in a studio apartment downtown.
彼女は繁華街で単身者用アパートに住んでいる。
bachelor apartmentは独身用の日本でいうキッチンや寝室が一緒になった「ワンルームマンション」にあたるものです。ベッドルームがないタイプの部屋です。
studio apartmentも同じく「ワンルームマンション」ですが規模が大きいものに使われます。
厳密に境界線はなくWikipediaでも同じページに統一されています。
こういった部屋に関するとらえ方が違います。どっちにしろ日本のワンルームマンションよりかなり豪華ですね。
住宅に関連した記事がいくつかあるのであわせてご覧ください。