英語のニュースの見出し・ヘッドライン(Headlines)は独特の表記ルールがあり、アプリ『ざっくり英語ニュース!StudyNow』も一般的な英語ニュースのスタイルに従っています。
おそらく少ない文字数の中でぱっと見た時に、事実を端的に伝えるために発展した手法です。
全体としては冠詞(a/the)やbe動詞(is/am/are)などの省略、andを「,(コンマ)」に置き換える、名詞が並びやすい、時制の表現が独特などの傾向があります。
未来を表すのはto
英語ニュースの見出しでは未来を表す場合はtoを使います。
①Shinzo Abe will visit Canada
②Shinzo Abe to visit Canada
②がニュースのヘッドラインでの未来・予定を表す表記です。
過去のことでも現在形
過去のことでも現在形で表記されます。
Pop icon Prince dies at 57
事件など時間軸では「昨日」に起こったことでも、ニュースでは現在形で伝えます。
特に訃報などはニュースになった時点で亡くなっていますが現在形で表記されるため、通常ではdieのように現在形で使われにくい単語も現在形になっています。
事件など正確に過去形で書かれると、終わってしまった過去の話題のようになって臨場感がなくなります。
これは日本語でも「池袋で通行人が刺される」と書くようなものです。
過去形は受け身
過去形は受動態・受け身の文章を表します。
Junior high teacher arrested for entering women’s locker room
arrestedと過去形ですが、受動態を意味するので「逮捕される/逮捕された」となります。
大文字と小文字
上に書いたのは一般的にどのニュースでも採用されているスタイルですが、個々の単語の先頭を大文字にするか小文字にするかはニュースサイト、新聞社によって違います。
Shinzo Abe to visit Canada
Shinzo Abe to Visit Canada
Man buys broken yatch
Man Buys Broken Yatch
このように単語の先頭を大文字にするか小文字にするかは決まったルールはなく、各媒体が採用するスタイルに従っています。
前置詞は大文字にしないのが一般的です。
CNN、BBC、ロイター通信などは大文字にしていません。ニューヨーク・タイムズは各単語の先頭を大文字にしています。
StudyNowも大文字にはしていません。
English styleとは?
ここでのEnglish style(スタイル)とは出版物や論文などで英語はこのように書きましょうといったガイドラインのようなものを指します。
差別用語の置き換えや語順などが指定されています。
また見出しで何を大文字にして、何を小文字にするのかは、これはスタイルの中のキャピタライゼーションルール (capitalization rules)ともよばれる項目です。
文法は論争が起こったりしますが、スタイルはどこかの団体・出版社などが定める指針なので論争にはなりません。
また正しいスタイルも存在せず、従っているスタイルが異なれば書き方も変わります。
英語ではThe Chicago Manual of StyleやAPA styleなどが有名なスタイルとして知られています。これらのスタイルに従って出版物の文章は作成されています。
Style guide(Wikipedia)
日本語のニュースの場合
これらのルールは言語は違えど、日本のニュースでも見られます。
日本の新聞でも「小池 知事当選!」のような見出しは見た感じ何かパッと伝わります。
「小池百合子氏が東京都知事に初当選しました」と見出しで書かないのと似たような感じです。
個人的に日本語の「体言止め」が嫌いであまり使いません。これもおそらく文字数が制限されていた新聞で使われた手法。
直前の文章も「~手法です、~と思われます」と書くのが好きです。
見出しならまだ体言止めをする理由は見い出せますが、普通の文字数制限がないネット媒体で体言止めする理由があまり見当たりません。
スタイルについても、日本語の出版物では「段落の頭は一段下げる」「?の後ろには空白を入れる」「三点リーダー(…)は2個でワンセット……」などのルールが共通しています。
しかし、ネットの時代になってニュースサイトでも方針によって細かく活字時代のルールを引き継いでいるところもあれば、そうでないところもあります。
日本のネットニュースの見出し
Yahooニュースなどに代表されるネットニュースの見出しも、新聞とも違う独特の文字数制限があります。
Yahooが13.5文字、ライブドアニュースが15文字です。
新聞と違ってクリックしてもらえるように?!も使いますし、けっこう釣り気味のタイトルが顕著です。
英語のネットニュースの見出しについては現在調査中で伝統的な新聞とも違う見出しの書き方があるのかもしれません。
この手のニュースメディア運営に興味のある方には以下の本がおすすめです。文字や表記についての本ではないのでご注意ください。もっと大きな視点でのネットメディア運営です。
コラムを書いていただいたニュース編集者の中川淳一郎先生や、現LINE、元Livedoorでニュースを担当されていた田端信太郎さんなど、ネット・紙のニュースメディアの関係者が参加されています。
英語のニュースの話題はありませんが、ニュースやメディア運営に興味のある方には勉強になると思います。