rescueはカタカナの「レスキュー隊」といった言葉があるように動詞では「救助する」、名詞では「救助、救出」だと考えても問題ないと思います。危機的な状況から救うこと全般に使えるので、必ずしも人命や災害に関係している必要はありません。
rescueはアニマルシェルターから引き取った犬・猫のような動物を指すこともあります。これは知らないと混乱する要素になっています。このページではhelpとの違いも含めてrescueの使い方をまとめています。
動詞でのrescueの使い方
レスキューはカタカナにもなっているのでよく知られていますが、誰かを危険な悪い状況から「救う、救助する」を意味する動詞です。
She rescued me from the burning building.
彼女は私を燃えるビルから救い出した。
No one could rescue him from a life of drugs.
彼をドラッグの人生から助け出すことは誰にもできなかった。
The firefighter rescued a kitten from a tree.
消防士が木から子猫を助けた。
I rescued my computer files from a virus that had locked them all.
私はコンピュータのファイルすべてをロックしたウイルスからそれらを救った。
ウイルスがファイルをロックしたけれども、ロックを解除してファイルを救ったという意味です。
災害状況や人命にかかわるような状況でなくても比喩のように使うことは可能です。しかし、rescueされなかったらすべてが台無しになっていたような状況に使うので、いくぶん深刻さがあります。
I needed a pen and my co-worker rescued me.
私はペンが必要だった。そして同僚が私を救ってくれた。
上の例文はペンがなかったらすべてが終わっていたかのような状況で同僚が救ってくれたならば、あり得る表現です。
rescueとhelpの違い
基本的に日本語の「rescue(救助する)」と「help(助ける)」の違いと似たようなところがあり「help」のほうが意味が広いです。
また字面から受けるイメージにけっこうな違いが出ます。
She rescued me from the fire.
彼女は私を火事から救助してくれた。
上のrescueの状況だと私は危機的な状況であり、彼女が救助してくれたことになります。saveの意味に近いです。
She helped me from the fire.
彼女は私を火事から助けてくれた。
上の場合だと日本語ではそうは感じませんが、自分が火事から逃げ出そうとしている時に彼女が手助けをしてくれた、逃げるのを手伝ってくれたかのような印象を与えます。自分はそこまで絶望的な状況という感じがしません。
もう1つ比喩的な文章で比較してみます。
When I was cooking dinner she helped me.
私が夕食を作っているとき、彼女が助けてくれた。
上の例文だと普通に「夕食を作るのを手伝ってくれた」の意味です。
When I was cooking dinner she rescued me.
私が夕食を作っているとき、彼女が救ってくれた。
上の例文だと「救助」と考え災害のようなケースもあるかもしれませんが、どちらかといえば本当なら大失敗に終わるような料理を彼女が救ってくれた、大きな問題を解決してくれた、と解釈するのが自然です。
例えば私が味付けを失敗してもう捨てるしかないような大失敗になった料理を、彼女の腕でおいしく復活させたといった状況です。
救助、救出
名詞でもそのままrescueで「救助、救出」です。誰かを救い出す行為のことです。
The rescue required three helicopters.
救出には3台のヘリコプターが必要だった。
The soldiers requested a rescue from the war zone.
兵士たちは戦地からの救出を要請した。
The rescue of the hostages was a success.
人質の救出は成功だった。
His lifeguard team attempts several rescues in a month.
彼のライフセーバーのチームは月に数回の救助を試みている。
先に紹介した動詞での例文は深刻さが必要だとはすでに説明しました。以下の例文はすべてが台無しになるような深刻な状況ならば可能です。
I needed a pen and my co-worker rescued me.
私はペンが必要だった。そして同僚が私を救ってくれた。
「come to one’s rescue」という表現もあり、こちらはもうちょっとカジュアルに使えます。
I needed a pen and my co-worker came to my rescue.
私はペンが必要だった。そして同僚が私を救ってくれた。
上の例文は単に貸してくれたり「助かったよ」ぐらいの気軽な感じになります。
レスキュー隊を英語でどういうか?
主に人命救助活動などを行うレスキュー隊、特別救助隊の英語については少しばらつきがあります。「rescue team」は無難な言葉選びです。
人を指すなら「rescue worker」がありますが、これは人命救助に関わる広範囲の職業を指せるので消防士、警察、救急隊員あたりまで含まれてきます。
「first responder」も最近は一般的になった言葉で、これも幅広く救急隊員、警察、消防まで文字通り災害などで初動対応する人を指します。
それ以外は「paramedic(救急医療隊員)」のように具体的な職業名があります。
アニマルシェルターから引き取った動物
rescueはお店で購入された動物というよりむしろ、アニマルシェルターから手に入れられた動物を指します。こちらも名詞です。
A:What a beautiful poodle! Where did you get it?
A:なんて美しいプードルなの! どこで手に入れたの?
B:She was a rescue.
B:レスキューだったんだ。
上のほかにも「rescue cat」のような形で「アニマルシェルター出身の猫」といった使い方もあります。
On August 7th, Palmerston, a black and white rescue cat, announced his resignation from the position of chief mouser at the UK Foreign Office after more than four years of service.
8月7日、黒と白のシェルター出身のネコのパーマストンが、外務省ネズミ捕獲長の地位から、4年以上の公務の後に、退任することを発表した。
レスキュードッグ
犬の場合には少し混乱する要素があり「rescue dog」といえば、「アニマルシェルターから引き取った犬」と、災害時に瓦礫の下にいる人を探す「災害救助犬」の両方を指せます。
「rescue dog」でグーグルの画像検索をすると、里親として引き受けた犬を指しているものが多かったので、もし災害救助犬を言いたいならば別の言い方をするほうが無難です。
△ He was found under the rubble by a rescue dog.
〇 He was found under the rubble by a search dog.
彼は瓦礫の下で、救助犬によって発見された。
「search dog」や「search and rescue dog」のような言い方もあって、「search」を入れたほうが誤解がないのではっきりします。
first responder
first responderは文字通り最初の反応者であり、災害などの救急隊員、警察、消防士など最初に現場に到着するような人を指します。
The banquet was in honor of the city’s first responders.
その晩餐会は市のファーストレスポンダーを讃えたものだった。
A training program for first responders was established.
ファーストレスポンダーのための訓練プログラムが作られた。