「aid(エイド)」は「支援」といった意味や「支援物資」の意味でも使われる言葉です。支援という意味では複数形になりません。first aidは「応急処置」といった意味で使われます。
aidは動詞でも使うことができhelpに近い意味になりますが、日本語の支援すると同じでややフォーマルな言葉だといえます。
aidと同じ発音で「aide」があり、こちらは「助手・補佐官」を意味する言葉です。似た言葉で混同しやすい部分があるので例文に整理しています。
aidの名詞での意味と使い方
aidは「援助、救済、助成、エイド」を意味する言葉です。文脈がなければ暗にお金(支援金)を指して使われることが多いです。
この意味では不加算名詞なので複数形になりません。また次に紹介する「aide(助手・補佐官)」と発音は同じ【éid】となります。
動詞での使い方やhelpとの違いについては最後の項目で取り上げています。
The country asked for aid after the powerful earthquake.
強い地震の後で、その国は援助を求めた。
Volunteers provide aid for the city’s homeless.
ボランティアは街のホームレスに支援を行う。
The UN donated $1,000,000 in aid.
国連は支援として100万ドルを寄付した。
They requested aid in the form of 10,000 emergency shelters.
彼らは1万棟の緊急シェルターという形での支援を要請した。
しかし「援助品、援助物資」という意味では可算名詞で複数形になります。
The teacher received a lot of aid from her co-workers.
不可算:その先生は同僚から多くの支援を受けた。
The teacher received a lot of aids from her co-workers.
可算:その先生は同僚から多くの支援物資を受けた。
aidだとお金の感じがしますが、aidsと書くと教材、道具、アイデアぐらいに感じます。
first aid
first aidは文字の意味では「最初の支援」となりますが、医療における応急処置、救急処置のことです。
He gave the drowning man first-aid.
彼は溺れている男に応急処置をした。
Where is the first-aid kit?
救急箱はどこ?
Band-Aid(バンドエイド)とbandage
Band-Aid(バンドエイド)はジョンソン・エンド・ジョンソンの登録商品ですが世界的にバンドエイドで通っています。いちおうガーゼ付き絆創膏や英語では「Adhesive bandage」といった言葉で説明することは可能です。
I put a Band-Aid on the cut.
傷口にバンドエイドを貼った。
bandageは傷を覆い、傷を癒すのを助けるために使われる布のことで、名詞で「包帯、絆創膏」のことです。
The doctor wrapped a bandage around his forearm.
医者は彼の前腕に包帯を巻いた。
He needed to change his bandages every two days.
彼は2日ごとに包帯を変える必要があった。
動詞では傷に「包帯を巻く」ことです。絆創膏を貼るという意味で使う人もいるかもしれませんが、スティーブはおそらく自分は使わないと言っていました。
The doctor bandaged his forearm.
医者は彼の前腕に包帯を巻いた。
The quarterback bandaged his sore wrist before the game.
クォーターバックは試合前に、ずきずき痛む手首に包帯を巻いた。
aideの意味と使い方
aidと同じ発音のaideは「補佐官、側近、助手」などの人を指します。assistantと同じような人です。こちらは複数人いれば複数形のaidesとなります。
発音はaidと同じで【éid】となります。同音なので会話でaid / aideは文脈や形で判断するしかありません。
上位の(top)・近い・親密な(close)などがついて、どの程度の側近なのかを表すケースがあります。
The CEO has several aides.
CEOには何人かの側近がいる。
She became one of the Prime Minister’s top aides.
彼女は首相の主要補佐官の一人になった。
aidesとAIDSの発音
会話表現だとaideの複数形である「aides」やaidの複数形である「aids」が、病気の「AIDS」と音が同じなので混同されやすい点には少し注意が必要です。
支援という意味でのaidは不加算名詞なので複数形になりませんが、aideやaidには「S」がつく可能性があります。
He has aids.
He has aides.
He has AIDS.
(意味はかなり異なる)
アメリカの大人向けのアニメ『South Park』でも、この発音が同じなことがネタにされていました。
ファストフードのSubwayでダイエットに成功したジャレド・フォーグルさんのダイエットの成功の秘訣を「aides」と「AIDS」で混同する部分が話になっています。
Jared Has Aides(ウィキペディア)
aidとhelpの違い
aidとhelpの違いは曖昧であり、基本的にはaidはよりフォーマルで大体は命を助けるような、より深刻な状況で使われる言葉です。
一方でhelpはもっとカジュアルな言葉で、日常の行動のために使うのがよりふさわしいです。
わりと日本語の「支援」と「助け」の違いに近いと思いますが、いくつか例文をあげて比較してみます。
どちらを使っても意味が通り、どちらを使っても雰囲気にそぐわないだけで間違いとまではいえない場合が多いです。
The Japanese government promised 2 billion dollars in aid(= △ help) to the devastated country.
日本政府は破壊された国への支援に20億ドルを約束した。
この場合は「~の支援で」の意味ならばaidのほうがいいです。helpだとちょっとカジュアルな感じがします。
Can you help(= △ aid) me open this jar?
この瓶を開けるのを手伝ってくれる?
逆に上の例文のような蓋を開けるぐらいの状況にaidを使うと大げさです。
以下の場合は同じぐらいなので、どらちを使っても大丈夫です。
She decided to move in with her sick father and aid(= help) him in his daily life.
彼女は病気の父親のところへ引っ越し、日常生活で彼を助けることを決めた。
Could you aid(= help) me in this presentation?
このプレゼンを手伝ってもらえますか?
またaidは可算名詞として「援助物資」を言い表すことができますが、helpはできません。
The teacher received a lot of aid(= help) from her co-workers.
その先生は同僚からたくさんの援助を受けとった。
上の例文では「支援」という意味なのでhelpと置き換えることができます。
しかし以下の例文のように「支援物資」の意味で使っているならばhelpでは置き換えられないので別の言葉にする必要があります。
The teacher received a lot of aids from her co-workers.
= The teacher received a lot of useful items from her co-workers.
その先生は同僚からたくさんの援助(物資)を受けとった。