大学でのディベートや仕事の議論でよく使うのがpros(賛成)とcons(反対)で、あわせて「賛否両論」のような意味になっています。
しかしカタカナになっている「プロ」には「プロフェッショナル(professional)」の意味もあるので、文章によっては誤解を招く可能性があります。
今回は「pros and cons」の使い方を中心に、プロフェッショナルについてもまとめてみました。
pros and consの意味
賛成(pros)と反対(cons)で物事の良い面、悪い面について話し合う時などに登場します。メリット、デメリットに近く、使い方は以下の例文を参考にしてください。
What are the pros and cons of war?
戦争について賛成と反対の意見は?
Donald Trump has a lot of pros and cons.
ドナルド・トランプは多くの賛否両論の部分を持っている。
たまに賛否両論を天秤にかけるような意味で重さをはかるという表現がされます。重い方が良い、重要を意味します。
We have to weigh the pros and cons of doing business with them.
我々は彼らとのビジネスについての賛否を測らないといけない。
The pros outweigh the cons.
賛成が反対より重いね/いいアイデアだね。
海外の大学などでよくあるテーマは銃(gun)、中絶(abortion)、死刑制度(death penalty)などです。
講師がクラスに入ってくるなりテーマを黒板に書いて「Let’s list the pros and cons of ***!!」と言うなり、後はひたすら生徒達の賛否意見を黒板に残します。最後にまとめたり優勢をつけたり、つけないこともあります。
もしくは本人の意見に関係なく、ランダムに賛成と反対グループに分けられひたすら議論し合う形式もあります。こちらも最後に勝ち負けを決めたり決めなかったり、ちなみにこのパターンだと講師は一切発言せず座って聞いていることが多いです。
メリット・デメリットとの違い
仕事で新しいプログラムソフトを導入する時など「物」を対象にした際の議論には、強み、長所、優位や不便や不都合を意味する「advantage / disadvantage」を使うこともあります。
これも「pros and cons」に近い意味にはなりますが少しニュアンスが違います。これは日本語の「賛成」と「利点」が方向は同じでも指しているものが違うのと似ています。利点や長所があるから賛成にはなります。
カタカナでは「メリット・デメリット」がよく使われますが、英語の「merit」「demerit」はそこまで使う言葉でもありません。いちおう例文を書いておきます。
This plan has no merit.
このプランにはメリットがない。
What is the merit of doing that?
そのメリットはなに?
This plan has lots of demerits.
このプランには多くのデメリットがある。
He was given a demerit for coming late.
彼は遅刻したことでデメリットを与えられた。
最後の例文のようにデメリットは「ペナルティー」のような意味で使われるケースもあります。しかし、それでも全体的にはカタカナほど、一般的に頻繁に使われる言葉ではないのが英語のメリット、デメリットです。
他にもっと一般的な言い回しや言葉が存在しているので、あえて「merit」「demerit」を使う特別な理由がないといった感じですね。別に変な言葉ではありません。
This plan has no benefits.
このプランには恩恵・利益・利点がない。
There is no reason to use this plan.
このプランを採用する理由がない。
上の例文のような言い回しのほうが一般的なので、指している内容もほぼ同じなので、特にメリット・デメリットを使う必要性がないといった感じになります。
downsideとupside
他にもdownsideは否定的側面、不都合な点のことを意味します。
The main downside to owning a car is the cost.
車を所有することの主な否定的側面はコストだ。
Living in the countryside is relaxing, but it has downsides too.
田舎に住むのはリラックスできるが、悪い面もある。
反対はupsideです。
There are upsides to living alone, such as privacy and freedom.
一人暮らしはプライバシーや自由といった利点がある。
I missed the train, but the upside is that there’s a bar nearby I can wait in.
私は電車を逃した。しかし、いいことは、近くに待てるバーがある。
接頭語のpro(支持して)
先に書いた通りproには何かの、もしくは誰かのサポーターであること、「~を支持して、~に賛成して」の意味があります。
She is a pro-Brexit candidate.
彼女はブレグジット支持の候補者だ。
About 12 people attended the pro-Trump rally in Washington.
約12人の人々がワシントンでのトランプ支持の集会に参加した。
BrexitはイギリスのEU離脱のことです。
プロ(professional)
proにはカタカナと同じように「professional(プロフェッショナル)」の省略としての意味もあります。「プロ野球選手」のように日本語と同じ使い方です。
She is a pro tennis player.
彼女はプロのテニスプレーヤーです。
I can’t beat him. He’s a pro.
私は彼に勝てない。彼はプロだ。
go pro
go proで「プロに行く、プロになる」という日本語と感覚的に近い英語表現です。
LeBron James went pro in 2003.
レブロン・ジェームズは2003年にプロになった。
Students all over the country practice basketball with dreams of going pro.
国中の学生たちはプロになる夢を持ってバスケを練習している。
ただし「来週に阪神タイガースのプロテストがある」「NBAのプロテストを受ける」みたいな英語はtryoutで表現するのが普通です。
プロテストといえばprotestで「抗議活動」などを意味する言葉になってしまいます。
混乱するケース
「プロの、プロフェッショナルの」と「支持している、賛成している」の意味があるため、どちらにとるか混乱する場合がまれにあります。
He is a pro hunter.
I am a pro skateboarder.
上の例文の場合はプロフェッショナルのハンター、プロのスケートボーダーだという意味です。aが置かれていて名詞として扱われています。
He is pro-hunter.
I am pro-skateboarder.
この例文ではハンターを支持している、スケボーに賛成しているという意味で、pro-hunterは形容詞になっています。
ネイティブスピーカーが読めば、例えば街中でスケボーする行為に賛成するような人をイメージするかもしれません。
ハイフンは人によって付け方が曖昧なのと、会話ではハイフンがついているかどうかわからないので、そこまで重要ではないそうです。
「支持する」を意味する表現は英語では何パターンか考えられるので、一通りまとめた記事があります。英語ではsupportや動詞でbackを使っても「支持する」を意味することができます。