カタカナで「マグ」といえば「マグカップ」が真っ先に思い浮かぶと思いますが、そのmugとしても使われています。しかし英語ではmug cup(マグカップ)とはわざわざ言いません。
もう1つ「(路上)強盗する」といった意味もあるので、「rob」との違いも含めて整理しています。公共の場所での強盗を指すので、銀行に押し入ったりには使われません。
古い意味では「顔」といった使い方もあるので、mugの使い方を整理してみました。ネイティブに書いてもらった例文を参考にしてください。
(路上で)強盗する
mugは「(路上で)強盗する」の意味です。過去形・過去分詞はgを重ねて「mugged」です。
magazineは「雑誌」「弾倉」の意味で略して「mag」と呼ばれることがありますが字が違います。
mug【mʌ́g】強盗する、マグカップ
mag【mǽg】マガジン、弾倉
She was mugged on her way home from work.
彼女は仕事からの帰宅中に強盗にあった。
Living in the countryside, she never worried about getting mugged.
田舎に住んでいるので、彼女は強盗にあう心配をしなくてもいい。
「rob」も「mug」も荒っぽい感じで暴力・脅迫を含めた行為で相手から金品を奪うことでは同じです。mugは路上などの「公共の場」での強盗に使われるので、相手の自宅に入ったり、銀行などの私有地での犯罪にはあまり使われません。
robのほうが意味が広い大カテゴリーで、その中にmugという種類があると考えることができます。
They robbed a bank.
彼らは銀行強盗をした。
They mugged a bank.
(この言い方をしない)
路上強盗に対してはrobでもmugでもどちらでも使えます。しかし、銀行強盗だとrobしか使えません。
mugging
名詞はmuggingで「路上強盗(という行為)」です。犯罪名だと考えても問題ないと思います。
The city said muggings have decreased for the tenth year in a row.
市は路上強盗は10年連続で減っていると言った。
He had never witnessed a mugging before.
彼はこれまで一度も路上強盗を目撃したことがなかった。
mugger(路上強盗犯)
muggerが路上強盗の犯人です。
The mugger was arrested the next day.
その翌日に路上強盗犯は逮捕された。
You should never make sudden movements in front of a mugger.
路上強盗犯の前で急な動きは絶対にするべきではない。
mug(マグカップ)の意味と使い方
mugは「マグカップ」の意味でもあります。語源は同じなんですが、なぜこれが一緒になっているのか経緯は不明です。
英語では「マグカップ(mug cup)」と呼ばずに「mug」だけで通じます。
I bought a mug.
マグカップを買った。
「マグカップ(mug cup)」は間違いではないんですが自動車をわざわざ「car vehicle」と呼ぶのと似たような雰囲気です。あえて言う必要がありません。
I bought a mug cup.
I bought a car vehicle.
(言う必要がない)
mugは重い、取っ手のついた円柱のコップなので、ビールのジョッキも含まれてきます。ジョッキは和製英語なので通じません。
She poured beer into my mug.
彼女は私のジョッキにビールを注いだ。
I bought a beer mug.
I bought a coffee mug.
(どのマグか区別できる)
mug(スラング・顔)
ちょっと古臭い感じになっていますがスラングで「顔」の意味があります。「ツラ」と考えてもいいかもしれません。
逮捕されたときに撮影する上のような顔写真はmugshotと呼ばれますが、そのmugは強盗の意味ではなく「顔」を指しています。
Don’t show your ugly mug around here again!
その醜いツラをこのあたりで二度と見せるな!
She punched him right in the mug.
彼女は彼の顔を面と向かって殴った。