look toは文字通り「~に目を向ける」という単純な意味がありますが、そこから目を向けているということは「関心がある」「何かをやろうとしている」「目指している」といった意味に広がっています。
このような基本的な動詞と前置詞、副詞の組み合わせは「Phrasal Verb(句動詞)」と呼ばれていますが、非常にふわっとしてて感覚的であるため意味が広くとれます。
日本語訳を当てはめると無数の訳ができてしまうので、日本語で考えるよりも「~に目を向ける」で感覚・イメージでとらえたほうが英語での理解に近いです。以下、代表的な使い方を例文にまとめています。
あてにする、頼りにする
何かが助けてくれることを望むことで「あてにする、頼りにする」といった意味です。
Whenever I’m in trouble I look to my parents for guidance.
私は困ったときはいつも両親の指示を頼りにする。
The team is looking to their star pitcher to get through the playoffs.
そのチームは決勝戦で勝つために彼らのスターピッチャーをあてにしている。
この使い方はturn toにも似たような意味があります。誰かの方向にturn(ターン)することは相手に向くことであり、そこから「頼る」といった意味になっています。
~の方を向く、(注意・関心)を向ける
何かの方を向くことですが、単にその方向を向くという動作以外にも注意や関心を向けることにも使われます。
「~の方を向く、(注意・関心)を向ける」を意味します。
I looked to the east and saw a ship on the ocean.
私は東の方を向いて、海の上の船を見た。
We need to look to the future to find answers.
私たちは答えを見つけるために未来に目を向ける必要がある。
~を目指す、~しようと試みる
「~を目指す、~しようと試みる、~しようとする」といった意味にもなります。短いながらも丁寧な言い回しになるそうです。
Abe looks to go to Canada.
= Abe would like to go to Canada if it is possible.
安倍首相はカナダに行きたがっている。
「もし可能ならば、そうしてみたいんだけど」といった遠慮気味、丁寧なニュアンスを含んだ言葉です。
もう1つ例文を出しておきます。
I’m looking to buy a car.
= I would like to buy a car if it’s possible.
車を買いたいんだけども…もし可能ならば。
look atとの違い
look atとlook toの違いはそのまま前置詞の役割の違いだといえます。atは対象をポイントでとらえており、toはその方向を見ています。
I’m looking at the car.
(車を見ている)
I’m looking to the car.
(車の方を見ている)
もちろん両方とも視界に車が見えていると思いますがニュアンスが違います。しかし、方向を強調したいならばtowardsを使う方がより一般的です。
I’m looking towards the car.
(より一般的な表現)
look atは基本表現として「◯◯を見ている」ですが、これも似たように表現に広がりがあります。例えば車が一台もない室内でlook atを使います。
I’m looking at a car for my wife.
= I found a car that I might buy for my wife.
この場合、車が1台もない部屋の中で「私は妻のために1台の車を見ているんだ」といえば、それは見つけたことを意味します。
またlook forは「~を探す」となるのでまた意味が異なります。
I’m looking for a car for my wife.
私は妻のために1台の車を探している。