live(ライブ)といえばライブ中継・生中継が思い浮かびますが英語でも「生放送の」という意味はあります。他にも「生きている」といった形容詞として使われます。
動詞や名詞に形が同じもの、似ているものがあるため混乱しますが、ここで取り上げているのは形容詞としてのlive(ライブ)です。
基本的な単語ではありますが「電気が通じている」といった意味もあるので使い方をまとめています。
形容詞のlive(ライブ)の使い方
liveは動詞で「住む」としてよく知られていますが、今回は形容詞での使い方を見ていきます。
形容詞の発音は【láiv】(ライヴ)になるので、動詞の【lív】(リヴ)とは異なります。
live【láiv】形容詞:生きている
live【lív】動詞:住む
また生命のlifeの複数形がlivesとなり少しややこしいのであわせて『life(ライフ)の意味と使い方』もご覧ください。
基本的には死んでいないことで「生きている」を意味します。ただしliveは料理などのために死んでいることが予想されるような動物について話す際にだけ使われます。
An Australian man ate a live slug and he died.
オーストラリアの男性は生きているナメクジを食べて死んだ。
ナメクジは本来は調理されて死んでいることが予想されるのでliveを使えます。実際に生きたナメクジを食べたオーストラリアの男性が2018年11月に死亡したと報じられていました。
他にもいくつか例文を用意したのでliveの使い方を確認してください。
My boyfriend gave me a kitten for my birthday.
彼氏が私に、私の誕生日に子猫をくれた。
▲ My boyfriend gave me a live kitten for my birthday.
(表現として少し奇妙です)
彼氏が死んだ子猫をプレゼントするはずもないので、普通はこの子猫は生きていると予想されます。そのためあえてliveを使うと変になります。
My boyfriend gave me a live chicken for my birthday.
彼氏が私に、私の誕生日に生きているニワトリをくれた。
チキンと聞いたときに普通は料理されたもの(死んだもの)、あるいはおもちゃのニワトリだろうと予想されるのでliveを使えます。
My boyfriend gave me a chicken for my birthday.
彼氏が私に、私の誕生日にチキンをくれた。
この場合はこのチキンが動物のニワトリなのか、食べ物のチキンなのか、ニワトリのおもちゃなのかがはっきりとは分からない表現です。
生きている(強調のために)
もしその動物が危険である場合に、その危険性を強調するために用いることがあります。「生きているんだよ、危険だよ!」と強調している感じです。
The box was full of live scorpions.
その箱は生きているサソリでいっぱいだった。
He fell into a pit of live snakes.
彼は生きている蛇の穴に落ちた。
人に対してはlivingを使う
普通は生きていると思われる人間に対してはliveを使わず、人の場合はlivingを用いるのがよりふさわしいです。
Obon is a time when the spirits of dead ancestors visit living people.
お盆は亡くなった先祖の魂が生きている人々の元に訪れる期間だ。
× Obon is a time when the spirits of dead ancestors visit live people
(この使い方はできません)
livingは「存命の」といった意味にもなるので、これがあえて使われるケースは、亡くなった人が含まれるケースです。このあたりは日本語と同じ感覚です。
The ceremony was attended by all of the living Baseball Hall of Fame inductees.
その式典にはすべての存命の野球殿堂の殿堂入りした人が出席した。
△ The press conference was held by all of the living founders of Twitter.
記者会見はすべての存命のツイッターの創業者によって開かれた。
ツイッターの創業者は誰も亡くなっていないので変です。つける理由がありません。
またlivingを以下のように動物に使えないこともないですが、一般的ではありません。
△ He fell into a pit of living snakes.
(あまり一般的ではない表現)
生放送の、ライブで
「生放送の、ライブで」といった意味もあり、こちらは形容詞・副詞で使われます。
I watched a live concert on YouTube.
私はユーチューブで生放送のコンサートを見た。
They are reporting live from the Oscars.
彼らはアカデミー賞をライブで報じている。
コンサートを「来週にライブがある」とカタカナで表現しますが、これは和製英語なのでlive show(ライブショー)あたりが正しい表現です。あくまでliveは生放送、生であることを指す言葉です。
live showはクラブやバーなど比較的、小さな会場で行われるものに使われます。反対にconcert(コンサート)はスタジアム級のイベントを指します。東京ドームでやるイベントを「live show」というのは有りなんですが、逆パターンの小さな会場でやるものを「コンサート」というのは違和感があります。
ロック系のバンドがコンサートをgig(ギグ)と呼んでいますが、これは本来「仕事」という意味です。バーやパブなどで演奏する、「演奏すること=生活のための仕事」が色濃いミュージシャン達が使い始めた言葉だと言われています。
電気が通じている
他に、電気を含むこと、電気が通じている状態を指すこともできます。
After the typhoon there were many live wires on the ground.
台風の後で、地面には電気が通じているワイヤーがたくさんあった。
live-action(実写版)
live-action(ライブアクション)はアニメではなく実際の人間が演じている映画やテレビ番組のことを指し、「実写の」といった意味です。アニメや漫画ではないと強調するために用いられます。
Marvel’s live-action films have been very successful.
マーベルの実写版映画はとても成功した。
I kind of liked the live-action Dragon Ball movie.
私はドラゴンボールの実写版映画がちょっと好きだった。
lively
「精力的な、活発な」という意味の副詞です。
Downtown is very lively on weekends.
繁華街は週末とても活発である。
The students had a lively discussion about the new rules.
学生たちはその新しい規則について活発な議論をした。