中学校で習う「fine(ファイン)」は日本語に訳すならば大きく3つぐらいにわけることができます。1つは「細い、細かい、小さい」といった意味で小さな文字や細い物体に対して使うことができます。
もう1つが「良い」といった意味でのfineです。しかし、ネイティブスピーカーに確認すると「悪くはない、ほどほどである」といった感覚で、それがかなり良いとまではいっていません。
このページでは「細い、小さい」の意味と、「(ほどほどに)良い」の意味でのfineの使い方を例文にまとめています。
もう1つの「罰金」の意味については系統が別なので『「fine」の罰金の意味と使い方について』にまとめています。挨拶の返事については『「I’m fine, thank you. And you?」と今でも教科書で習うのか? ネイティブは言わないのか?』をご覧ください。
この記事の目次!
fineの「細い、細かい、小さな」の意味での使い方
fineの使い方で「良い」といった意味以外でもわりと見かけるのが「細かい、小さい」といった意味で、ものが細いことや細かいことに対して用いられます。
これはペン先のような物体から、微粒子のようなもの、また詳細な説明といった広い範囲を指して用いられます。
「細い、細かい」の意味は知らないと混乱します。12世紀ぐらいにはこれらの意味があったそうなので、けっこう早い段階から多義語です。
Her hair is too fine, so she needs a special shampoo.
彼女の髪は細すぎるので、特別なシャンプーが必要だ。
She likes to use a fine tip pen.
彼女は先の細いペンを使うのが好きだ。
He explained all the fine details to me.
彼はすべての詳細を私に説明してくれた。
The factory workers wear masks to block fine particles.
その工場の労働者は微粒子をブロックするためにマスクを着用する。
fine print(ただし書き / 注意書き)
fine printといえば印刷された小さな活字を意味しますが、そこから契約書などの「ただし書き」「注意書き」などを指すことがあります。
だいたい契約書のただし書きは小さな文字で書かれていることが多いです。
Don’t forget to read the fine print before signing a contract.
契約にサインするまえに、ただし書きを読むのを忘れるな。
There was something in the fine print that said no refunds are allowed.
小さな文字で返却不可であるといっている何かがあった。
fine line
fine lineは日本語でいう「紙一重」みたいな熟語です。意味としては細い線のことです。
There is a fine line between genius and insanity.
天才と狂気の間には細い線がある(紙一重だ)
You’re walking a fine line. You’d better be careful.
危ない場所を歩いているね。もっと気を付けたほうがいい。
fine(良い)の意味と使い方
fineは「良い」といった意味で習った記憶がありますが、ネイティブスピーカーに確認してみると日本語の感覚として「結構だ」ぐらいが近い感じがします。
fineはもちろん「悪い(bad)」だとはいっていないけれど、それが「すごい(great)」であるともいっていないレベルです。英語にすると「nice」「not bad」「good」あたりの意味です。
文脈にもよりますが以下のような例文があります。
The pizza was fine.
そのピザは「ファイン」だった。
Your work was fine.
あなたの仕事(作品)は「ファイン」だった。
このような例文があった場合にはピザはもちろんまずくはありません。仕事も悪いわけではありません。そのかわりにピザがめちゃくちゃおいしかったのかといえば、そうもいっていません。
確認してみると「だいたい平均ぐらい」を広範囲にさせる言葉であり、おいしかったり素晴らしかったら「great」なりもっと特定の単語でそう言っているはずです。
アメリカ人のダイアンは「fine」を使うのは、本音を隠している部分もあって料理でいえば「結構なお味ですね」ぐらいの感覚に近く、暗にそれについて話したくない感じが出るといっていました。
もちろん文脈やアクセントやイントネーションによっても伝わり方が変わるので「fine」が絶対に本音を隠しているわけではありませんが、答えとしては無難な感じを選択している雰囲気があります。
使い方の違い
大きな感覚の違いとして「〇〇 is fine(形容詞の叙述用法)」の場合はすでに書いたように「平均ぐらい、すごいとまではいっていない、悪くはない」ぐらいの感覚になります。
しかし「fine 〇〇(形容詞の限定用法)」で使うともう少しポジティブな感じがして、平均より上ぐらいの広範囲を感じさせます。こちらは日本語の「良い」により近くなります。
Your work was fine.
(ほどほどの仕事な感じ)
You did fine work.
(良い仕事のような意味)
The pizza was fine.
(ほどほどのピザ)
I ate a fine pizza.
(美味しいピザ)
料理で「fine cuisine」「fine dining」は高級料理、芸術の「fine art」のような組み合わせはを上質の美術を指して使われることが多いです。
I was able to taste many fine wines.
私は多くの良いワインを味見することができた。
The museum has one of the finest collections of art in the world.
その美術館は世界でもっとも良いアートのコレクションの1つを保持している。
天気(weather)に対してfineを使う
fineはけっこう広い範囲を漠然と指しており、どこからどこまでという境界線が曖昧です。たぶん人によっても変わります。
天気(weather)に対してfineを使うと「いい天気」ぐらいの感じになります。
The weather is fine today.
今日はいい天気ですね。
この場合は一般的な感覚では良い天気といえば晴れです。しかし、言葉の上ではsunny(明るく日が照る)とはイコールではありません。
日本語の「いい天気」が曖昧なように、英語の「weather is fine」も解釈に幅があります。ちょっと曇っているかもしれません。ただし常識的に解釈すると「晴れ、快晴」のイメージです。
ほかにもsexyのような使い方もあります。これも「いい男」「いい女」みたいな感覚に近くなります。
He’s so fine.
彼はとてもセクシーだ。
There are a lot of fine women in this club.
このクラブにはセクシーな女がいっぱいいる。
罰金の意味としてのfineについては以下の記事をご覧ください。