単語と単語をハイフンでつないで1つの形容詞をつくることができ、これは複合形容詞(compound adjective)と呼ばれます。a two-week holiday(1回の2週間の休み)やa ten-dollar note(1枚の10ドル札)などの表現に見られます。
基本的にはどんな言葉でも可能ですが、長い言葉の組み合わせになると雑な英語に見えてしまうケースがあります。またハイフンを入れるかどうかはネイティブスピーカーでも運用面では差が見られます。
このページでは複合形容詞の使い方や運用面でのメモ程度ですが記載しておきます。
ハイフンでつなぐ複合形容詞
言葉をつないで1つの形容詞を作るのは複合形容詞(compound adjective)とよばれ、「live-action movie(実写の映画)」や「all-you-can-drink beer(飲み放題のビール)」みたいな言葉に見られます。
基本的にはどんな言葉でも可能です。後ろの名詞にかかります。
That restaurant has all-you-can-eat pizza.
あのレストランは食べ放題のピザをやっている。
His difficult-to-understand accent hurt him in job interviews.
彼の理解しがたいアクセントが面接で彼をマイナスにした。
She is a real early-to-bed-early-to-rise type person.
彼女は本物の早寝早起きタイプの人だ。
He gave his girlfriend an I-love-you-but-I-want-to-date-other-people speech.
彼は恋人に、あなたは好きだけど他の人と付き合いたいスピーチをした。
雑な英語にも見える時がある
ただし、ちょっと雑な英語にも見えるときがあるので少し気を付ける必要があります。普通の言い方もできます。
He gave his girlfriend a breakup speech.
彼は恋人に別れの言葉を言った。
一般的には別れを告げるなら上の表現がより自然でよいです。
これがもし彼が毎回、別れの時に同じセリフをいい、頻繁に恋人を乗り換えるタイプなら、ありかもしれません。
He gave his girlfriend an I-love-you-but-I-want-to-date-other-people speech.
彼は(いつもお決まりの)「あなたは好きだけど他の人と付き合いたい」を恋人に言った。
ハイフンの役割
ハイフンは、単語をつなげて1つのものにすることで、読み手が意味を取り違えないようにすることができます。
基本的にはハイフンのあるなしは入れるのが正確だとは思いますが、このあたりけっこう感覚的な感じで人によって運用に違いが見れます。
もちろん話し言葉ではハイフンが入っているかわかりませんし、意味を取り違える可能性が低いケース「high school student」のように入れない場合も多いです。
以下の例文はどちらでも問題ないパターンです。
○ That is my all-time favorite song.
○ That is my all time favorite song.
あれは私の今までで一番お気に入りの歌だ。
allがtimeにかかっているのか? もしかしたらsongにかかっているのか? などと混乱する読み手もいるかもしれないと考えて、ハイフンを親切でつける場合もあるといった感じです。
だいたいは文脈を見ればわかるケースが多く、ネイティブはハイフンのあるなしをあまり気にしていません。もちろん必ずハイフンは必要だと考える人もいるかもしれませんが、逆に不要だと感じる人もいるような感じです。
しかしハイフンをつけることで、以下のようにおかしな文になる場合もあります。
○ That is my favorite song of all time.
▲ That is my favorite song of all-time.
上のようにall timeが文末にくる場合はうしろに何も単語がなく、allがどこにかかっているのかを混乱させる要素はありません。こういったケースでハイフンをつける人はほぼいません。
もう少し例文を書いておきます。
The temperature in Tokyo reached an all-time high this summer.
東京の気温はこの夏、史上最高に達した。
Some believe John Williams is the greatest living composer, but Beethoven is the greatest of all time.
ジョン・ウィリアムズは存命するもっとも偉大な作曲者だと信じている人もいるが、ベートーベンが今まででもっとも偉大だ。
ジョン・ウィリアムズは『ジョーズ』や『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』など数々の名作映画の音楽を手掛けてきたアメリカ史上もっとも有名で成功した作曲家と言われています。
ハイフンのあるなしで意味が変わるケース
またハイフンのあるなしで意味が変わってしまう場合もあり、ハイフンが重要なケースもあります。このあたりはけっこう文脈や言い方の差でもあり、普通は文脈で何を指しているかわかるケースも多いです。
Can you work twenty-four-hour shifts?
(24時間を1回のシフト)
Can you work twenty four-hour shifts?
(4時間シフトが20回)
Can you work twenty-four hour shifts?
(1時間シフトが24回)
最後の例文はけっこう無理やりな言い方で、日常では混乱するので使わないと思います。
知り合いのイギリス人のエディターはかなり厳密にハイフンを入れるように指定してきましたが、スティーブは読み間違えないならばそこまでこだわっていないといった程度でした。