「challenge(チャレンジ・挑戦する)」の意味と使い方

チャレンジ

和製英語とまではいいませんがチャレンジ(Challenge)もカタカナ独特の使い方がされており、英語の本来の意味と少しズレが生じている言葉です。

カタカナでは挑戦するといった意味で「ヨガにチャレンジする」「TOEICにチャレンジする」のような使い方がされますが、英語のChallengeと比べると意味がずれています。

いろいろな使い方がありますが、1つ1つ例文付きで取り上げてみます。

競争・競い合うイメージの言葉

英語のChallengeは人やモノどちらにも使えますが、明確に自分に挑戦してくるものや、挑んでくるものに対して使います。競争の色合いが濃いです。

He challenged the knight to a duel.
彼は騎士に決闘を申し込んだ。

challenge to a duelで「決闘の申し込み」として使われます。

明確にお互いに、双方に競争する、競い合うような場面に「challenge」は使われます。challengeを動詞で使う場合には後ろに人・対戦する相手などを置くと自然な英文になります。

I challenge you to a game of darts.
ダーツでお前に勝負を挑む。

Trump challenged Hillary to be the US president.
トランプはアメリカ大統領になるためにヒラリーに挑んだ。

異議申し立てをする

挑戦することの延長にある使い方で「異議申し立てをする、盾突く、食ってかかる」といった意味で用いられることも多いです。

Donald Trump says many incorrect things but no one challenges him on them.
ドナルド・トランプは多くの正しくないことを言うが、誰も彼にその件で異議を言わない。

I got a parking ticket but I’m going to challenge it in court.
違反切符をもらったけど、私は裁判で異議申し立てをするつもりだ。

He got thrown out of class for challenging everything the teacher said.
彼は先生の言うことすべてに楯突いたので、クラスから追い出された。

アメフトやメジャーリーグでも、審判の判定に不服があり、ビデオ判定を求める場合は「チャレンジする」といった使い方があります。競技にもよりますが無制限ではなく、1試合でチャレンジできる回数には制限があります。

「挑戦する」を英語でいうには?

日本人が使うチャレンジは以下のように使われるケースが多いです。ヨガやTOEIC、大学受験など様々なものに「チャレンジ」しています。

He challenges the TOEIC test.

この動詞のchallengeの使い方は、間違いとは言い切れないけど少し日本人独特の英語表現で、自然さに欠けるようです。

ヨガもTOEICも、別に私達に勝とうとは思っていないし「このポーズをとれるものならとってみろ!」「お前らに800点は絶対にとらさない!ぶっ潰してやる」なども思っていません。

そもそもTOEICもヨガそのものに意思はなくただの試験やエクササイズです。TOEICやヨガそのものと競争しているわけではありません。

②This was a big challenge for me.
(これは私には大きな挑戦/課題だった)

上の例文のような表現は可能ですが、日本語とも少しニュアンスが異なります。誰かと競争のように競いあっているイメージがあります。

カタカナでは「この夏、ヨガにチャレンジする」「TOEICにチャレンジするよ」といった使い方がされますが、その多くはtryやtakeで表現可能です。

I’m going to try taking the TOEIC test.
(TOEICに挑戦するつもりだ)

試験などの場合は上のようにtryを使ってもいいのですが、take onも使えます。「少し難しいことやレベルが高いことに挑む、挑戦する」の意味があります。

He took on the TOEIC test.
(彼はTOEICのテストに挑んだ)

He took the TOEIC test.
(彼はTOEICのテストを受けた)

以下の同様の意味をまとめた言葉があります。



意思をもたないものに使う

基本的に人と争う、競い合うニュアンスが強いなので、意思をもたない物体に対してはあまり使わない言葉だといえます。

しかし意思を持たないモノに対して「challenge」がまったく使えないわけでもありません。そこに「競争」の文脈があるならば、表現としては可能になります。

例として、アメリカの多くの歌、物語、演劇、小説などでよく登場する「ジョン・ヘンリー(John Henry)」という伝説の人物がいます。

ジョン・ヘンリー(Wikipedia)

1900年代初頭にモデルとなった人物がいるようです。

ヘンリーは大男の素晴らしいハンマー使いの労働者でした。しかし鉄道を敷くために鉄道会社が、機械化された蒸気で動くハンマーを導入しようとします。

そこでヘンリーは仲間の仕事を守るため、蒸気の機械ハンマーとの対決を行います。彼は勝利しましたが心臓麻痺で亡くなってしまいます。

機械VS職人のような図式や、さまざまな示唆に富んだ話として、現代のIT化のニュース記事などでも比喩などとしても登場します。

John Henry challenged the steam-powered hammer to steel-driving race.
ジョン・ヘンリーは蒸気で動くハンマーに、ハンマー使い競争で挑んだ。

この場合など相手の「蒸気で動くハンマー」は意思を持っていませんが「challenge」で表現が可能です。

しかしながら、人がモノ・出来事に「チャレンジ」することは、そこまで多くはありません。

災害なども同じ扱いで「震災の時、消防士達は果敢にチャレンジした」といった表現もしません。自然災害もランダムに発生するだけです。

The firefighters challenged the Kumamoto disaster.
(消防士は熊本震災にチャレンジした)

人間にとっては困難なことであり、神からの試練といった解釈はありえますが、この場合にはチャレンジを使いません。

可能性として「詩的」に使うならばありえるかもしれません。ただ「詩」として考えるなら、あらゆる表現が許容されてしまいます。

モノがモノにチャレンジ

そこに「競争」の意味が見て取れるならばモノがモノにチャレンジすることは表現として可能です。

The Mini-Disc challenged the Compact-Disc in portable music.
ミニディスク/MDはポータブル音楽においてCDに挑んだ。

The Prius challenged all other cars to be more fuel efficient.
プリウスは燃費において、他のすべての車に挑戦した。

pose a challenge

pose a challenge(難題をもたらす、課題をもたらす)の表現があるので、少し意味は異なりますがこちらのほうがまだ使いやすいかもしれません。

The Kumamoto disaster posed a challenge for firefighters.
(熊本の震災は消防士達に難題をもたらした)

Yoga is posing a challenge for me since I haven’t exercised in years.
(ヨガは私に課題をもらたした。なぜなら数年、エクササイズをしていなかったから)

関連してチャレンジすることを決心する意味での表現の解説があります。あわせてtryの項目もご覧ください。

   


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