bug(バグ)はもともとは「虫」といった意味であり、虫のイメージから「イライラさせる」「隠しマイク」といったスラング的な使い方につながっています。
虫としてのバグはカジュアルな言葉であり、地上にいる小さな虫を指して全般的に使われています。紛れ込んでしまう様子からコンピュータ関係の「バグ」につながっています。
ここでは「bug」の使い方を整理しています。このページにまとめられたこと以外にも、スラング的な使い方がいっぱいあっても不思議ではない言葉です。
コンピューターのバグ
コンピュータのエラーのことで「バグ」です。機械やコンピューターが登場した歴史を考えても、この意味で使われだしたのは歴史が浅く、1880年頃だそうです。
この意味で使いだしたのは発明王のトーマス・エジソンで発明品に虫が紛れ込んでしまった状況が由来だとする説があります。
His program still had a lot of bugs.
彼のプログラムには、まだ多くのバグがあった。
They found a bug in the game that let them cheat.
彼らはそのゲームに不正できるバグを見つけた。
虫
まず名詞では「虫」を意味します。「虫」って何を指すのか? という問題になりますが「bug」はけっこうカジュアルな言葉遣いで広い範囲を指しています。
地上にいる小さな虫全般を指すのでant(アリ)、spider(クモ)、snail(カタツムリ)、grasshopper(バッタ)、worm(ミミズ)、fly(ハエ)、mosquito(蚊)、virus(ウイルス)あたりまで表すことができます。
insect(インセクト)は明確に「昆虫」であり6本足があるといった科学的な定義を持つ用語です。それに比べるとbugは日本語の「虫」と同じような漠然とした感じで気軽に使われています。
仮にもしどんな虫かが重要な場面ならば、具体的な名前をあげているはずです。
There was a big bug on his jacket.
彼のジャケットに大きな虫がいた。
I killed a bug in the bathroom.
私はバスルームにいる虫を殺した。
ディズニー&ピクサーにより制作されたアニメのタイトルにもなっています。
ばい菌、微生物
ほかにも病気を引き起こす「ばい菌、微生物」の意味もあります。
There is a flu bug going around.
インフルエンザ菌が漂っている。
He caught a cold bug.
彼は風邪の菌を捕まえた。
直訳しましたが、風邪をひいてしまったという意味です。
熱狂、熱中
何かに対する強い関心を表し、名詞で「熱狂、熱中」を意味します。
なぜこの意味になるのかははっきりしませんが、「しつこいこと」からつながっているのではといった話です。
She got the hiking bug and goes to the mountains every week.
彼女はハイキングに熱中していて、毎週山に行っている。
イライラさせる、困らせる
動詞で「イライラさせる、困らせる」の意味もあります。これも虫が近くにいるとイライラするからだと思います。1900年代半ばになって使われだした、けっこう新しい意味です。
Stop bugging me!
イラつかせるのはやめろ!
I bugged the store clerk until she gave me a refund.
私は店員が返金するまで彼女を困らせた。
盗聴器、隠しマイク
「盗聴器、隠しマイク、~に盗聴用マイクを付ける」の意味で名詞と動詞で使えます。
これもテーブルの下や壁の隅っこなど、目立たないところに虫がとまっている様子からです。
There was a bug in the president’s telephone.
大統領の電話には盗聴器がついていた。
Someone bugged the meeting and sold the information.
誰かがその会合に盗聴器をしかけ、その情報を売った。