「box office(ボックスオフィス)」とは昔の映画館の入り口にあったチケットブース、小屋を指す言葉でしたが、現代ではそこから「チケット売り上げ」「興行収入」の意味で使われることが多いです。
特に多額の予算をかけて興行的に大赤字になった作品は「box-office bomb」「box-office flop」「bomb」と呼ばれます。
このページではbox officeという単語の意味や使い方を例文を交えてご紹介しています。
チケット売り場
もともと映画のチケットが売られている小さな部屋のことで「チケット売り場」を意味します。
今ではチケットカウンターになっていますが、大昔の映画館は入り口に小さな部屋・小屋があってそこでチケットを購入して映画館の建物の中に入っていたからだと思います。
現代では建物の中にあってチケットカウンターなど他の言い方もされますが、習慣的にbox officeもいまだに使われています。ただし箱・小屋(box)である必要はありません。
She worked in the box office of the cineplex downtown.
彼女は繁華街の映画館(複合映画館)のチケット売り場で働いていた。
興行成績、チケットの売上
そこから転じて劇場での映画の「興行成績、チケットの売上」の意味になり、普通はこの「興行成績・チケット売り上げ」の意味で使われることが多いです。
Critics hated the movie but it was still a box-office hit.
批評家はその映画を嫌ったのに興行面では大当たりした。
Her latest film was a disaster at the box office.
彼女の最新の映画は興行面で大失敗だった。
なお、いくつかの辞書でbox-officeの意味を「大当たりの、興行的にもうかる」と掲載しているのを見かけましたが、スティーブはこの意味を知らないし、どう使うのか想像もできないと話しています。
あくまで「box-office / box office」は単に名詞で「興行成績」や形容詞で「興行成績の」を指すのであって、良い悪いが含まれる表現ではありません。
以下のようにhitやfailureといった言葉を伴って、興行的に成功したか失敗したかを表します。
The movie was a box-office hit.
その映画は大ヒットした。
The movie was a box-office failure.
その映画は大コケした。
bomb(興行的失敗)
あまり興行成績の良くなかった映画や、チケットの売上が製作費に届かなかったような映画を指します。この意味も名詞と動詞で使えます。
bombだけでも「興行的な失敗」を意味しますが、よりはっきりと「box-office bomb」や「box-office flop」とも呼ばれます。
The movie was a bomb in the box office, but it made a lot of money in DVD sales.
その映画はチケットの売上では大失敗だったが、DVDの売上ではたくさん稼いだ。
Hollywood’s 47 Ronin was the biggest bomb of 2013.
ハリウッドの『47 RONIN』は2013年のもっとも大コケした映画だった。
Comedies usually bomb in other countries because of the culture gaps.
喜劇はたいてい文化のギャップから他国では興行成績が良くない。
A lot of good movies bomb because they cost to much to make.
たくさんの良い映画がかなり製作費がかさむことで大失敗になる。
box-office bombの考え方として焦点になるのは「かけた予算」と「興行収入・売上」のギャップ、差の問題だといえます。
アメリカでは興行収入1億ドル(約112億円)を超えればヒット作品、2億ドル(約225億円)を超えれば年間トップ10に入るような大ヒット作品です。
例えば2013年のキアヌ・リーブス主演で日本の忠臣蔵をモチーフにした『47 Ronin』は興行収入が1.5億ドルなのでかなり多くの人が鑑賞しています。しかし、製作費が1.75億~2.25億ドルかかっているといわれているので赤字であり「box-office bomb」になっています。
Wikipediaにbox-office bombのランキングが掲載されています。一部では黒字であってもあまりに予算をかけすぎて儲からなかった作品もbombに含まれています。
List of biggest box-office bombs(Wikipedia)
blockbuster(ブロックバスター)
blockbuster(ブロックバスター)は大ヒットを指す言葉です。もう倒産しましたがアメリカの有名なレンタルビデオ店の名前にもなっていました。
A special Blu-ray edition of the blockbuster Matrix trilogy was released
スペシャルブルーレイ版の大ヒットマトリックス三部作がリリースされた。
Titanic was one of the biggest blockbusters ever.
タイタニックは過去最大の大ヒット作品の1つだった。
元は一街区(block)を破壊(bust)できる爆弾の名前からだそうです。
そこから諸説ありますが、大筋としてはブロードウェイなどの劇場・ショービジネスで使われはじめた用語として位置づけられています。
大ヒットの作品が生まれると、その演目をやっている劇場にお客さんが集中して、周辺の劇場がつぶれてしまうといった意味です。
success
ほかにもbomb(興行的失敗)の反対の意味としては、successが考えられます。これはかかった予算よりも興行収入が少しでも上回ればいちおうは興行としては「success(成功)」と呼べます。
特に商業的、興行的な成功、お金の面での成功は「commercial success」とも表現できます。
The movie was a commercial success.
その映画は商業的に成功だった。
こういった損益分岐点の話ではなく、明らかに成功したものは「hit」と呼んで差し支えないと思います。
興行成績はイマイチ、赤字だったけど批評家(critic)からの評価が高いものは「critical success」と呼ばれます。芸術性の高さや他の映画へ与えた影響力などが評価されます。
The movie was a critical success.
その映画は批評家からの評判が良かった。