bearの読み方は熊と同じで「ベアー」ですが、意味は「もたらす」「運ぶ」「耐える」としても使われます。
活用について少しややこしい部分もあるので項目を整理しています。「産む、産まれる」の意味で使う場合は「born」を使い、それ以外では「borne」が一般的です。
さまざまな意味がある言葉ですが順番に使い方を整理してみました。いくつかまったく違う他の言葉と同じスペルになってしまっているのもややこしい点です。
bearの意味と使い方
bearは古くは動詞では「もたらす」「運ぶ」「持つ」のような意味がありました。「carry」「bring」「give birth」あたりの意味です。
bear【bέər】
熊(bear)とは同じ文字、同じ発音の異義語です。むき出しを意味する「bare」とは同じ発音の異義語です。
今ではちょっと古臭い、フォーマルな言葉遣いですが、ニュースなどでたまに見かけます。けっこう広い範囲を表せる言葉です。
Many friends came to the party, all of them bearing gifts.
多くの友達がパーティーに来た。みんなギフトを持っていた。
The truck bore the logo of a famous IT company.
そのトラックには有名なIT企業のロゴがあった。
The flag was borne by a soldier.
その旗は兵士によって運ばれた。
I bought a T-shirt bearing the Amazon Japan logo.
アマゾン・ジャパンのロゴがついたTシャツを買った。
「もたらす」は抽象的ですが、果実だったら実るであり、子供だったら産むとなります。結果などにも使われます。「産む」の意味だけ過去分詞が「born」となりますがそれは後の項目で整理しています。
The queen bore five children.
女王は5人の子供を産んだ。
He has a tree that bears strange yellow fruits.
彼は奇妙な黄色の果実がなる木を持っている。
Her experiments didn’t bear the results she wanted.
彼女の実験は求めていた成果をもたらさなかった。
Bear in mindで「心に留める」の熟語となりますが、これについては別のページにまとめているのでご覧ください。
Bear in mind, he’s stronger than you.
彼はあなたよりも強い、ということを心に留めておけ。
耐える
もう1つ代表的な意味で「耐える」の使い方があります。なぜ「耐える」なのかは、おそらく「もたらす」「運ぶ」には耐える必要があるからだと思います。
He couldn’t bear the public criticism.
彼は世間の批判に耐えられなかった。
He broke his toe in the second inning and bore the pain for the rest of the game.
2イニングでつま先を折って、試合の残りは痛みに耐えた。
「bear(耐える)」で、そこにunとableがあわさって「unbearableは(耐えられない、忍び難い)」といった言葉もあります。
過去分詞のborneとbornの違い
活用が2パターンあって、意味によって変わるとするのが一般的です。
bearを「耐える」などの意味で使う場合には「bear – bore(過去形)- borne(過去分詞)」と変化します。
I can’t bear the responsibility.
その責任には耐えられない。
I bore the responsibility for ten years.
10年間、その責任に耐えた。
I’ve borne the responsibility for too long.
長い間、その責任に耐えている。
bearを「子を産む」の意味で使う場合には「bear – bore(過去形)- born(過去分詞)」と変化します。
ただし発音は「born」と「borne」は同じです。
Rabbits bear lots of offspring.
うさぎは多くの子を産む。
The rabbit bore many babies.
そのうさぎは多くの子を産んだ。
10 rabbits were born.
10匹のうさぎが生まれた。
また関連はありませんが共に過去形のboreは、「退屈させる」と同じ形です。
borne(過去分詞)の使い方
過去分詞の「borne」は他の言葉と組み合わさって登場して、carried by(~によって運ばれた)の意味となります。
何によって運ばれるかで「媒介」という日本語があり、医療関係で使われています。
Many people got sick from a food-borne illness.
多くの人が食べ物を媒介とする病気で気分が悪くなった。
The coronavirus is considered an airborne disease.
コロナウイルスは空気感染する病気だとみなされている。
airborneは「飛行機輸送の、空挺の」の意味もありますが、「飛ぶ(空気で運ばれる)」の意味もあります。
The car went airborne after it hit the ramp.
その車はスロープにあたって、空に飛んで行った。
坂道に車が突っ込んで車が空に向かって飛んで行ったようなイメージです。
動物のクマ
動物の「クマ」の意味もありますが、読み方は同じでも語源が違うので別の言葉だと思ったほうがよさそうです
He likes to hunt bears.
彼はクマ狩りが好きだ。
A bear wandered into the house.
クマが家に迷い込んできた。
空売り、下げ相場
相場・投資の世界では「空売り」「下げ相場」のような意味で使われます。これは「クマを捕まえる前に毛皮を売る」ということわざからだそうです。
下がるのが予想される、自分が持っていない株を借りて売ることです。下がった後に買い戻して、差額がもうけになります。
The bears on Wall Street reacted to the news.
ウォールストリートの空売り筋がニュースに反応した。
We are in a bear market now.
今は下げ相場だ。
空売りの考え方ですが、例えばコロナ真っただ中でどうしてもマスクが欲しい人に「マスク1枚1000円で売りますよ。とりあえず契約しましょう」としておきます。まだマスクは仕入れていません。
しかし、マスクの値段が下がるのはわかっているので、コロナが落ち着いたときにマスクを1枚100円で買います。これを1000円で契約した人に送り付ければ900円儲かります。これが空売りの考え方に近いです。