virtual(バーチャル)はよく「仮想の」あるいはそのまま「バーチャルの」と訳され、実際に現実世界には存在していないけれど、仮想空間に存在しているようなものを指して使われる言葉です。
最近のバーチャルリアリティのようなものが登場する以前から存在している言葉であり、英語では「実質上の、実質的な」といった使い方があります。
virtualの対義語については文脈によっていくつかの候補があるので、1つ1つ検証しています。よくセットになるavatar(アバター)の意味と一緒に例文にまとめました。
virtualの意味と使い方
「バーチャル」はカタカナでもよく聞かれ、意味は「仮想の、バーチャルの」です。場合によっては「疑似の」ぐらいまでを含みます。
手を触れることができる現実の世界にはない、仮想の何かを指しています。
コンピューターやテクノロジー的な意味での「バーチャル」は1960年頃に使われはじめましたが言葉そのものは14世紀、15世紀にはあったそうです。「virtue(美徳・効き目、効力)」につながり、他人に影響を与えるという部分が、今日の「仮想の、バーチャルの」につながっているとされています。
The city set up a virtual library on their website.
その市はウェブサイトに仮想の図書館を構築した。
The government is hoping to increase the use of virtual currencies.
政府は仮想通貨の使用を増やすことを期待している。
These days, virtual reality is very popular.
近頃は、バーチャルリアリティがとても人気だ。
virtual reality(バーチャルリアリティ)はVRとも呼ばれ、現実を1から作り上げるようなものです。よく比較されるAR(拡張現実)との違いは以下の記事にまとまっています。
実質上の、事実上の
100%の事実ではないけれども、ほとんどそうだという表現で「実質上の、事実上の」といった意味もあります。
The coronavirus has brought Wuhan to a virtual stop.
コロナウイルスは武漢を事実上の停止にした。
World War II led to the virtual destruction of Europe.
第二次世界大戦がヨーロッパを実質上の破滅状態に至らせた。
virtual(バーチャル)の対義語は?
virtual(バーチャル)の対義語については、どの意味で使われているのかによりますが「real」「actual」「physical」あたりが候補に入ってきます。
以下の例文はどれも成立します。
Virtual cash is more convenient than real cash.
Virtual cash is more convenient than actual cash.
Virtual cash is more convenient than physical cash.
仮想の現金は、実際の現金よりも便利だ。
The computer lets doctors perform surgery in a virtual world while a robot does the actions in the real world.
The computer lets doctors perform surgery in a virtual world while a robot does the actions in the actual world.
The computer lets doctors perform surgery in a virtual world while a robot does the actions in the physical world.
そのコンピューターは、現実世界でロボットが行為すると同時に、仮想世界で医者に手術を実行させる。
上の場合はテクノロジー的な意味でのvirtualですが、どれを使っても問題ないです。
しかしvirtualには「実質的な、実質上の」の意味があり、この意味での対義語は少し違います。
The law is a virtual ban on tobacco.
その法律は実質上のタバコの禁止だ。
上の例文は法律は禁止とは明言はしていませんが、解釈すると実質的には禁止と同じといった意味です。これの反対は以下の候補があります。
The law is a real ban on tobacco.
The law is a actual ban on tobacco.
The law is a physical ban on tobacco.
(これらは対義語としては変です)
しかし上の例文は対義語としては変です。特に「physical ban」とかはかなり奇妙な言葉です。
「事実として禁止だ」を意味したいならば、以下のようになります。実際のところvirtualの対義語には「何もつけない」といった選択も考えられます。
The law is an absolute ban on tobacco.
その法律は明白なタバコの禁止だ。
The law is a ban on tobacco.
その法律はタバコの禁止だ。
virtuallyの意味と使い方
副詞はvirtuallyで「コンピューター上で、バーチャルリアリティの技術で」を意味します。
The app lets you virtually try on makeup.
そのアプリはコンピュータ上でメイクをしてみることができる。
Google Street View lets you virtually walk around cities.
グーグルのストリートビューはコンピュータ上で街を歩ける。
また「実質的には、事実上」の意味でも使えます。
Since the improvements were made, the factory is virtually accident-free.
改良が行われたので、工場は実質的には事故がなくなっている。
She was left virtually blind from the accident.
彼女はその事故で事実上、目が不自由になった。
avatar(アバター)の意味と使い方
カタカナにもなっている「avatar(アバター)」とは、ビデオゲームやウェブサイトのようなデジタル形式での人を表す画像のことです。
もともとはヒンズー語で「(この世における神仏の)化身、権化」を意味する言葉ですが、英語ではこの使い方はめったに見られません。
She uses a puppy as her avatar on the message board.
彼女はメッセージボードでアバターに子犬を使っている。
Nintendo has cross-platform avatars called Mii.
任天堂はMiiと呼ばれるプラットフォーム間共通のアバターを持っている。