credit(クレジット)と聞いて日本人の頭に真っ先に思い浮かぶのはクレジットカードでしょう。他にも映画や音楽作品に名前が載っているのを「クレジットされている」といった表現がされます。
英単語のcreditは非常にとらえどころのない言葉で、語源としては「信じること、信念、信用」といった言葉から成り立っています。
特に英語では名詞で「功績」、動詞で「功績を認める」「おかげである」などの使われ方があり少しカタカナの範囲を外れてくるため意味がつかみにくくなっています。
この記事の目次!
クレジットカード・信用取引
いわゆるクレジットカードのクレジットで、信用取引、クレジットみたいな意味がもちろん英語にもあります。これはそのままの感覚で使うことができます。
He paid for it with credit.
彼はそれをクレジットで支払った。
I have a huge credit debt.
私は大きなクレジットの負債がある。
debit card / prepaid card
日本でもおなじみのdebit card(デビットカード)やprepaid card (プリペイドカード)もちゃんと英語で通じます。
debit card(デビットカード)は銀行の口座から直接、決済ができるサービスで「payment processing」と正式にはいうようです。クレジットカードがない人には便利なサービスです。
以下の例文はcredit cardに置き換えても、そのまま意味が通ります。
Would you like to pay by cash or debit?
現金で支払いますか? デビットカードで支払いますか?
Do you take debit?
= Can I pay with my bank card?
デビットカード使えますか?
I used my debit card to buy dinner.
夕食を買うのにデビットカードを使った。
前払い式の電子マネーでこちらも広く普及しています。
Since I don’t have a credit card, I buy things from the iTunes Store with prepaid cards.
クレジットカードを持っていないので、iTunesからモノを買うのにプリペイドカードを使っている。
In Japan you can ride the train quickly using a prepaid card.
日本ではプリペイドカードを使えば電車に素早くのれるよ。
映画などのクレジット
名詞では何かの行動に対しての「感謝、お礼、謝意、謝辞」みたいな意味があります。これは「映画のクレジット」のような使い方です。
その映画への出演を含めて何か功績があったことを名前として表記することです。
He appears in the credits of The Godfather.
彼は『ゴッドファーザー』のクレジットに登場している。
He was credited in The Godfather.
彼は『ゴッドファーザー』にクレジットされた。
Tom Cruise is credited as a producer on the movie.
トム・クルーズはその映画にプロデューサーとしてクレジットされている。
この使い方は以下に紹介する「功績などを認める」「功績がある」といった動詞・名詞での使い方につながっています。
credit with / to(~のおかげだ)
credit with / toは「功績がある」「功績を認める」といった意味で使われ、何かに貢献があったことを意味しています。
「~のおかげだ」と考えてもほぼ同じ意味で辞書にはこの和訳も掲載があります。文章のテイストによって和訳は変えてもいいかもしれません。
使い方として人とモノをどこに置くかでwithとtoが異なってきます。
The producers of the movie credited Tom Cruise with its success.
その映画のプロデューサーは、映画の成功におけるトム・クルーズの功績を認めた(おかげだ)。
The producers of the movie credited the success of the movie to Tom Cruise.
その映画のプロデューサーは、映画の成功におけるトム・クルーズの功績を認めた(おかげだ)。
Ryoma Sakamoto is credited with the Meiji Restoration.
坂本龍馬は明治維新に功績がある。
The Meiji Restoration is credited to Ryoma Sakamoto.
明治維新は坂本龍馬の功績だ。
またgiveを使う方法もあります。
The producers of the movie gave Tom Cruise credit for its success.
その映画のプロデューサーは、映画の成功におけるトム・クルーズの功績を認めた。
実際のニュースでは以下のような文章で登場しています。
Chuck Berry, one of the people credited with defining the sound of rock & roll, passed away from natural causes at the age of 90 in his St. Louis home.
ロックンロールのサウンドを定義付けた人物の一人として功績のあったチャック・ベリーが、90歳で老衰によりセントルイスの自宅で亡くなった。
Mr. Mugabe is credited with Zimbabwe’s high literacy rate after leading the country’s revolution in 1980.
1980年に国の革命を率いた後に、ムガベ大統領はジンバブエの高い識字率に功績があったと認められている。
take credit for(自分の功績にする)
「take credit for」で「~を自分の功績にする、自分の手柄にする」といった意味になります。
take (the) creditとtheをつけるかはどちらでもOKです。
She took credit for my work!
彼女は私の仕事を自分の手柄にした!
I can’t take the credit for this success. It was a team effort.
私はこの成功を自分の功績にはできない。それはチームの努力だった。
He did all the work, but she took the credit for it.
彼が全部の仕事をやった。しかし、彼女はそれを自分の手柄にした。
ISIS took the credit for the Las Vegas attack.
ISIS(イスラム国)はラスべガス銃撃の手柄を自分のものにした。
take the blame
反対の意味では「take the blame」があり「責任を負う、罪をかぶる」みたいな意味です。この場合はtake the blameと必ずtheが必要になります。
She took the blame for the crime, even though he committed it.
彼が犯したことだけど、彼女はその犯罪の罪をかぶった。
I’m going to take the blame for this accident, because it was my fault.
私はこの事故の責任を負うつもりだ。なぜなら、それは私の失敗だったからだ。
Many people think the NRA should take the blame for the attack.
多くの人々は全米ライフル協会はその攻撃の責任を負うべきだと考えている。
accredit
accreditという単語もあり「(人や組織に功績などがあると)認める」といった意味があります。他にも「~のせいにする、~に帰する」といった訳もあります。
使い方を確認してみましたがネイティブスピーカーでもあまり使わない部類の単語だそうです。発音は【əkrédit】です。
He accredited his success to hard work.
彼の成功はハードワークによるものだと彼は認めている。
「~のおかげだ」と考えても意味は近いでしょう。言い換えると以下のようにできます。
=He said he was successful because he worked hard.
そこまで見かける単語だとは思えませんが、ひょっとしたら見かけるかもしれません。